麻布・青山・白金で名建築を巡ってみよう(2023年春編)

この記事の目次

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2023年の春、季節も暖かくなった春休みを使って巡ってみたい麻布・青山それと白金エリアの名建築をまとめて紹介します。

やはりこの一帯は古くから知的資産が蓄積されているので興味深い建物が沢山あります。普段何気なく通り過ぎている建物が実は・・というのも多いのです。

久しぶりに気を使わずに遠くへ出かけられるようになったこともり、遠くに行かず近所を散歩しながら建築物の周りしたり、遠方の人も都心の名建築を見学がてらの小旅行などはどうでしょう。

また麻布・青山以外の東京都内の主な建築については姉妹サイトの「建築とアートを巡る」でも ”東京で観るべき建築” として特集していますので、そちらも参考にどうぞ。

このページの最後にも建築のマップがあります。建築巡りの計画を立てる際などに活用ください。

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隈研吾(くまけんご)

国立競技場の再設計を請け負ったことで誰もが知る建築家になった隈研吾さん。

事務所が港区内ということもあり手掛けた建物も多いです。

国立競技場

言わずと知れた国立競技場

TOKYO2020のオリンピックでメイン会場となり開会式などが行われた場所です。

まだ行ってないようならぜひ一度見学に行ってみてください。その大きさにもびっくりすると思います。

スタジアムツアー」という見学イベントに参加すると、普段は見ることのできない競技場内のエリアを見学できます。また国立競技場周辺の散策にはこちらの記事もどうぞ。

青山の梅窓院

青山通り沿い、外苑前の駅を出て目の前の「梅窓院」。

ここはお寺ですが建物や敷地が隈研吾設計です。

隈研吾事務所のご近所さんということで手掛けたのかもしれません。

国立競技場も近くセットで見学できます。

瑞聖寺(ずいしょうじ)

白金台の瑞聖寺も隈研吾さんの設計です。

梅窓院と瑞聖寺は地元の人は知っていますが、それ以外はよほど物好きか建築関係者しか知らないと思います。

こんな身近にこんなに素晴らしい場所と建物があるのかと感激します。

根津美術館

南青山の根津美術館も隈研吾さんの代表作です。

実業家・初代根津嘉一郎氏が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを展示する美術館です。

根津美術館はその素晴らしいコレクションもさることながら、東京の大都会とは思えない、緑豊かな庭園も魅力の一つです。

毎初夏には尾形光琳の燕子花図が公開され庭園の燕子花と協演しますし、秋には紅葉といつも目を楽しませてくれる美術館です。

iittala(イッタラ)表参道

表参道のイッタラストアの内装も隈研吾さんです。

日本の伝統的な千鳥格子をモチーフにした天井などいかにも隈研吾らしいです。

北欧デザインと隈研吾、親和性が高いですね。

以前はイッタラストアにカフェが併設されていて隈研吾デザインの天井を見ながらカフェタイムを楽しめたのですが、カフェの営業は終了しています。

ルアール東郷/span>

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恋愛と受験の神様として名高い原宿の東郷神社。

そこの結婚式場「ルアール東郷」の設計も隈研吾さんです。

木のルーバーなど隈研吾らしい特徴溢れる建物です。

ここで結婚式を挙げるかそれに招待されないと中に入れないのが難点ですが、外観は誰でも見学可能です。

AEAJ GREEN TERRACE

日本アロマ環境協会の活動拠点して原宿に2023年オープンしたばかりの施設。

この設計も隈研吾さんです。

環境に配慮したサスティナブルな木造建築で、”神宮前の小さな森”というのがコンセプトです。

鍋島松濤公園トイレ

渋谷区内の公共トイレを建築家やデザイナーが手掛ける日本財団のTHE TOKYO TOILETプロジェクト。

隈研吾さんが手掛けるのは松濤の鍋島松濤公園のトイレです。

木材を多用した ”和” を感じさせるデザインになっています。

渋谷の区立松濤美術館とは目と鼻の先なので、松濤美術館訪問の際はこちらも合わせて見学したいです。

港区近辺の隈研吾建築

隈研吾さんの設計した建物、港区内とその近辺にはまだまだ沢山あります。

などがありますね

一の橋(麻布十番)交差点に建つこのビルオリオ麻布十番も隈研吾さん設計です。
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安藤忠雄

