新国立を手掛けた隈研吾がデザインした鍋島松濤公園トイレ

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鍋島松濤公園公共トイレ

渋谷区内の17ヵ所の公共トイレのデザインを建築家やデザイナーなどのクリエイターが手掛けるという、日本財団のTHE TOKYO TOILETプロジェクトについてレポートします。

2021年は5月になって神宮前に完成したのに続き、6月には新国立競技場も手掛けた今や日本を代表する建築家の隈研吾のトイレが鍋島松濤公園にオープンし、そして7月には恵比寿駅前に佐藤可士和のトイレがオープンする予定です。

さっそく鍋島松濤公園の隈研吾デザインによる公共トイレを利用してきました。

▲”鍋島” という名前から分かると思いますが、公共の公園となる前は佐賀の鍋島家(”葉隠” や化け猫騒動で有名)の茶園「松濤園」だった場所です。その前は紀州徳川家の下屋敷だったところ。

関東大震災後に鍋島家が土地を分譲したことにより松濤一帯は都内有数の高級住宅街になったそうです。

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隈研吾デザインのトイレ

新国立競技場根津美術館など過去の隈研吾の建築と同様、木材を多用した”和”を感じさせるデザインになっています。

▲公園内に入るとすぐに目に入る木材が立ち並んだかのようなトイレ。

言われなくとも隈研吾でしょと分かるデザインです。

▲左手のブロックは小便器だけの、要するに男性用トイレ。

真ん中は多目的トイレでその後ろ階段を登ったところには子ども用便器も備えた親子トイレ。

右側のブロックも多目的トイレです。

▲多目的トイレは地面と同じレベルに出入り口があるのでバリアフリーになっています。

▲建物脇に置かれた案内図です。

全体に4つのブロックに別れ、男性用だけ1ブロック2室。それ以外は1ブロック1室というレイアウトになっています。

男性用トイレ

特に ”男性用” とされているワケではありませんが、でも小便器しかないので実質的に男性専用です。

▲外壁はコンクリート、ドアは無愛想な鉄製。でもその外壁に切り出したばかりの天然木を貼り付けているようです。

男性用トイレは左右に1室づつ。

▲ドアの脇の木材には男性を示すサインが彫られています。

今は良いですが木材が古くなった時にサインがきちんと認識できるかちょっと心配です。

▲これは男性用の左側。

サインの人物が杖を持っていることが分かりますか? ということで高齢者向けのトイレです。

実際には小便器に取っ手が付いています。

▲内部の様子です。

壁に切り株が貼り付けられています。

一般トイレ

実質男性用はありますが女性専用トイレはありません。

▲これは多目的トイレ

▲こちらのサインは上から、車いす、オストメイト、高齢者、フィッテイングボード、妊婦、ベビーベッド、分かりません、ベビーチェアです。

うーん、分かりづらい。

男性は小便器のある部屋に入るか他の目的ならどの部屋に入ってもいいのですが、女性にはちょっと抵抗感があるトイレです。

子どもに用を足させるだけならいいのですが、公園のパブリックな空間とドア一枚で隔たっているだけというのはいくら松濤という土地でも気がひけます。

この公園を使うのは近所の人とタクシーや宅配トラックを運転している人くらいだからそれで大丈夫なのでしょう。

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鍋島松濤公園の一角ですが、この公園へは渋谷駅方面からなら東急本店(もうじき取り壊されますが)横の ”松濤文化村通り” を松濤の方に向かい2つ目の信号を斜め右に入って200mほどの突き当りです。

距離的には京王線神泉駅からの方が近いです。複雑な神泉の町の中を通り抜けなければなりませんが、あちこちにある松濤美術館への案内を見て歩けば迷うことはないと思います。

▲この公園は湧水池の周囲を児童遊園として整備したものなので、すべり台やブランコなど遊具が大きなスペースを占めています。

でも一番広いスペースを占めるのがこの湧水池。江戸時代からずっと湧き続けている池です。

しかも水車小屋まであって雰囲気を出しています。

鍋島公園を目的に訪問することはあまりないと思いますが、近くの松濤美術館や視覚障害者のためのギャラリーTOMなど訪問した際にこの隈研吾トイレも一緒にどうでしょう。

鍋島松濤公園公共トイレ
渋谷区松濤 2-10

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