日本のグラフィティ、ストリートアートのパイオニアとして多くの若手アーティストからのリスペクトを受け続けるKAMI(カミ)とそのパートナーのSASU(サス)によるユニットHITOTZUKI(ヒトツキ)の巨大な壁画が渋谷、渋谷宮下パーク近くの山手線ガード下に出現しました。
「シブヤ・アロープロジェクト」という、災害発生時に一時的に避難できる安全な場所として定められた「一時退避場所」の位置を来街者に知らせるため、そして渋谷区の景観を豊かにするために、公共スペースにアートを制作するプロジェクトの一環です。
このシブヤ・アロープロジェクトは第一弾としてアメリカのアーティスト、バリー・マッギーの作品が恵比寿のやはり山手線ガード下に描かれ、今回のHITOTZUKIの壁画は第三弾に当たります。
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HITOTZUKIのストリートアート
多くのアーティストからリスペクトされるカリスマ的なアーティストHITOTZUKIが描く新しい作品は、渋谷の宮下パーク近くの中渋谷ガード下の通路の壁面いっぱいを使って描かれています。
▲スプレーで描く海外の多くのグラフィティ・アーティストと異なり、KAMIはペンキやマーカーを使用し、抽象的な表現を駆使してさらに日本的な要素を導入した独自のスタイル。
2024年のパリオリンピックではストリートカルチャーを代表するスケートボードのストリート、それとブレイキンで日本人が金メダルを獲得しました。
そんなストリートカルチャーへの興味が高回っている最高のタイミングで、ストリートのスケートボーダー出身でストリートアートの第一人者であるKAMIとそのユニットHITOZUKIによる壁画が多くの人の目に触れる場所に出現した訳です。
要するにその矢印の方向に向かえば避難所があるということです。渋谷に来る機会が少ない人にとってはイザという時に逃げる方向が分かって安心ですね。
ストリートアートの制作
この壁画ですが実は2024年7月から制作が始まっていました。
酷暑の東京のガード下という風通しも良くない場所での作業ですから空調服は必須です。
また制作期間中は駐輪場のリニューアルなども行われていました。
描き始めから完成まで1ヶ月弱かかっていますので、このガード下で制作中の壁画を目にした方も多いのではないでしょうか。
▲8月上旬には壁画は完成し後は保護コーティングを施すだけになっていました。この写真はそのまったく素の状態のときに取撮影したものです。
▲駐輪場が再開する直前の状態の壁画です。
自転車が置かれていないので壁画の全貌が分かると思います。
▲この壁画が描かれているのは山手線の「中渋谷ガード」下。
写真は宮下パーク側から撮ったもので、この通路を奥の方に進むと「井ノ頭通り入口」交差点です。
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渋谷の森山大道
実はこの壁画のすぐ近くにはシブヤ・アロープロジェクトの第二弾である森山大道の作品もあります。
▲ファイヤーストリート(消防署通り)の渋谷年金事務所の消防署側の壁面に大きな空飛ぶクジラの写真が掲示されているのですが、これが森山大道の《Untitled》。シブヤ・アロー・プロジェクトの第二弾です。
2024年からシブヤ・アロープロジェクトがリニューアルされ、バリー・マッギー、森山大道と立て続けに作品が登場時、今回その3点目としてHITOTZUKIの作品が加わりました。
バリー・マッギーも森山大道も正直あまり人通りの多い場所ではありませんでしたが、HITOTZUKIの作品は宮下パークと公園通りや井ノ頭通りを繋ぐ人通りの非常に多い場所です。より多くの人に最新のストリートアート作品を見て欲しいですね。
2つのシブヤ・アロープロジェクト
シブヤ・アロープロジェクトは2023年以前と2024年以降とで別の会社が運営を行っています。
そのため公式サイトが2つ存在する形になっており、Googleなどで検索すると古い方の公式サイトが多く表示されるというちょっと困った状況になっています。
シブヤ・アロープロジェクトについてもっと知りたい場合は次のサイトをご覧ください。
公式サイトが別ドメインで新たに立てられたりしてプロジェクトの移管がスムースに行かなかった様子が伺われます。なんとも大人の事情的な闇が感じられる状況ですね。
HITOTZUKI(KAMI&SASU) 基本情報
住所 | 渋谷区神南1-23-14 中渋谷ガード下 |
最寄駅 | 渋谷駅 |
時間 | 24時間 |