隈研吾と並ぶ日本建築界の巨匠、安藤忠雄さん。

関西出身だけに東京にはあまり作品がないかと思いきや、地下に潜った東横線の渋谷駅や表参道ヒルズなど意外と多く目にすることができます。

麻布界隈の安藤忠雄建築巡り

実は麻布ガイドでは少し前にそのものズバリな「麻布界隈の安藤忠雄建築巡り」という記事を投稿しています。

南麻布、西麻布、南青山の安藤忠雄建築を紹介した記事です。

麻布のプライベートミュージアムや西麻布の商業ビルや集合住宅、そして青山のラ・コレツィーネなどを紹介しています。

表参道ヒルズ

東京の代表的な安藤忠雄建築かもしれません。

同潤会アパートの跡地に建った複合商業施設で2006年竣工。同潤会アパートの後にこの建物が建った時は味気なさを感じつつも、ようやく表参道に馴染んできたようです。

表参道ヒルズ 同潤館

 

表参道ヒルズの表参道交差点寄りの古めかしく見える建物が「同潤館」。

かつての同潤会アパートに敬意を評したいという、安藤忠雄の提案でそっくり再現したものです。

外壁を蔦が這う様子も在りし日の同潤会青山アパートそのままです。

2023年3月26日まで、渋谷区郷土博物館で「同潤会アパートと渋谷」展という同潤会の青山アパート(表参道)と代官山アパートを振り返る展覧会を開催中なので併せて見学がおすすめです。

南青山の最新安藤建築

南青山に竣工なったばかりの最新、安藤忠雄建築です。

京都の旧任天堂本社ばかりが話題になっていますが、こちらは全然話題になっていません。知る人ぞ知る・・でもここを通る人はみんな気付いています。

建物も三角形、窓も三角形、天窓も三角形。安藤忠雄のこだわりがひしひしと伝わるオフィスビルです

21世紀キリスト教会 広尾チャペル

安藤忠雄が手掛けた教会建築の中でも新しいのが広尾の21世紀キリスト教会です。

残念ながら今はチャペル内部の見学を受け付けていません。再開されるといいですね。

外観だけは見ることができますが広尾の住宅街の真ん中なのでご近所迷惑にならない程度で。

21_21 DESIGN SIGHT

ミッドタウンの「21_21 DESIGN SIGHT」も安藤忠雄さんの設計です。

国立のデザインミュージアムを悲願とするデザイナー三宅一生氏が中心になって設立したミュージアムです。

写真で左奥に見えるのは赤坂の超高級マンションですが、設計が隈研吾なのです。

神宮通公園 公衆トイレ

日本財団が渋谷区の公共トイレを生まれ変わらせようというプロジェクト「THE TOKYO TOILET」にも安藤忠雄さんが参画されれいます

明治通りの原宿と渋谷の中ほど、宮下パークのすぐ原宿側にある神宮通公園のトイレが安藤忠雄設計です。

渋谷からも原宿からも近いのでお世話になることがあるかも。

港区近辺の安藤忠雄建築

在野の建築家というイメージが強い安藤忠雄さんです。実際東京では安藤忠雄による公共建築はあまり多くありませんが、個人邸などは意外とあちこちにあります。

代表的な建築を挙げてみます。

今後も麻布ガイドでは少しづつ紹介していきますね

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青山・表参道エリア

両巨匠の次はエリアごとの名建築のまとめです。まずは青山、表参道エリアから。

蔦珈琲店

青山学院大学脇の通称アイビー通りの「蔦珈琲店」。

実はここ、日本武道館や京都タワーを設計した建築家 山田守氏の自宅だったのです。

高名な建築家が自分のために設計した家屋。興味が湧きますね。

建築と珈琲の両方を楽しめます。
(喫茶店としては閉店しました)

