酷暑が続き、せっかくの夏休みでも外出をためらいがち。都心を脱出して海もいいけどやっぱり高原かなぁ、今年も軽井沢かなぁということで、麻布ゆかりの軽井沢のお店や名所をいくつか紹介しています。
ということで今回は松方春子、ハル・ライシャワー繋がりです。
元麻布の松方ハウス
元麻布のインターナショナルスクール「西町インターナショナル」。戦後すぐに設立された歴史あるインターナショナルスクールです。
その西町インターナショナルの本部建物が「松方ハウス」。今も現役で使われている、東京都選定の歴史的建造物です。
一人は西町インターナショナルスクールの創立者である松方種子。
もう一人は松方種子の妹の松方春子。後にアメリカの駐日大使エドウィン・ライシャワーと結婚したのでハル・ライシャワーあるいはライシャワー夫人として知らています。
▲しかも、ここにも書かれていますが、設計はウィリアム・ヴォーリズ。
関西を中心に多くの建築を手がけた建築家であり、「メンソレータム」で有名な近江兄弟社の創立者の一人という実業家の顔も持つ人物です。
近くの南麻布にある「南部坂教会」もヴォーリズ建築なので沢山残っているように感じますが、実は都内に現存する数少ないヴォーリズ建築です。
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旧軽井沢Cafe 涼の音(すずのね)
その松方春子、ハル・ライシャワーが所有していた軽井沢の別荘を再利用したのが、旧軽井沢の裏の方にあるカフェ「旧軽井沢Cafe 涼の音」です。
軽井沢らしく夜の営業はありません。
営業時間は朝9時から17時まで。
そのうち9時から11時までがモーニング、11時半から夕方4時半までがランチ営業です。
涼の音の外観
もともとは松方家の別荘だったのですが、特にヴォーリズなど名のある建築家によるものではなく、明治初期の旅籠旅館を昭和初期に別荘として移転改築した建物のようです。
▲今は「旧松方家別荘」として文化財登録されています。
プレートには昭和2年(1927年)建築とありますが、建材などは明治期の建物を再利用しています。
また作家の森瑤子も一時期ここに住んでいたそうです。
▲そんな古い建物をカフェとして再利用しているのでいかにも軽井沢らしい歴史を感じさせるカフェになっています。
建物内にはテラス。さらに広いガーデンテラスのテーブル席。
小さいようで収容人数はたっぷりです。
真夏でもカラッと涼しい軽井沢の朝、この庭でモーニングを食べていると軽井沢〜という気分で一日のテンションが上ります。
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涼の音の店内
古い建物ですがしっかりメンテナンスされていて戦前の建築という古さを感じさせません。
▲家具や調度品もたっぷり余裕を持って配置されているのでゆっくりした気分に浸れます。奥に見えるソファ席が室内の特等席かも。カップルで専有してもぜんぜんOKです
▲アーリーアメリカンスタイルの家屋の中にウッドのテーブル。
軽井沢に似合います。
▲室内には大きな部屋が2つあってこちらはテラス席がある方。
▲こちらも広々した感じです。
▲これはテラス席。みんなで庭に向かって座ります。
▲その広々とした庭にもテーブルが並べられています。
このガーデンテラス席はワンちゃんOKですが、その代わり喫煙もOKとなっています。
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涼の音のモーニング
この日の天気は曇り。
夏とはいえちょっとひんやりした典型的な高原の朝です。
▲店頭のメニューです。
(取材時 2024年夏の価格です)
この日のオーダーは「フレンチトースト」と「モーニングセットのC」。
▲これが「フレンチトースト」。1日10組限定。注文は1グループで1個までという制限もあって幻のメニューです。
何と言ってもパンの量より乗っているフルーツの方が多い!
信州名産のリンゴを使ったドライアップルが視覚的にもいいアクセントになっています。
▲高原の中で食事してる〜って感じです。
▲これは「モーニングセットのC」。
ミート盛りです。
ハムとソーセージとベーコンにサラダとフルーツ。それにパンが付きます。
▲このように、涼の音の高原の別荘そのものな建物を見ながらという雰囲気での食事になります。
▲振り返ると高原の木立。
ただいつの間にか人気カフェになっているようで、モーニングの時間も近くの別荘の人たちだけでなく、早くからクルマや新幹線で軽井沢入りしたお客さんも訪れていようです。
モーニングやランチなど人気のある時間帯に利用するなら電話で予約を入れておくのが良いでしょう。
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涼の音のランチ
別の日にはランチタイムに訪問してみました。
12時を過ぎると一気に混んでくるので開店直後の訪問がおすすめです。
▲ランチメニューの「パストラミビーフサンド」(スープ付き)。1,650円(税込)。
見た目はハンバーガーですがパンズの間にパストラミがぎっしり挟まれています。
▲これは喫茶メニュー。
こういう場所ですからね、ゆっくり選んで時間をかけていただきましょう。
涼の音の場所とアクセス
ちょっと簡単に説明できない場所なのです。
駐車場はないのでクルマで来た場合は旧軽井沢近辺の民間駐車場に停めます。
徒歩の場合は軽井沢ユニオンチャーチや軽井沢会テニスコートをまずは目印に。
▲これは軽井沢ユニオンチャーチ。
設計はウィリアム・ヴォーリズ。元麻布の松方ハウスと同じ人です。
元麻布とユニオンチャーチは設計したけど、別荘の設計にまでは忙しくて手が回らなかったのでしょう。
▲軽井沢会のテニスコートからショー通りを登って行き、途中で右に折れるとその先に「涼の音」と「室生犀星記念館」の看板があります。
本当にこの道で正しいのか不安になりそうな小道ですが案内に従って進めば大丈夫。
▲ちなみにお向かいさんは「室生犀星記念館」。
室生犀星の別荘だったもので築庭も本人によるものだそうです。
金沢にも同名の記念館がありますが、規模も歴史も金沢の方が本家です。
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こちらが「涼の音」。
分かりやすい看板が出ている訳でもないですが、スタッフの方の自転車や車が停められて明らかに周辺の別荘とは様相が違うのですぐ分かると思います。
ユニオンチャーチからここまで徒歩3分といったところ。旧軽井沢の中心部からたった3分でこんな静かな場所です。
歴史的建物として有名な訳でも、所有者がいわゆる有名人でもなく(森瑤子くらい)、軽井沢を歩けばすぐ目につくということない隠れ家的に利用したいカフェです。
旧軽井沢Cafe 涼の音 基本情報
店名 | 旧軽井沢Cafe 涼の音 |
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町旧軽井沢972 ハウスNo.1138 MAP |
定休日 | 水曜日 (厳冬期は休業) |
時間 | 9:00 – 17:00 9:00 – 11:00(モーニング) 11:30 – 16:30(ランチ) |
予約 | 予約可能 |
駐車場 | なし |