森美術館でレアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル展(閉幕)

SNSでシェア:

六本木ヒルズ53階のMAM(Mori Art Museum)、森美術館については「サンシャワー展」の時に紹介しました。

11月からはアルゼンチンのアーティスト レアンドロ・エルリッヒの「見ることのリアル」展が開催されています。

レアンドロ・エルリッヒという名前に聞き覚えがなくても、金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」の作者といえば多くの人があぁあの作品かと判ると思います。

開会してまだ2週間ですが既に2回リピートしてしまった楽しい美術展です。



例によってヒルズのパスポートですゝっと入場してしまいましたが、通常であれば1,800円。
今はドラえもん展も開催されていてその影響もあり、休日はチケットを買ってエレベータで上がるまで1時間以上という混雑ぶりです。

今回のエルリッヒ展、会期は2018年の4月1日まで。その間にクリスマスがあって学生なら冬休み、社会人なら年末年始休みがあり、バレンタインが終わったら春休みになって、それでもまだエルリッヒ展は続くという長い会期です。

会場入口にはこのようにハッシュタグのパネルが。

この「見ることのリアル」展、いわゆるインスタ映えする作品が満載なのです。
エルリッヒの作品は鑑賞者が参加者となり作品の一部になることで、作品本来の意味が強調される構造の作品が多いです。

それがインターネット、SNSの時代になり作品がシェアされることでさらに別の意味を持ったり、作品のコンセプトが強調されたりして作品自体が再構成されていく様は作者にしても嬉しい計算外なのではないでしょうか。

この展覧会でも撮った写真にハッシュタグを付けてどんどん発信していきたいですね。

新作も合わせて40数点の作品が展示されていますが、会場に入って最初に体験する作品がこれ。

真っ暗な会場内には水が満たされライトアップされた小舟がゆらゆらしている・・・ようですがなんかおかしい。

ブエノスアイレスの有名なオベリスコの天辺部分をちょん切って下に降ろしてみました。
というパフォーマンス。

こうした役に立たない巨大構造物が象徴しているもの(逆に言えば作る側の意図)、それが地べたに降ろされるのはどういう意味かと考えると、エルリッヒが単なるおもしろ芸術家ではないことが判ります。

螺旋階段。

上から覗き込むととても面白いのですが階段を上まで登るのは大変ですし、間違って落ちたりしたら非常に危険です。死ぬかもしれないですもんね。

エルリッヒはそんな人のために螺旋階段を横にしてくれました。
安藤忠雄先生のように実寸大模型は作れないので、写真と模型で展示です

これは回転木馬という作品。

これは本来横になっているはずの建物を縦にしてしまったた、中の人が浮いているように見えるというもの。

これも実作品の写真と模型が展示されています。

ジブリの映画で見たことがあるような気もしますがたぶん気のせいでしょう。《根こそぎ引っ張られて》




もちろん彼の代名詞でもある21世紀美術館のスイミング・プールも。

こうした作品の他に、鑑賞者参加型なインスタレーションも数多く見ることができます。

鏡を使った迷路のような《試着室》

逆に鏡のない《美容室》

そして今回の展覧会の白眉 《建物》。

この模型で判るように、床に作られた”壁” と45度の角度で覆いかぶさる大きな鏡。

実際はこの写真のように、床に寝そべれば鏡には壁からぶら下がっているように見えるわけです。

みなさん思い思いのポーズで写真を撮り、ハッシュタグ付きでInstagramに投稿しているようです。

#レアンドロエルリッヒ展、 #見ることのリアル などで検索するととても沢山の写真が投稿されています。

壁をよじ登るような動画を投稿している人、どこかの映画で見たようなポーズを決めている人、ここでは観客の発想力、想像力までもが試されているかのようです。

実は既にかなりの人気を博しているようで、常にたくさんの人だかりです。

特に年明け以降は週末になると《建物》には順番待ちができるほどの混雑になっているので、このように自由にポーズを決めるのもひと苦労のようです。

多くの人が映り込む写真もそれはそれで面白いのですが、一人だけの場面を撮りたい、広々使った動画を撮りたい、要するに人がいない時に自由に写真を撮りたいなら、
・平日も休日も開館直後はダメ。11時過ぎを狙いましょう。一番入場客が少ない時間帯です
・平日も休日も閉館直前は空いています。

参加型のインスタレーションが楽しいので、女性はスカートやヒールは避けて、男女問わず動きやすくでも派手で判りやすい服装で、そしてこれが大事ですよ、一人で写真を撮ることは難しいので2人以上で行きましょう!

既に入館者数が40万人を超え大盛況な状態が続いていますが、会期末直前の週末は開館時間を1時間前倒しになるそうです。
3月24日(土)
3月25日(日)
3月31日(土)
4月1日(日)
この4日間の早朝はもしかしたら多少は空いているかもしれません。

定休日:なし
営業時間:10:00 – 22:00 (火曜日は17:00まで)
入場料金:1,800円(Tokyo City View共通)

『レアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル』
会期:2017年11月18日(土) – 2018年4月1日(日)
開館時間:10:00 – 22:00 (火曜のみ 17:00まで)
入場料金:大人 1,800円(Tokyo City View共通)

 

 

記事の評価
SNSでシェア:
PR