茶酒 金田中(さしゃ かねたなか)

杉本博司の「究竟頂(くっきょうちょう)」という作品がある表参道のオーク表参道。

その現代美術作家であり古道具屋であり建築家でもある杉本博司が空間設計を手掛けたのが「茶酒 金田中(さしゃ かねたなか)」です。

建築とはちょっと違うのですが、その洗練された大人の空間デザインは見逃せません。

青山Spiral(スパイラル)

表参道に近い青山通り沿いの文化施設「Spiral」。

建築界の大御所 槇文彦氏の設計です。

そして中のスパライルガーデンという空間にまず圧倒されてみてください。

その次は青山通りの反対側に渡って建物の全体像を見てみてください。正方形、長方形、円錐などが積み上がって出来ていることが分かります。面白いですね。

岡本太郎記念館

骨董通りと美術館通りに挟まれたエリアに建つ「岡本太郎記念館」。日本を代表する芸術家だった岡本太郎の住居兼アトリエを改装し、彼の作品の保存、調査研究それと展示を行う美術館です。

これを設計したのが坂倉準三です。

岡本太郎からの無茶振りを受けてながら見事に完成した建物。

横から見ると太郎の作品と建物が見事に調和しています。

プラダ青山

南青山みゆき通りでよく目立つプラダのガラス張りのビル。

このビルの設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。

同じみゆき通りのあるミュウミュウも設計していますが、なにより北京のオリンピックスタジアム。”鳥の巣” として有名です。

店内は写真撮影NGなのでぜひ足を運んで店内も見てみてください。

GALLERY nicolai bergmann

 

ブリザードフラワーが有名なフラワーアーティストのニコライ・バーグマンの表参道のショップとカフェ、nicolai bergmann Flahship StoreとNOMU。

どちらも大人気のフラワーショップとカフェですが、その向かいに建つのがギャラリースペース「GALLERY nicolai bergmann」。

の設計は日本を代表する建築家の妹島和世(せじまかずよ)です。

金沢の「21世紀美術館」や都内だと両国の「すみだ北斎美術館」で有名です。

また建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を日本人女性として初めて受賞しています

ただこのスペースは使われていないようです。

国連大学

青山通り沿いの国連大学。

ここは都庁や前回のオリンピックの各種施設の設計などで有名な丹下健三の設計です。

青山通り側から見ると三角形ですし、横から見るとまた別の姿を見せてくれます。

草月会館

青山一丁目駅と赤坂見附の中間、青山通り沿いの「草月会館」。

国連大学と同じくここも丹下健三の設計です。

ガラス張りのモダンな建築です。

中の草月プラザは彫刻家イサム・ノグチによる広場「天国」があり丹下健三とイサム・ノグチの協演が見られます。

ブラジル大使館

 

北青山、外苑西通りからちょっと入ったところの駐日ブラジル大使館。

設計は日系ブラジル人の建築家、ルイ・オオタケ。

曲線が特徴的なサンパウロのホテル・ユニークやサンパウロ州のチエテエコロジカルパークなどを手がけています。

この青山のブラジル大使館も曲線が使われていますが、なんとも言えないおおらかなさ加減がブラジルです

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六本木・麻布台・赤坂エリア

このエリアにも名建築があります。

六本木ヒルズ・スカイデッキ

 

六本木ヒルズ森タワーの屋上展望台「スカイデッキ」。

東京の街並みを見下ろす景色が楽しいのですが、六本木という超都心から眺めるので、ランドマーク的な建物がよく見えその位置関係が把握できます。

観光地として登るのもいいのですが、建築巡りをする前にここから位置関係を確認しておくのも良いかも。

逆にビルやランドマークをどれだけ見つけられるかという視点で眺めるのも楽しいです。

テレビ朝日

六本木ヒルズと同じ敷地のテレビ局「テレビ朝日」。この本社ビルは槇文彦設計です。

今はアトリウム、テレアサショップそれとEXガーデン・カフェが一般に公開されていて自由に利用できます。アトリウムではタモリや野原家の皆が出迎えてくれます。

外観は六本木ヒルズ側から見た湾曲した姿、けやき坂側から見る直線的な力強い姿と見る方向によって表現を変えるところが面白いです。

国立新美術館

 

