あの「学問のすゝめ」の本物も見られる! 慶応三田キャンパスの「慶應義塾史展示館」

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福沢諭吉記念 慶應義塾史展示館

慶應大学三田キャンパス内の図書館旧館。改修工事も終わり、2021年からカフェの「八角塔」、そして「福沢諭吉記念 慶應義塾史展示館」といった施設がオープンしています。

どちらも学生・教員だけでなく大学とは関係のない一般の人も利用可能。これはKeMCOや慶應アートスペースなども同じです。

八角塔は地元でも人気のカフェとして定着しているので、今回は図書館旧館2階の慶應義塾史展示館の紹介です

▲この施設の英語名は “KEIO HISTORY MUSEUM” 。つまり博物館です。

慶應というより福沢諭吉は幕末から明治初期にかけて、日本の近代化の思想的バックバーンになったような人ですから、福沢諭吉の人となりを追うことは日本の近代化の歴史を振り返ることに他なりません。そんな視点から慶應OB/OGでなくても楽しめる博物館です。

入場料は無料、土曜日も開館しています。土曜日に展示館や三田キャンパスのアートスポットが見学して八角堂で休憩といった利用ができるのは働く人には嬉しいですね

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図書館旧館と展示館

展示館の場所は三田キャンパス図書館旧館の2階。

階段踊り場には有名なステンドグラス。

最下部にラテン語で ”Calamvs Gladio Fortior” (ペンは剣よりも強し)と刻まれています。

2階の展示館は1912年(明治45年)建造の古い建物を改修して利用していて、常設展示室と企画展示室の2つの展示室で構成されています。

常設展示室

展示館の大きな面積を占めるのが常設展示室です。

▲図書館だった頃の大閲覧室を利用していて、常時100点以上の資料を展示しているそうです

▲パネル展示が多いのですが、模型や復元品なども展示されています

福沢諭吉の生涯と慶応大学慶應義塾の歴史などがメインです。また”特設コーナー” として企画モノの展示も行われていました。

パネルは両面にあるので全部しっかり読んでいると30分以上かかります。明治時代の建物なので天井や窓の造作なども気になるし、本気で訪問すると1時間コースですね。

▲入り口はステンドグラスのある階段側にあるのですが、旧大閲覧室の頃に使用された通用口(?)なども残されています。

重厚なドアの上に設置されている時計は今でも現役で動いています。

企画展示室

常設展示室の脇には企画展示室。不定期で企画展が行われています

▲2022年の秋季展は「福沢諭吉と非暴力」。

「学問のすゝめ」が直接のきっかけとなって、千葉県の小さな村落の人々が行動を起こした「長沼事件」を題材にした展示です。

今の千葉県成田市で発生した、地元民の土地が国有化されてしまうという事件ですが、構図はその後の成田空港開港にいたるものとまったく同じです。

その長沼事件は平和的に解決されるのですが、そこに福沢諭吉も関与していたこともあっての ”非暴力” なのだと思います。

▲壁に展示されるのは長沼事件関連の資料。

展示室の中央に展示されているのは福沢諭吉自身の資料です。

▲福沢諭吉が実際に使っていた文房具。合理主義者らしい見栄えにこだわらない簡素なもの。

携帯式になっていて家の中で移動させてはそこで机を広げて執筆していたそうです。今でいうなら家庭内ノマドでしょうか。

▲文房具と一緒に展示されてる「学問のすゝめ」初編の初版。

20数ページという薄さ。現代の私たちでも違和感なく読める分かりやすい文体。名前や冒頭の文章は誰でも知っている書籍の現物です。

「学問のすゝめ」は全部で17編からなっています。初編が人気になりどんどん書き足されて最終的には17編にもなったそうです。

青空文庫で全編を読めるのでどうぞ。(縦書き版)

図録とオフィシャルグッズ

なんと、慶應義塾史展示館のオフィシャルグッズというものもあります。

▲図録もオフィシャルグッズも1階の八角堂で販売されています。

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慶應義塾史展示館の場所とアクセス

慶應大学三田キャンパスの図書館旧館の2階です。

私たちはいつも東門から入構内するのでキャンパス内に入ってすぐの場所というイメージです。でも正門(南門)からだとキャンパスの一番奥というイメージかもしれないですね。

構内マップなどはこちらを参照ください。

▲これが図書館旧館。

1912年(明治45年)に建てられた国の重要文化財にも指定されている貴重な建物です

また慶應義塾史展示館は一般公開もされていて事前予約制となっていますが、人数に空き枠があればその場で予約可能です。今まで訪問した限り、空き枠がなかったことはありません。

築100年を超えるゴシック建築の図書館旧館という建物、日本の近代化の歴史を慶應義塾と福澤諭吉というフィルターを通じて学べる義塾史展示館。さらにこだわりカフェとしての八角塔。3点セットでの見学で学べるところが多々あります。

またこの展示館は受験生や受験生をもつ親御さんには特におすすめです。俄然やる気ができると思います。三田キャンパスは個人でのキャンパス見学は自由ですので、キャンパス内の他の施設見学とあわせてどうぞ。

慶應義塾史料展示館 基本情報

名称 福沢諭吉記念 慶應義塾史料展示館
住所 港区三田 2-15-45 慶應義塾図書館旧館2階
最寄駅 都営線三田駅、赤羽橋駅
閉館日 日曜祝日、夏季休暇中、年末年始、入試期間
時間 10:00 − 18:00
料金 無料
予約 事前予約制
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