旧国立競技場からモザイク壁画が移設され、アートスポットに変貌した新国立競技場。誰でもいつでも鑑賞可能!

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新国立競技場の壁画11点

東京オリンピック2020が終わり回復工事も完了して新しいフェーズに入った霞ヶ丘の新国立競技場。ここに旧国立競技場の壁画11点が移設され、2022年9月末から一般に公開されています。

これまでちょっと殺風景だった外苑西通り沿いのエリアが突然壮大なアートエリアに変貌しているのでビックリしている人も多いでしょう

▲旧国立競技場のバックスタンドや正面玄関脇にあったのは当時の日本を代表する芸術家たちの作品を原画とするモザイク壁画など。

旧国立が解体される際に行き先が決まらないまま取り外され保存されていました。それら壁画の移設先がようやく決まり、こうして新国立競技場の西側、外苑西通り沿いに恒久展示されることになったのです。まさに東京1964の正(プラス)のレガシーです。

ちなみに旧国立のメインスタンドにあった2点は早々に新国立への移設が決まり、青山口のところに展示されています。

東京オリンピックの悪い話題ばかりが続いていますが、新しい国立競技場はやはり最新ということもあって見どころ満載の施設です。国立競技場自体はぜひ見学しておきたい施設ですし、そこに60年代の日本のモダニズム芸術の活気を伝える壁画が加わったので今やアート好きな人にもおすすめなスポットにもなっています。

麻布ガイドでは「国立競技場スタジアムツアー」の紹介、流行の街である青山や外苑前を含む「おすすめ見学ルート」の紹介、そして「キラー通りや国立競技場周辺のカフェ」の紹介というように新国立競技場を楽しむ情報を紹介してきました。壁画を鑑賞する際にはそうした記事も参考にしてみてください。

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夜の壁画

壁画を鑑賞するなら、まずは夜の壁画を鑑賞するのがおすすめです。もちろん昼間でも鑑賞できるのですが、やはりライトアップされた夜の方が劇的なんですね。

▲ラーメンの店「ホープ軒」の前から外苑西通りを挟んで国立競技場と壁画を見たところ。

以前は真っ暗だったエリアに光が灯り、壁画がライトアップされてるのが分かります。

また背景の国立競技場の建物自体が巨大過ぎてスケール感が分かりづらいのですが、壁画も相当巨大です。最大の作品で高さで8mくらいあるそうです。

▲国立競技場の敷地に入るとこのようにズラッと壁画が並んでいるのは壮観です。

このスケール感が写真ではなかなか伝えられないので、これはとにかく一度見学に行ってもらいたいです。

▲これは南側から。

全部で11点の壁画たちが迎えてくれるのです

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4人の作家と11点の壁画

国立競技場に移設展示されている壁画11点(と作家4人)を簡単に紹介します。作者の制作意図などはこちらの資料(PDF)に詳しいです。

ちなみに、この壁画は国立競技場のパブリックスペースに展示されているので、誰でもいつでも無料で鑑賞することができます。

▲左のオレンジ色の作品は脇田和の「飛転」。

右は宮本三郎の「より速く」。

▲モザイク壁画ですね。

力強く躍動感が溢れ、1964年という高度成長期真っ只中の日本を象徴するかのような作品です。

東京2020と違って東京1964は国全体での高揚感が凄かったのでしょうね

▲左は同じ宮本三郎の「より高く」。

右は大沢昌助の「動態」。

ちなみに、これら壁画の保存、移設については大沢昌助のご遺族が相当尽力されたそうです。

▲この壁画、よく見ると階段が付いています。

この階段は壁画としての階段ではなく、実際にここに階段があったようです。階段を解体し、壁画を切り出して保存という作業の名残のようです。

また、手すりが見えるのは、壁画をここに設置するために地面を掘り下げたからです。国立競技場のような巨大な建物でも天井がつかえて入らないほど巨大な壁画なのです。とにかく行ってそのスケール感に圧倒されてみてください。

▲左の赤い楕円、陸上トラック状のものが見える作品は脇田和の「勝利の場」。

右は寺田竹雄の「友愛」。

ここにある11点の作品は、もともとは旧国立競技場バックスタンドの回廊に設置されていて、決して多くの人の目に触れる場所ではなかったそうです。でもこうして移設されより多くの人に見てもらえるようになったわけです。