森美術館と並び六本木を象徴する美術館「国立新美術館」。

日本でも最大規模の延床面積を誇る大規模美術館です。

美術館自体の設計は黒川紀章。彼の最後の設計作品でもあります。

今は実施されていませんが本来なら金曜と土曜の夜は20時までオープンしているところも六本木らしさを感じさせます。

国際文化会館

六本木/麻布十番の鳥居坂にある「国際文化会館」。

なんと前川國男、坂倉準三、吉村順三の三氏による共同設計です。

そのためもあって国の登録有形文化財にも登録されています

春と秋も楽しめる庭園は三菱の岩崎小弥太の時代に作られて見事なものです。

なおカフェ、レストランそれと結婚式は一般の人も利用可能です。

麻布台ヒルズ

2023年秋の開業を目指し現在急ピッチで工事が進む「麻布台ヒルズ」。

暫定日本一の超高層ビル「森JPタワー」もほぼ完成し、現在はもう一つの超高層ビルの建築と低層階エリアの工事の様子が見られます。

開業前なので訪問しても何かある訳ではありませんが、こうした大規模工事を見られる機会も少ないですし、後々 ”麻布台ヒルズの工事を見た” と語り継ぐこともできます。

The Okura Tokyo (ジ・オークラ東京)

東京を代表する高級ホテル「The Okura Tokyo」。

元々のホテルオークラ本館は谷口吉郎の設計ですが、新しいジ・オークラはその息子谷口吉生の設計。親子共演なのです。

谷口吉生によるモダンな設計のホテルですが至るところに父親のヘリテージに対するレスペクトが感じられる素晴らしい空間になっています。

レプリカでないリデザインされたジ・オークラ、泊まらなくても訪れてみたいですね。

聖オルバン教会

飯倉交差点近く、東京タワーへ続く通り沿いの「聖オルバン教会」。ここもアントニン・レーモンドの設計です。

軽井沢の「聖パウロ教会」は有名ですがそちらは戦前の設計、聖オルバン教会は1956年の設計です。

聖パウロ教会の方がこぶりな建物ですが、あちこちに類似性が認めらると思います。

ノアビル

聖オルバン教会とは飯倉の交差点を挟んで斜向いにあるのが「ノアビル」。

姿も不思議ですがアーチだらけで一風変わったこの建築は、渋谷の松濤美術館でも有名な異端の建築家白井晟一(しらい せいいち)の設計によるものです。

和朗マンション / ひなぎくきつね

 

