妹島和世の「水明」
「パビリオン・トウキョウ2021」の草間彌生など青山・表参道周辺のパビリオンと「会田誠、真鍋大度と藤森照信の神宮外苑のパビリオン」や建築家 藤本壮介の作品に続いて建築家 妹島和世(せじまかずよ)の作品「水明」です。
建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞した世界的な女性建築家の妹島和世、金沢の21世紀美術館や都内ではすみだ北斎美術館、変わったところでは西武鉄道の車両001系(ラビュー)などを手掛けています。
▲今回パビリオン・トウキョウ2021の出展作品は「水明(すいめい)」。
浜離宮恩賜庭園の一角に設置されています。浜離宮の中なので鑑賞には入園料が必要になります。
「水明(すいめい」 妹島和世 – 浜離宮恩賜庭園
あの広い浜離宮のどこに設置されているかというと、サービスセンター(チケット売り場など)のすぐ裏手のスペースです。
▲汐留、新橋方面からだと大手門橋を渡って入園するのが近道です。
門の脇にはパビリオントウキョウのボードが立っています。
▲サービスセンターで入園料300円(一般)を支払い園内に入るとすぐにこの案内板があります。
「延遼館跡」に妹島和世の「水明」が設置されています。
▲案内板に従って進むとすぐ目の前が解説ボードというかキャプションが置かれていて、向こうの芝生の中に「水明」が設置されています。
浜離宮は”水” がテーマでもある庭園です。潮入の池は海の満ち引き使ったスペクタクルな池ですし、水辺にはカモ猟の猟場があったり。水があってこその浜離宮です。
そこに現代風に水を足してみたのが「水明」というコンセプトだそうで。
「水明」自体の鑑賞は15分もあれば充分ですが、ついでに浜離宮全体も楽しもうとしたら1時間では絶対足りません。閉園時刻が17時なので2時間前の15時までには入園しておきたいです。
また当面の間、浜離宮の入園には事前予約が必要です。時間指定ではなく日にち指定の整理券方式なので予約した日であればいつでも入園可能です。入園予約はこちらからどうぞ。
「水明」
「水明」が設置されているのは日本初の西洋風石造建築物である「延遼館」が建っていた場所です。
2020年の東京オリンピックに合わせて復元する予定があった(舛添知事がそこで大舞踏会やるんだと言ってた)のですが結局今になっても計画は進んでいません。
その代わりに妹島和世の作品が置かれているというわけです。
ちょっと遠目に見ると水墨画の世界のようでもあり。平安時代の庭園によくある ”曲水” のようでもあります。
その水が水路を静かに流れているのですね。
▲鏡面仕上げの水路には水が流れ、空や周囲の風景を反射しています。
▲芝生の向こうに人がいますが管理のスタッフです。人がいる辺りは一般客は立ち入り禁止の区域になっていて、水明はこちら側から鑑賞することを想定しています。
この日は曇天の天気でしたが、晴天の日なら青空が映りこむでしょうし、雨天なら水面に雨滴が落ちる様子が見られるでしょうし、いろいろな天気の日に訪れて違う姿を楽しんでみたいです。
お勧め鑑賞コース
せっかくなら浜離宮の庭園全体を楽しんでみたいですね。浜離宮の紹介記事はこちらとこちら。
▲大江戸線汐留駅の新橋側出口から出たらカレッタ汐留を抜ければ5分ちょっとで浜離宮に到着です。
同じ汐留駅でも大門側の出口からだと同じくらいで浜離宮の「中の御門口」です。汐留駅構内の案内で ”浜離宮はこちら” に沿って歩くと中の御門口ルートです。たしかにそっちの方が近いですが。
▲大江戸線なら「築地市場駅」からも歩けます。写真の朝日新聞のビルに出口があるのでそこから歩いて10分弱。築地市場の移転前なら場外でお昼を食べてから浜離宮という良いコースがあったんですけどね。
なお、各パビリオンの場所は公式サイトのこのマップから確認できます(おすすめ店舗とかおすすめ建築も表示されますが、それより麻布ガイドのサイドで検索してください)。
残りは九段ハウスの石上純也です。そちらはまた次回で!
パビリオン・トウキョウ2021
クリエイター : 藤森照信 / 妹島和世 / 藤本壮介 / 平田晃久 / 石上純也 / 藤原徹平 / 会田誠 / 草間彌生
特別参加 : 真鍋大度+Rhizomatiks