デザインの拠点 21_21 DESIGN SIGHT

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10年前に開業した東京ミッドタウン。その北側の一角に特徴的なコンクリートの建物があります。

ミッドタウンにはサントリー美術館があったり、そもそも施設全体をギャラリーに見立てたパブリックアートが点在していたりしますが、その中でもこの「21_21 DESIGN SIGHT」は中心的な施設です。

安藤忠雄設計

21_21 DESIGN SIGHTは、東京ミッドタウンのミッドタウンガーデン内に三宅一生が創立者となり、デザインの拠点として2007年東京ミッドタウンと同時にオープンしました。

コンクリート打ち放しの外観からわかるように設計は安藤忠雄です。
去年はすぐ近くの新国立美術館で安藤忠雄の回顧展が開催され賑わっていましたが、そのついでに21_21まで足を延ばした方も多いと思います。

地下階が延床面積の約8割を占めているため、入り口のある地上階からはその全貌を伺い知ることはできません。

特徴としては、11.4mの日本一長い複層ガラスや三宅一生の「一枚の布」からインスパイアされた一枚の鉄板を折り曲げたような形状の屋根など、日本の技術を結集して建てられています。

地上階にはギャラリー3とショップ、地下階に2つのギャラリーと自然光がさしこむサンクンコートを擁しています。

ギャラリー3は「カンビアーノカフェ」でしたが、2016年いっぱいで閉店し、現在は3つ目の展示スペース「ギャラリー3」になっています。。



21_21のはじまり

そもそもこの21_21は、イサム・ノグチ、倉俣史朗、田中一光、安藤忠雄らと三宅一生が1980年代からデザインのためのミュージアムの必要性について語りあっていたことが端を発しています。

その後2003年に三宅一生が田中一光氏の急逝をきっかけに朝日新聞に「造ろうデザインミュージアム」という記事を発表し、三井不動産の賛同を得て21_21の企画が始動します。
2004
年に三宅一生デザイン文化財団を発足、この財団は2011年には公益財団法人に移行して、創立当初より現在まで21_21に携わっています。。

21_21 DESIGN SIGHTは三宅一生、佐藤卓、深澤直人の3名がディレクターを、川上典李子がアソシエイトディレクターを務め、この4人が中心となり、活動や、展覧会のテーマと内容について常に検討をしています。

デザインミュージアムを目指して

21_21は三宅一生にとって国立のデザインミュージアムを作るためのはじまりです。

三宅一生は「日本にデザインミュージアムをつくろう!DESIGN MUSEUM JAPAN」を設立して積極的に活動しています。
現在は「国立デザイン美術館をつくろう!」から、「デザインミュージアム設立を現実的に考える」というステージに入っています。

三宅一生がこだわる国立であるということは非常に重要な意味を持ちます。
日本にはまだないデザイン専門の美術館が国立で設立される事で「デザイン」が消費されるだけのものではなく、その伝統と技術を保存し継承して次世代へ繋いでいくことになるのです。

企画展

21_21は毎回様々な分野から展覧会ディレクターを招き企画展を開催しています。

現在開催中の「野生展:飼いならされない感覚と思考」は中沢新一が展覧会ディレクターとして迎えれらています。現代における野生とはなにかを問う展覧会です。

21_21はコレクションを持たないスペースですので、美術館というよりはギャラリーに近い存在かもしれません。
ただ、その内容は美術館と言っても過言ではない充実したものになっています

毎回実験的で興味深い内容の展覧会が開催されていますので、常にチェックして置くべき場所の1つです

また、気持ちのよい空間なので気負わずに檜町公園散歩のついでに気軽に訪れてみるのもいいかもしれません。

そして、ほんの少しでだけデザインの価値や重要性について考えてみてはいかがでしょうか。そんなきっかけとなる場所なのではないかなと思います。

21_21 DESIGN SIGHT

港区赤坂 9-7-6
休館日:火曜日
開館時間: 10:00 – 19:00

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