飯倉片町のキャンティの裏の方に築80年以上という「和朗フラット」という今も現役のマンションがあります。

何棟かある和朗フラットの ”四号館” には幻のカフェ「ひなぎくきつね」があり、営業している時はマンションの一室でお菓子とお茶をいただくことができます。

築80年、つまり戦前のマンションが今でもしっかり機能しているのは驚きです。

また六本木からここへは首都高の上を通る不思議な地下道を通って行くことができます。

紀尾井清堂

紀尾井町で目に入るガラス張りの四角い建物。しかも外のガラスと内側のコンクリートの間に階段があったりして思わずこれは何だと叫びそうになる「紀尾井清堂」。

この建物は何かというと実は何者でもないのです。つまり用途が決まっていないのです。

こんな前代未聞の建物は内藤廣氏の設計。

外観もインパクトがありますが中はもっと凄いのです。まるで現代の神殿のよう。ただし不定期に開催される見学ツアーに参加する必要があります。

赤坂とらや本店

あの渋沢栄一も贔屓にしていたという赤坂の和菓子屋さん「とらや本店」。

ここは内藤廣氏の設計です。

和菓子屋とはいえダイナミックな空間の店内が圧巻です。

紀尾井清堂とも近いので一緒に見学するのをおすすめします。

赤坂迎賓館

赤坂迎賓館、正式な名称は「迎賓館赤坂離宮」で国宝です。

ここの見どころは実は2ヶ所。

村野藤吾が昭和の大改修を監修した国宝の本館。

それと谷口吉郎の設計による「和風別館 游心亭」です。ダイアナ妃やトランプ氏が鯉に餌を与えたあの建物です。

本館だけなら予約不要。和風別館を見学するには予約してのガイドツアーに参加する必要があります。

AXISビル

六本木の飯倉片町にも近い外苑東通り沿いのAXISビルは、ブリジストンの創業家でもある石橋家がオーナーの文化発信を目的にした商業施設です。

入居しているテナントからは多様な文化を感じますね。

広場の真ん中にある階段はデザイナーの倉俣史朗のデザイン。

AXISビル自体は安藤忠雄さんの弟さんである北山孝雄さんがプロデュースしています。

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西麻布・南麻布・元麻布エリア

このエリアにも名建築があります。

The Wall と Art Silo

 

外苑西通り、西麻布のちょっと広尾側に建つのは英国の建築家ナイジェル・コーツ設計のビルです。

その奇っ怪な外観から気になっている人も多いでしょう。

これは箱型の「The Wall」と塔型の「Art Silo」という2つのビルからなっています。

また建物だけなく、その外装もイギリスの現代アート作家たちが手掛けているので、そちらも一緒に楽しみたいですね。

エスペランザビル

日本のガウディこと梵寿綱(ぼん・じゅこう)の初期の建築です。

西麻布の住宅街の真っ只中に出現するこのビルは、ステンドグラスと彫刻とレリーフだらけ。

この頃から既に梵寿綱は梵寿綱であったことが分かります

これは何だ!? 梵寿綱って?。

気になった方は早稲田の「ドラード和世陀(わせだ)」も見学してみてください

EUハウス

南麻布にある駐日欧州連合代表部のビルです。

特に有名な建築が設計した訳ではありませんが、ヨーロッパの普通の街の集合住宅を再現したかのような建物です。

南麻布という土地柄もあってここを歩くとヨーロッパのどこかの国に行ったように感じます。

カニングハム・メモリアル・ハウス

西麻布の「カニングハム・メモリアル・ハウス」。

西麻布は笄町に居を構えていたチェコ出身でフランク・ロイド・ライトの弟子でもある建築家「アントニン・レーモンド」が設計した個人邸です。

音楽家のエロイーズ・カニングハムが101歳で亡くなるまで居住していた住居で、今も使われている建物です。

松方ハウス

元麻布の「西町インターナショナルスクール」の本部建物が通称「松方ハウス」。

西町インターの創立者で明治の元勲松方正義の孫にあたる松方種子の生家です。

この家の設計はウィリアム・ヴォーリズ。都内に現存する数少ないヴォーリズ建築ですね。

また西町インターナショナルスクールの建物は日本人建築家エドワード鈴木の設計です。

安藤記念教会

 

松方ハウスや「西町インターナショナルスクール」にもほど近い元麻布の「安藤記念教会」。

設計は銀行や教会建築を手がけたことで知られる吉武長一です。

ステンドグラスでもよく知られる教会です。

麻布南部坂教会

南麻布の「南部坂」中腹(ドイツ大使館)の下に建っている教会が「日本基督教団 麻布南部坂教会」です。

これも松方ハウス同様ウィリアム・ヴォーリズ設計による建物です。竣工は1933年のようです。

タウンハウス仙台坂

仙台坂もほど近い南麻布の住宅街。少し先には某プライベートギャラリーがあったりします。

そんな場所に建つ、ちょっと変わった外観の、でも何か格好良いメゾネット式のマンション。南麻布らしく外国人向けのマンションのようです。

このマンションの設計はあの黒川紀章。解体が進む中銀カプセルタワービルや国立新美術館の設計でも知られています。

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東麻布・三田・白金エリア

このエリアも興味深い建物が多いです。

慶應義塾図書館・旧館

いま慶應の三田キャンパスに入構できるか分かりませんが、もし入れたら「慶應義塾図書館・旧館」もぜひ。

改修工事が終わったばかりの国の重要文化財です。

それ以外にも見どころたっぷりな慶応三田キャンパスです。

綱町三井倶楽部(旧三井邸)