▲左は寺田竹雄の「躍進」。

真ん中も寺田竹雄で「よろこび」。この作品だけは旧国立競技場の玄関脇に展示されていたものです。

右は大沢昌助の「人と太陽」。▲右は寺田竹雄の「勝利」。

奥に見えるのが脇田和の「躍動」。

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デッキ下の壁画たち

壁画の様子をもう少し詳しく見てみましょう。

▲国立競技場の外壁に沿って並ぶ壁画。

「勝利の場」、「友愛」、「より高く」、「躍動」。この4作は天井の高さが足りず、床を掘りごたつのように掘って収納しています。

▲国立競技場の壁から、高さで120cmくらいで切り出し、それをここに移設してくっつけています。

区切り1つで120cmくらいとして、高さ6mくらいでしょうか

▲ちょっと遠目に見てもこのように図柄が分かります

▲中央門のデッキ下には1964東京やその後のユニバーシアード大会、世界陸上の銘板が設置されていて、これも今は一般公開されています。壁画と合わせて見学しておきたいです

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昼間の壁画

壁画を見るなら夜がおすすめなのですが、もちろん昼間でも壁画を鑑賞することができます。

▲夜と違って昼間は壁画の存在がよく分かりません。ライトアップされておらず日陰になっているからでしょう。

遠景ショットを撮るならやはり夜でしょうね。

▲ただ実際の壁画は昼間でもこの通り。ライトアップこそありませんが昼間でもしっかり鑑賞できます。

数十年間、あまり話題にもならなかった壁画たちを思う存分眺め倒してみたいですね。

▲ただ日没が近づくとライトアップが始まります。

日没前後に訪問すると、昼間の壁画、薄暮の壁画そして夜の壁画を見ることができてお得感たっぷりです、

▲まだ空が明るいのに壁画に照明が当たっていることが分かりますね。

また写真右側に芝生が見えています。今はここは養生中で立ち入り禁止ですが、もうじき養生が終わり芝生の上に出られるようになるそうです。そうなるとまた違った視点から壁画を鑑賞することができるようになります、楽しみですね。

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新国立競技場と壁画

東京1964のレガシーを見るなら、東京2020のレガシーつまり隈研吾の国立競技場自体もあわせて鑑賞したいところ。

内部を見るにはアスリートになって競技会に出場するか、お金を払って「スタジアムツアー」に参加するしかないのですが、国立競技場の建物外観自体は無料です。

▲ちょっと日が落ち始めた国立競技場とライトが点灯した壁画。

▲暗闇になる寸前の国立競技場とライトが美しい壁画たち。

たまたま人が歩いていたので壁画のサイズを想像してみてください。

スタジアムツアーについては動画でもツアーの様子を用意しました。

 

国立競技場の敷地内散策

せっかく東京1964の壁画見学したのなら、次はちょっと足を延ばして国立競技場の敷地内も見学してみましょう。

なお施設内の外構部はいつでも誰でも入場できるようです。敷地内をジョギングしたり犬の散歩をしている人もたくさんいますから。

▲青山門のところに移設された1964年東京オリンピックの聖火台。

オリンピックミュージアムには3/4スケールのレプリカがありますがこちらは本物です。その代わり触れたり間近に見ることはできません。

▲施設内の詳しいマップはこちらです。

国立競技場のサイトからダウンロード(PDFが開きます)することもできます。

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国立競技場の壁画へのアクセス

壁画自体は国立競技場の「外苑門」と「中央門」の間のエリアのBF1(地下1階)に11点まとめて展示されています。

チケット売り場などがあるレベルからの下になります。

▲外苑門から見た新国立競技場の全景。

外苑門へは外苑前駅からスタジアム通りをまっすぐ歩けば到着です。

国立競技場の最寄り駅自体は大江戸線の国立競技場駅で降りれば目の前が国立競技場。ただ壁画までは競技場を半周しないといけません。

また都営バスの黒77か品97系統の「明治公園前」で降りればそれこそ目の前が壁画です。

東京オリンピックの思い出としてまた偉大な建築物としての国立競技場ですが、そこにさらに東京1964の知られざるレガシーがさらに加わったわけです。

スケジュールが合えば東京オリンピックの記憶が残っている今のうちに見学しておきたいですね。

また国立競技場に近い「オリンピックミュージアム」もあわせて見学するのも面白いと思います。

夜の壁画を見たいけど国立競技場は遠い。そんな人は近くに泊まって国立競技場や近隣のスポットをしっかり楽しむのはどうでしょう。

例えば国立競技場を上から眺められる三井ガーデンホテル神宮外苑の杜。ここなら夜の壁画を見る時間もたっぷり取れます

また国立競技場の改修に合わせて移転改築した日本青年館ホテルもオススメです。

国立競技場 基本情報

名称 国立競技場
住所 新宿区霞ヶ丘町 10-1
最寄駅 大江戸線国立競技場駅、銀座線外苑前駅、JR千駄ヶ谷駅
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