三田の聖坂にある在日クェート大使館をご存知でしょうか。
聖坂の建築と言えば、このブログでも紹介した自力でビルを建てる男”三田のガウディ”こと岡啓輔さんが自力で建てる「蟻鱒鳶ル」があるのですが、そこからさらに坂を登った反対側に聳え立つのがクウェート大使館です。
逆にクウェート大使館の方から「蟻鱒鳶ル」を見るとこのような感じです。
このまま聖坂を下っていくと三田で桜田通りのところに突き当たります。
さてこの建物、よく見ると上層部と下層部に別れていて、上層部が大使公邸、下層部が大使館という2層構造なんです。
ちょうど上部と下部の境界がテラスになっていて、国旗がたなびいていますね。
ビル全体が箱をランダムに重ねたようなとても特徴のある面白い形です。
で、この大使館、都庁など数々の名建築を世に送り出したあの丹下健三設計で1970年に竣工した地上7階、地下2階の鉄筋コンクリート造の建物です。
築48年の大使館ですが、耐震強度の問題で取り壊すことが決定し、2018年4月にその工事が始まる予定でした。すでに新大使館の設計者もコンペで、神戸の菅匡史建築研究所に決まっていました。
設計者がコンペで決まっているということは、プランも決まっていたということで、新施設はS一部RC造地下3階地上5階建て延べ3565㎡を予定していたようです。
しかし!もうとっくに解体が始まっているはずだったのです。しかし、しかし、惜しむ声が多く?取り壊しを中止したそうなんです。
とは言え、取り壊し中止の公式発表をいくら探しても見つけられません。しかし、解体工事着工予定の4月はとっくに過ぎています。中止は中止なんだよね。
実は最初にこの取り壊し中止の情報を聞いたのは、何を隠そう蟻鱒鳶ルの岡さんからなのです。
現在も普通に大使館としての機能はしているようです。
取り壊さないにしても耐震補強工事はしないといけないと思いますので、大使館機能は一時的にどこかへ移転するはずですね。急な取り壊し中止で移転先などを探しているのでしょうか?
元々取り壊す予定だったのですから、移転先はすでに決まっていたと思うのですけどね。
耐震補強工事が始まれば、仮囲いがされるはずです。そうなると中の様子が見えなくなるので、その前に実物を見に行って見てはいかがでしょうか。もちろんすぐ近くの「蟻鱒鳶ル」も合わせて見学したいですね。
大使館なので中に入ることはできませんが、周辺で写真を撮っていても特に何も言われませんでした。
在日クウェート大使館
東京都港区三田4-13-12