 

綱町の三井倶楽部。三井グループの倶楽部として運営されているので関係者以外は入れません。特に一般向けの見学会なども行っていないようです。三井グループ関係者の結婚式などにお呼ばれされた時くらいしか入る機会がありません。

でも見るからに歴史のありそうなこの建物、竣工は100年以上も前の1913年。

そして設計はジョサイア・コンドル。鹿鳴館や三菱系の三菱一号館や三菱創業家の岩崎邸などを設計したことで知られています。

三菱だけでなく三井も設計していたんですね。

蟻鱒鳶ル

三田は聖坂の途中、普連土学園の向かい辺りにあるのが「蟻鱒鳶ル (ありますとんびる)」です。

もう有名ですが ”三田のガウディ” と異名をとる岡啓輔さんという建築家の方が、一人で15年以上かけて建てている自宅ビルです。

三田の再開発のため今はシートがかけられ本体を直接見ることができません。また今後どうなるのか不透明なので今のうちにじっくり見学しておきたい建物です。。

クウェート大使館

その蟻鱒鳶ルのちょっと上にあるのが「クウェート大使館」。国連大学や都庁なども設計した丹下健三の設計したビルです。

四角いんだけど何故か不安に感じる面白い構造をしています。

耐震強度の問題で取り壊すことになった、でもやっぱり保存することになった、結局再開発で取り壊すことになった・・・話を聞くたびに二転三転していて今後どうなるのか、こちらも不透明です。

東京都庭園美術館

旧朝香宮邸で一時は迎賓館として利用されていましたが、今はそのまま美術館になったのが東京都庭園美術館。

1930年代のアール・デコ様式の建築で、内装にもルネ・ラリックが関わっていたり。館内は1930年代のパリにタイムスリップしたかのようです。

”庭園美術館” というだけあって庭園も美しく、それを眺めながらのカフェ利用にも良い季節です

港区郷土歴史館

1938年の建てられた旧・公衆衛生院の建物を改修し、今は港区の複合施設「港区郷土歴史館」として生まれ変わっています。

そびえるようなネオ・ゴシック調の建物は内田祥三(よしかず)による設計。彼が設計する建物の多くは「内田ゴシック」と呼ばれています。

東大の安田講堂や駒場の講堂や1号館なども内田ゴシックの代表作ですね

旧ユーネックスナニナニ(現ツツイ白金台ビル)

