爆発空間!? 作品を間近に観られる南青山の「岡本太郎記念館」

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アトリエ兼住居だった岡本太郎記念館

南青山にある岡本太郎記念館は、1954年から太郎が亡くなる1996年までの約50年に渡りアトリエ兼住居として使用していた場所です。

没後2年のち1998年から岡本太郎記念館として生まれ変わり一般公開されています。また、その翌年1999年には岡本太郎が生を受けた川崎市に岡本太郎より生前1500点以上の作品の寄贈を受け川崎市岡本太郎美術館が開館されました。

岡本太郎の2つの美術館

この2つの美術館と記念館の違いは、美術館は川崎市すなわち公立であり、岡本太郎記念館は財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団の運営となっています。美術館は岡本太郎以外の展覧会も開催しますが、記念館は基本的に岡本太郎関連の展覧会を開催しています。

今回は南青山の岡本太郎記念館についてレポートします。

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「太陽の塔 1967 ー 2018 ー岡本太郎が問いかけたものー」展

この展覧会は、2017年10月13日から2018年2月18日までを第一期、2018年2月21日から5月27日までを第二期とする長期に渡り岡本太郎記念館で開催されていました。

太陽の塔」が完全な姿で”再生”し、今まで非公開のままになっていた太陽の塔内の耐震補強工事がついに終了しました。

そこで、展示施設に生まれ変わり公開される2018年3月の前後に「太陽の塔」竣工当時から再生されるまでの半世紀の軌跡を記録した展覧会です。

美術館の庭にはまさに太陽の塔を制作中の岡本太郎の姿が。
真に迫る岡本太郎像ですので、記念撮影もぜひここで。

太陽の塔のその内部

無数の襞を打つ真っ赤な壁は「脳の襞」です。そして中央にそびえ立つ「生命の樹」は、様々な色の枝をつけた樹木のようであり、一方で血管のようにも見えます。

太陽の塔はその外観だけでなく、いやむしろ内部の方がより一層太郎独特の世界観が広がっているのです。

々に鮮烈な印象を与えた公開当初の様子から最近の経年劣化した内部の様子、そして再び生まれ変わるまでの写真や映像など貴重な記録が展示されています。

太陽の塔内部に行く前に観ておくといい展覧会です。

これは近々万博公園に行かなければならないなという気持ちになりました。

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岡本太郎のアトリエ

この記念館の1階奥には岡本太郎が制作していたアトリエがほとんど当時のまま残されています。

筆や絵の具の跡などから、熱い想いで制作に励んでいた当時の様子が目に浮かぶようです。

▲このアトリエは時折、作品の入れ替えや配置の変更が行われています。

訪問する都度、前回と何が変わったから探すのも楽しみです。

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サロン

吹き抜けの気持ちいいアトリエの隣には、全面窓ガラスのサロンがあります。大きな窓からは庭の様子が一望できて、これまた居心地のいい空間です。

太郎は生前、制作の合間にここでお茶を飲みながら庭の木々を眺めつつアイディアを練っていたのかもしれません。

このサロンとアトリエは常設展示となっています。2Fが企画展示室で、その都度内容は変わりますが、岡本太郎関連の展示です。

▲常設展示なのですが、アトリエ同様に作品の入れ替え、配置の変更がほぼ季節ごとに行われています。

▲特に分かりやすいのが等身大の岡本太郎人形。

生前実際に着ていた洋服を衣替えのように季節ごとに着替えています。

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記念館の設計

このアトリエ兼住居の設計は坂倉準三です。

坂倉準三はあのル・コルビジェに師事し、2016年惜しまれつつ閉館したものの、猛烈な反対にあって取り壊しを免れることになったあの名建築神奈川県立近代美術館鎌倉館の設計を手がけた建築家です。

これは板倉建築研究所が保存している新築当時の岡本太郎邸とその図面です。

現在は庭の樹木やオブジェに囲まれ全容を掴むのは難しいのですが、こうしみてるとスッキリしたモダンな邸宅ですね。

▲旧館をこうして横から見るとその建物の特徴がよく分かります。

ポイントはレンズのような屋根でしょうか。

岡本太郎記念館の建物

▲ベランダから庭を見下ろす太陽の塔。

なんかジブリ映画のカオナシみたいです。

▲これは記念館の建物の出入口。

ドアから入って左側でチケットを購入します。

▲吹き抜けには ”Roll Over TARO” として岡本太郎の写真がいっぱい。

日本語だと ”岡本太郎をぶっとばせ” ですね。

なお、2022年時点では岡本太郎年表に変わっています。

▲1階ロビーからの吹き抜け、展示室を繋ぐブリッジなど、建物自体もアーティスティックなものです。

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カフェスペース

記念館にはア・ピース・オブ・ケイクというカフェが併設されています。

情熱的でパワフルすぎる太郎作品を堪能すると、ちょっとお休みしたくなるかもしれません。そんな時はここで一息つくのもいいでしょう。

▲これがメニュー。

季節のいいときはテラス席で緑と太郎作品のコラボレーションを眺めながらスイーツをいただくのもいいでしょう。特にパンケーキは近所の有名なパンケーキ店「APOC」と同じものが食べられます。

なお、カフェは月曜日と火曜日が定休日。つまり月曜日は記念館は開いているけどカフェはお休みです。カフェも併せて訪問したい場合、月曜日は避けてくださいね。

ミュージアムショップ

ミュージアムショップも当然岡本太郎一色です。

画集や著作本の他に、大小様々なグッズが所狭しと並んでいます。ガチャガチャもありますよ!

ちなみに、あのレディー・ガガ様も来館して「岡本藝術」をお買い上げになったようです。

意外に思われるかもしれませんが、でもレディー・ガガの感性を考えると岡本太郎は好きそうだなぁと思えますし、岡本太郎的世界が好きな人はレディー・ガガの世界も気にいると思います。

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岡本太郎記念館の場所

骨董通りを六本木通り方面に直進して、「クリントンストリートベイキング」の先の信号を左折します。

左折してSOUSOUを左にみながら一本目を右折すると左側にあります。

▲岡本太郎、1967年の作品「殺すな」。オリジナルは、反戦広告としてアメリカのワシントン・ポスト紙に掲載されたものです。

そしてこれは、日本のアーティスト集団「Chim↑Pom」の2013年の作品「殺すな」。半分くらい蔦に覆われてしまっていますが、まだしっかり残っています。

この作品は、ブルーノート東京側からアプローチすれば岡本太郎記念館の角に描かれているのですぐ見つけられます。

 

岡本太郎記念館 基本情報

施設名 岡本太郎記念館
住所 港区南青山6-1-19
休館日 火曜日
開館時間 10:00 – 18:00
観覧料 一般 650円、小学生 300円
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