日本オリンピックミュージアム
「東京オリンピック2020」も無事に閉幕。一時はどうなることやらと思いましたが一応何とか終了することができたようです。
せっかく近所で開催されたオリンピックですがTVでしか観戦できず悔しい思いをした方も多いでしょう。TVだけでは記憶が薄れがちになるので、もう一度オリンピックや競技についての知識や情報を確認するのにぴったりなのが新国立競技場隣の「日本オリンピックミュージアム」です。
見どころ満載なので前編と無料エリアをメインにした後編に分けて紹介します。
▲展示エリアは主に2階。予約して入場を払って入館したら、さっそく2階の展示エリアに上がってみましょう。
日本人の歴代メダリストの写真と隣の新国立競技場を眺めているとテンションも上がります。
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オリンピックミュージアム ー イントロダクション
展示エリアの最初は「イントロダクション」コーナー。
▲ここで大会の起源や意義を資料や映像で知ることができます。
▲このコーナーから入口を振り返ると、クーベルタン男爵の彫像がこっちを見ています。
その向こうは新国立競技場です。
「世界とオリンピック」コーナー
続いて比較的広いスペースが使われているのが「世界とオリンピック」というコーナー。
ここではオリンピックの歴史がいろいろな視点から解説されています。
▲参加国の一覧。当初は欧米が中心だったものが今は世界のほとんどの国が参加するまでになっています。
その増える様子を視覚的に分かるようになっています。
▲歴代の聖火トーチ。
左側のものが前回1964年の東京オリンピックのものです。今回の大会で使われるトーチは1階に展示されています。
▲聖火をリレーする方法が始まったのは1936年のベルリン大会から。つまりナチスが始めたってことですね!
オリンピックにはレニ・リーフェンシュタールの記録映画「オリンピア」と聖火リレーというナチスの置き土産が残っているんですね。
▲社会問題とオリンピックとの関係についての紹介も。女性がスポーツをすること自体が政治問題だった時代もあったのです。
右下はアメリカの黒人差別に抗議してブラックパワー・サリュートを行うアメリカの2人とそれに賛同したオーストラリアのピーター・ノーマン。
トミー・スミスとジョン・カーロスに比べあまり知られていないノーマン選手ですが、今は復権しメルボルンのアルバータ・パーク(F1のメルボルンGPが行われる場所)に銅像が建てられています。
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▲リオオリンピックの閉会式に登場した衣装も。
冒頭にパフォーマーが乗っていたのがこれです。
なるほど、こういう仕掛けになっているのかとよく分かりました。
「日本とオリンピック」コーナー
つぎに日本とオリンピックに焦点を当てた「日本とオリンピック」コーナー。
▲結局開催権を返上した1940年の東京オリンピックの資料から1964東京、1972札幌、1998長野の各オリンピックの資料やレガシー(競技場)などが展示されています。
「オリンピックゲームス」コーナー
もしかしたら一番面白いのがこの体験型コーナーかもしれません。
▲サブタイトルは ”オリンピアンのすごさを体験しよう” 。オリンピックに出場するようなアスリートの身体能力がどれほど凄いかを体験できるコーナーです。
▲7つほどコーナーがありますが、感染症対策のため3つは休止中でした。
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▲左はジャンプ力を、その隣はシンクロつまり同期能力、その奥が射撃なのでたぶん集中力、真ん中のレーンになっているのは走力を、そして右奥がバランス能力を体験できます。
▲体験方法の説明です。実際のジャンプ力を計測するのではなく、自分がジャンプしてみてそれがフィギュアスケートの羽生結弦選手や体操の内村選手、バスケのレブロン・ジェームズとどれくらい違うか比較することができるというものです。
▲これは走力のコーナーの説明。 ”走るコーナーではありません” と注意書きがあります。走るのではなく、アスリートの走るスピードを体験するコーナーです。
▲マラソンの高橋尚子やウサイン・ボルト、走り幅跳びのボブ・ビーモンの走る足跡が映し出されて。そのスピードを体感できるという仕組みです。
それにしても走り幅跳びのボブ・ビーモンの8m90cmという記録、半世紀経った今でもオリンピック記録として残っているんですね。世界記録はマイク・パウエルの8m95ですが、ボブ・ビーモンの記録を上回っているのはこのマイク・パウエルの記録だけです。
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▲これはスクリーンの前で見たいスポーツのポーズを取ると、そのポーズを分析してその競技の紹介映像が流れるというものです。
▲何回かポーズを取ってみたのですが、何度やっても重量挙げになってしまうんですよね。おかしいなぁ。
▲これは二人一緒に体験するシンクロコーナー。
一人で行った時でも常駐スタッフさんが一緒にやってくれるそうです。
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バロン西
「オリンピズムストーリー」というコーナーがあり、オリンピックの感動エピソードやインタビューなどを観ることができます。
▲そのコーナーに展示されていたバロン西こと西竹一の紹介キャプションと乗馬ブーツ。1932年ロサンゼルス大会の馬術障害の金メダリストです、
今のギリシャ大使館の裏辺りに生家があったので、今のところ唯一の ”麻布で生まれ育ったゴールドメダリスト” です。
最近だと二宮和也主演でクリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」にも描かれていますね。
「オリンピックシアター」コーナー
展示エリアの真ん中には円筒状の映像シアターがあります、
▲そこでは過去の競技や開会式など様々な映像が流されています。編集されて数分になっていますが情報量が多いので何度も見返してしまいます。
パラリンピック
パラリンピックも紹介コーナーがありました。
▲パラリンピックという枠を超え、テニス界全体のレジェンドでもある国枝慎吾のラケット。
▲それと競技で使用する車いす。
極限まで軽量化が図られたような車いすでした。レーシングカーみたいなものですね。
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エンディング
出口のところにはアート作品。
▲日比野克彦の「わをえがく」です。
越前和紙に ”わ” を5個描いた日比野克彦流の五輪です。
歴代オリンピックポスター
これで終わりかと思ったら出口前に過去のオリンピックのポスターがずらっと並んでいました、
▲第二次世界大戦前の大会。
1912年のストックホルムのポスターなど典型的なアール・ヌーヴォーですよ。
▲右上の1968年メキシコのポスターの格好良さ!
▲左上が1984年ロサンゼルス、その下が1980年モスクワ。
誰がどうみてもこれはアメリカだ、これはソ連だと分かります。笑ってしまうくらい分かりやすいですね。
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オリンピックミュージアムの場所と利用方法
外苑前の駅からスタジアム通りを徒歩5分くらい。新国立競技場の手前です。
向かいは神宮球場です。
▲ちなみにスタジアム通りというのは外苑前の交差点から新国立劇場のところの「日本青年館前」交差点を抜け外苑西通りの「仙寿院」交差点までの通りです。
また入館には事前予約が必要です。予約方法についてはこちらのページをどうぞ。
オリンピックミュージアムも見どころ満載なので後編に続きます!
日本オリンピックミュージアム
開館時間 : 10:00 – 17:00 (事前予約制)
入館料 : 一般 500円、65歳以上 400円、高校生以下 無料