庭園美術館や郷土歴史館にも近い白金台のプラチナ通りに建つ「旧ユーネックス ナニナニ」ビル。

通りからは緑色の古びたビルにしか見えませんが、ちょっと横から見るとその異形ぶりが分かります。

金色の ”なにか”が乗った浅草のアサヒビールのビルを手掛けたフランスのデザイナー フィリップ・スタルク氏設計のビルなのです。

スタルクの建築設計はそれほど多くはないのですが、その中でもこれは代表作とも言われる建物です。 

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恵比寿・渋谷エリア

麻布でも青山でもないですが、すぐお隣の渋谷区も紹介します。

国立代々木競技場

ちょっとエリア的には遠くなりますが「国立代々木競技場」も丹下健三の設計です。

というか、丹下健三の代表作でもあり日本のモダニズム建築の大傑作です。

知恵と技術を総結集したこの体育館はまさに東京オリンピックのレガシー。国の重要文化財です。

渋谷区立松濤美術館

小規模ながらユニークな視点からの企画展でいつも評判の渋谷区立松濤美術館。

松濤という高級住宅街の中にあるだけに落ち着いた雰囲気を醸し出す美術館です。

この設計はノアビルでも有名な白井晟一。

美術館自体がアートです。

代官山ヒルサイドテラス

代官山の旧山手通り沿いに広がるヒルサイドテラス。

ここは建築家の槇文彦と土地所有者の朝倉家による代官山を文化の発信地にするというコンセプトを30年かけて具現化したものです

旧朝倉家住宅

その朝倉家。代官山一帯の大地主の住宅がヒルサイドテラス裏にあり一般に公開されています。

大正時代の民間住宅ですが文科省指定の重要文化財です。

丁寧に保存された良質な建物と庭園、東京中心部に残る関東大震災以前に遡る数少ない大正期の和風住宅といった点が評価されて重要文化財に指定されたそうです。

住宅もですが庭園も見どころです。

また安藤忠雄のところで紹介したように、渋谷区ではTHE TOKYO TOILETプロジェクトが完了し、多くの公共トイレが現代の気鋭の建築やデザイナーによりリニューアルされました。

主演の役所広司がカンヌ映画祭で男優賞を獲得したヴィム・ヴェンダース監督の映画「PERFECT DAYS」はこのTHE TOKYO TOILETプロジェクトのサイドプロジェクトとして制作されたこともよく知られています。

このブログでは以前「THE TOKYO TOILET 恵比寿の4カ所」という記事で紹介していますし、姉妹サイトでは全トイレを紹介しています。

鍋島松濤公園トイレ

▲ここは新国立競技場なども手掛けた建築家の隈研吾が設計しています。

木材を多用した ”和” を感じさせるテイストが特徴です。

松濤美術館へ訪問した際にはちょっと足を延ばしてこのトイレも見ておきたいです。

恵比寿東公園

▲恵比寿駅東口、たいやきの「ひいらぎ」やスパゲッティ専門店の「アンクルトム」の近くの通称 ”タコ公園”。

ここは青山スパイラルや代官山ヒルサイドテラスなどを設計した槇文彦のトイレです。

東三丁目

▲山手線沿いのこのトイレはデザイナーの田村奈穂のデザインです。

赤い外装が強烈な印象を残します

恵比寿公園

▲ここはインテリアデザイナーの片山正通が手掛けています。

恵比寿公園の公共トイレとは思えぬ高級感がミスマッチな感じでいいです。

恵比寿駅西口トイレ

▲恵比寿駅西口のトイレは現代日本を代表するデザイナーの佐藤可士和のデザインによるものです。

恵比寿駅のシンボル恵比寿像の隣の四角い建物が新しいトイレ。

分かりづらさが話題だったセブンイレブンのコーヒーマシンをデザインした佐藤可士和だけにちょっと心配していた人も多いと思いますが大丈夫、ちゃんと利用目的がすぐ分かるようになっています。

広尾東公園トイレ

▲THE TOKYO TOILETプロジェクトの最新トイレ、広尾ガーデンヒルズの中の広尾東公園のトイレはクリエイティブ・ディレクターの後智仁(うしろ ともひと)のデザインによるものです。

内部は2室になっていて、それが性別ではなく目的別に分かれているユニークなトイレです。外側の照明は世界の人口とほぼ同じ79億通りのパターンで点灯します。暗くなったらその照明の変化を眺めるのも楽しいかもしれません。


麻布・青山とその近辺の名建築。ざっと見どころを紹介しましたが1日で全部見るのは到底無理なので、ゴールデンウィークや緊急事態宣言/自粛期間中の週末を使ってゆっくり回ってみてはどうでしょうか。

知っている街の新しい景色が見えてきて、さらに愛着が湧くかもしれません。


麻布・青山・白金の名建築マップ

マップ左下の + と – で地図の拡大縮小ができます。

”拡大地図を表示” でモバイルではマップアプリが開きますし、パソコンでは新しいウィンドウで大きなマップが表示されます。

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