旧朝倉家住宅 ー ヒルサイドテラスの裏のここから今の代官山が始まった

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旧朝倉家住宅

代官山のヒルサイドテラス裏に保存されている大正時代の民家「旧朝倉家住宅」。文科省指定の重要文化財です。

おしゃれな代官山を代表するヒルサイドテラスに隣接する大正時代の民家が重要文化財、そして100円の観覧料で一般公開されていると聞くとなにか不思議な感じがしますね。

▲大正8年(1919年)に建設された旧朝倉家住宅。

丁寧に保存された良質な建物と庭園、東京中心部に残る関東大震災以前に遡る数少ない大正期の和風住宅といった点が評価されて重要文化財に指定されたそうです。

そしてこの ”朝倉家” という点もまた重要なポイントです。

今の代官山の文化や街並み、その代表的な存在のヒルサイドテラス。そうしたものはこの朝倉家に端を発しています。

この旧朝倉家住宅を見学すれば代官山のカルチャーの原点を知ることができるでしょう。

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朝倉家とヒルサイドテラス

朝倉家が歴史に登場するのは明治時代になってから。

▲精米業で財を成し代官山(猿楽町)の大地主となり政治の世界にも進出した朝倉家。その頃に建設したのが今に残る朝倉家住宅です。

渋谷でも相当な大地主だったようですが相続税の支払いなどで土地を売却し、戦後は旧山手通り沿いの土地しか残らなかったそうです。

この土地を使った不動産経営の企画が「ヒルサイドテラス」。建築家の槇文彦との協働で住居・店舗・オフィスが一体となった建築とし、そこから新しい都市文化などを発信していこうという高尚な構想です

だからヒルサイドテラスは30年もかけて街として作り上げ、そこにはアートギャラリーや世界の文化を感じさせるカフェやレストランが入っているのですね。

こうした朝倉家や槇文彦の想いはアート・フロント・ギャラリーの北川フラム氏が文化功労者として表彰されたことで一つの結果として現れたのではないでしょうか。

またヒルサイドテラスを中心とした朝倉家のディレクションがあっての代官山カルチャーということも忘れてはいけませんね。

ちなみに朝倉家は今でも代官山の別の場所に住んでいて、ときどきヒルサイドテラスの店子の様子を視察に来ていたりします。分かりやすくいうと「ル・コントワール・オクシタン(ビストロ・パッション)」でランチ食べたりしています。

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旧朝倉家住宅の外観

入口で100円払って朝倉家住宅の敷地に入ります。

▲この木造2階建て、瓦葺きの建物が旧朝倉家住宅の主屋です

正直なところこれを見て、田舎のおばあちゃん家と変わらないんじゃ? と思う人もいますよね。地方だと100年前の民家も手入れされていればまだまだ現役でしょう。

ただ都心のこの場所に、関東大震災やWW2の空襲にも耐えて残っている。そうところにも価値があるんですね。

▲建物内の案内図です。

以前は土蔵の中も覗けたと思うのですが今は外から見るだけになっています。

今は感染症対策もあり順路に沿って見学するようになっています。

▲注意書き。

最近こうした施設で注意されるのが裸足不可。足の脂が木製の床に致命的なダメージを与えてしまうんですね。

特に欧米の裸足文化の人は靴を脱ぐと裸足だったりするので知人・友人を案内する時は注意したいです。

▲これは車庫です。

大正時代に自家用車を持っていたとすれば凄いですね。さすが渋谷の大地主です。

▲これは庭園側から主屋を見たところ

庭園側から見るとよく分かるのですが、応接間や会議室それに客間。どこからも庭が見渡せるんですね

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旧朝倉家住宅の内部

それでは内部も見学してみましょう。

▲玄関。

今でもお寺とか大きな住宅だとこんな土間付きの玄関がありますよね。

靴箱の蓋が空いているのは感染症対策です。

▲まず1階の応接間を見学したら階段で2階へ上がります。

▲これは2階の広間。

▲欄間や引き戸の装飾にこれを建てた朝倉さんの趣味が伺えますね

▲これは2階の廊下から庭園を見下ろしたところです。

目黒川の段丘になっているので下々の景色は見えないんですよね。また昔は富士山もよく見えたんじゃないでしょうか。

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主屋の1階

▲1階に下りて「杉の間」という部屋。

庭園の木々が見事ですね。

紅葉しているようにも見えますが、この写真を撮ったのは12月24日のクリスマス・イブの日。もう少し早ければもっと見事な紅葉が見られますね。

▲この杉の間は2方向が開けているので開放感があります。

▲1階の杉の間の向かいはこのような中庭。

左手奥には土蔵があります(今は見学できないようです)。

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回遊式庭園

目黒川の河川段丘を利用した庭園も見どころです。

▲庭園の鑑賞も観覧料100円に含まれています。

桜や紅葉の季節は庭園だけの鑑賞もありですね。

▲庭園の斜面を下りてみました。

主屋がずいぶん高いところに見えます。

この庭園は主屋の周りの丁寧に作られた庭と、こうした自然の木々を残した(ような)庭園とがうまく組み合わされています。

▲敷地の一番下の方。

もうどこかの公園か山道のようにしか見えませんね

すぐ下は目切坂。道の向かいは東京音楽大学です(いつからここに・・)。

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旧朝倉家住宅の場所とアクセス

代官山の「代官山交番前」交差点の角です。正確には交差点からヒルサイドテラスA棟の目切坂側の横に入口があります。

向かいはいつも行列ができている一心です。

▲このような門扉があるのですぐ分かります。

最近 ”重要文化財 旧朝倉家住宅” とアピールしているようです。でも朝倉家を知らないで代官山もなにもないんですけどね。

朝倉家が高い目標を持ちそれを ”ヒルサイドテラス” という形にしたのが今の代官山ですからね。もし土地を切り売りしていたら全く違った代官山になっていたでしょう。たぶんどこにでもある繁華街か恵比寿の続きみたいになっていたんでしょうね。

代官山が好きならヒルサイドテラスで食事したりギャラリーを見るだけでなく、代官山カルチャーの根源にある朝倉家の住宅もぜひ見ておきたいですね

旧朝倉家住宅 基本情報

施設名 旧朝倉家住宅
住所 渋谷区猿楽町29-20
最寄駅 代官山駅
休館日 月曜日
開館時間 10:00 – 18:00 (11月から2月は16:30まで)
観覧料 一般100円、小中学生50円。60才以上、障害のある人と付き添いは無料
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