首都高を足下にする飯倉片町の不思議な半地下道。

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飯倉片町の地下横断歩道

外苑東通りと麻布通りが交わる「飯倉片町交差点」。ご存知のように ”いいぐらかたまち” と読みます。

この交差点、麻布通りを歩いて横切る場合はたいてい横断歩道を使うと思います。

でも六本木一丁目側にも一の橋側にも地下横断歩道があるのですが、麻布通りを渡るのにそれを使う人はかなり少ないと思います。

六本木から六本木一丁目駅や行合坂方面へ行く場合は地下横断歩道を使う人はいるかもしれませんね。
でも一の橋側の地下横断歩道を使う人は極端に少ないかもしれません。

▲これが一の橋側の地下横断歩道の入り口。あ、外苑東通りを基準にみれば六本木側の入り口。

ちょうど首都高の麻布管理所の前ですね。

東麻布に長く住んでいる人でもこの横断歩道を使うのは年に何回もありません、というか数年に1度あるかないかです。信号待ちして横断歩道を渡れば楽ですし、この交差点は近くにロシア大使館があるおかげで警察官が常駐していて安全ですし。

そして今回紹介するのはこの ’不思議な” 地下横断歩道です。

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地下横断歩道の内部

それではこの地下横断歩道を使って六本木側から麻布台側に行ってみます

▲普通に階段で降りていきます。

この辺りは六本木といえども夜は暗くて人も少ないので、いくらお巡りさんが近くにいても夜の女性の独り歩きはちょっと遠慮しておきたいですね

▲地下に降りて反対側を見てみると・・・なんか普通の地下横断歩道と様子が違いませんか?

通路の真ん中辺りから床の色が違っていますし、壁面もピカピカ光っているように見えます。

そして反対側が何故か明るい!

▲真ん中まで来て後ろを振り返ってみました。

普通の地下横断歩道なら向こう側はこのように突き当り、そこから左右に階段がありますよね

地下横断歩道の下は首都高都心環状線

この地下横断歩道の真ん中付近、壁面がピカピカ光っているのはアクリル版だから。

そして時々、時間帯によっては常に轟音が響いています。

▲かなり汚れたアクリル版を覗いてみると、道路がある!

これ、首都高のC1。都心環状線なのです。

▲このように自動車が走っていきます。

一の橋側から六本木一丁目側へ走っているので、つまりC1の外回りですね。

クルマを運転する人なら分かると思いますが、C1外回りでは芝公園方面から一の橋ジャンクションを通り、飯倉出口の先から谷町ジャンクションまでの間はトンネルになっている、そのトンネル部分です。

飯倉出口は飯倉片町の手前で麻布通りに合流しますが、C1本線の方は麻布通りの下をトンネルで通っているので、それをの地下横断歩道から見下ろしているんですね。

このように首都高の上を歩行者が渡る場所は屋外ではあちこちにありますが、地下横断歩道というのは珍しいのではないでしょうか。地下歩道なのにさらにその下に首都高が走っているのですから。坂の多い麻布ならではなのかもしれません。

ちなみにC1の外回りは高架になっていて、麻布管理所から緊急車両が出てくるのに遭遇した人も多いでしょう。

この辺りは一番上がC1の内回りと飯倉の入り口、その下が麻布通り、その下に地下横断歩道があって、そのまた下にC1の外回りという4階建て構造になっています。

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地下横断歩道の先が地上

首都高を眺めていても視界が狭いので実はあまり面白くありません。

この地下横断歩道の麻布台側の出口を目指しましょう。

▲首都高の上を過ぎたら反対側の出口を目指します。

その先に道路が見えますね。

▲向こうには自動車が走っているのが見えます。やはりそのまま地表に出てしまうようです。

出口の手前に左右に黒く見えるのは階段です。

▲麻布台に出てしまいました。

突き当りは故伊丹十三監督が住まわれていたマンション。そこを左に曲がれば「キャンティ」の角、つまり外苑東通りです。

この場所から右へ曲がれば「ひなぎくきつね」などが入る「和朗フラット(マンション)」です。

▲振り返ってみると地下横断歩道なのですが何も書いてないので、知らない人はこれが地下横断歩道とは分からないかもしれません。もっとも知らない人が地下横断歩道を使うためにここまで来ることはないんですけどね。

▲地下横断歩道の上に見えるのは麻布通り、その向こうの白い建物が首都高の麻布管理所です。

そしてこの辺り一帯は袋小路になっていて、大きな通りに出るにはキャンティ横から外苑東通りに出るか、この地下横断歩道で麻布通りの向こう側に出るしかないのです。要するに、麻布台のこの一帯に住まわれている人しか使いみちのない地下横断歩道なのです。

地下横断歩道の階段を降りてみたら出口は階段を登らなくてもそのまま地上、しかも袋小路。しかも首都高が下に見える。なんとも不思議な地下横断歩道です。

首都高麻布管理所があるのでそれと何か関係があるのか、それともロシア大使館の警備のために必要だったのか、あるいは首都高建設時に麻布台の住民のための救済策としたのか、いろいろ推測できるのですが本当のところはよく分かりません。

六本木から飯倉方面へ徒歩で移動する際など、横断歩道を使わずこちらの地下横断歩道を使ってみると散歩が楽しくなるかもしれません。

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この地下横断歩道の場所

飯倉方面の交差点のところです。

▲これは麻布通り沿いの麻布台側入り口。

ここから降りちゃうと単に首都高を眼下にできる地下横断歩道です。

六本木側から降りてくださいね。

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2 comments

  1. コメントありがとうございます!
    島崎藤村の記念碑、鼬坂沿いのマンションのところですよね。
    ただ梶井基次郎の住まいについては知りませんでした。
    ゾルゲの自宅も新一の橋の高架下辺りらしいのですが、まだ特定でてきていません。

    歴史ネタも少しつづですが充実させていきたいと考えていますので、これからも愛読よろしくお願いします。

     
  2. いつも楽しく読んでいます。
    リニューアル後は、更新頻度が多くなり、この記事のように店以外のネタも
    取り上げられ、とても興味深く読みました。
    この記事の近く(キャンティの坂を下りたところ)に確か島崎藤村の記念碑があったと
    思います。(マンションの敷地内にひっそりと記念碑がありました)
    散歩の際に発見し、この場所があの藤村に関係しているのか、ととても感動しました。

    また、その記念碑から50メートル先(飯倉片町)には、「檸檬」を書いた作家
    梶井基次郎の東京最後の住いがあったそうです。

    あと、スパイ ゾルゲが逮捕された場所がたしか麻布十番駅ちかくだった
    記憶があります。

    過去の人物にちなんだ記事もぜひ読んでみたいです。
    楽しみにしています。

     

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