旧乃木邸
乃木坂駅1番出口を出ると真上が旧乃木邸、正確に言うと現在は乃木公園と称される区立公園内に旧乃木邸があります。
陸軍大将であり教育者であった乃木希典と静子夫人が最後に住んでいた自邸で、明治天皇崩御の後、夫婦で自決した場所でもあります。
その自邸はご夫婦の遺した遺言に従い今は公園となっています。
乃木大将
現存する家屋は、乃木大将がドイツ留学中に見たフランス連隊本部を参考にして、自らの設計により明治35 年(1902)に新築されたものです。
明治期の将官の邸宅は接客を目的とする豪華な建物が多かったのに比べ、旧乃木邸の外観は黒塗りの板張りで飾り気がなく、内部も極めて簡素かつ合理的に造られており、明治期の和洋折衷建築としても貴重なものとなっています。
六本木ヒルズにあった像
「乃木大将と辻占売少年像」は、1891年に用務で乃木大将が金沢を訪ねた際、辻占売りを営みながら一家の生計を支えていた今越清三郎という少年に出会い、この少年に感銘して2円を渡したというエピソードを銅像化し、1968年に乃木大将生誕の地に設置されたものです。
乃木大将生誕の地とは、現六本木ヒルズの毛利庭園です。しかし、六本木6丁目の再開発すなわち六本木ヒルズ建設の際に、ここ乃木邸へ移設されました。
乃木邸の見学
今まで年に一度の公開だった旧乃木邸の公開が2017年から年に3回となりました。
公開されるのは5月、9月、11月の3回で各回とも数日間です。
一般公開に関する情報は港区のHPで公開されるようなので、常にチェックが必要ですね。
2017年11月の公開
昨年2017年の11月の公開日に行ったときの様子です。
入り口にいつもはない提灯が出ています。
邸内は撮影禁止なので、中の様子は残念ながら展示パネルでしかお見せできません。
ただ、現在は家の外側に通路が設けられているので、外から中の様子を見ることができます。外側からの写真を掲載します。
2人が自決したのはこの乃木大将の居室です。
公開日には、自決の際に着用していた衣服が展示されていました。
乃木邸見学の注意点
予約制ではなく、当日受付で整理券の配布があります。また、自邸保護のため20分ごとに定員20名と決められています。
私は朝一番に行きましたので、整理券なしで到着と同時に中に入ることができました。
すぐに中に入って見学がしたければなるべく早めに行くことをお勧めします。特に私が行ったのは11/3の祝日でしたから、午後はかなり混雑して、見学できなかった人もいたようです。
さらに、乃木邸内は土足では入れません。スリッパは用意されているので持参の必要はありませんが、脱ぎ履きしやすい靴で行かれるといいでしょう。
↑この案内は昨年2017年のものですが、見学システムは今後もおそらく同様だと思います。
(2018年5月にも一般公開が予告されていますが本記事掲載時点ではまだアナウンスがありません)
乃木邸の他に馬を愛した乃木大将らしく、自邸より立派な馬小屋など、見所はたくさんあります。せっかくなら公開日に行ってしっかり見学したいものですが、桜の時期なら乃木邸周りをお花見をしながら散歩して、隣の乃木神社で参拝後512cafe&Grillまで足を伸ばしてみるのはどうでしょう。
あるいは、明治の建築見学の後に現代の建築をギャラリー間で鑑賞して新旧の建築について考えるというのはいかがでしょうか。
旧乃木邸
港区赤坂 8-11-32
休園日:年末・年始 12月30日~翌年1月3日まで
開園時間:9:00~16:00まで