時を経て熟成していくEUハウス

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南麻布にあるEUハウスをご存知でしょうか?
正式には駐日欧州連合代表部(ヨーロッパハウス)です。

かなり特徴的な建築物なので、前を通ったことのある方だったら「あぁあの!」となるかもしれません。

設計施工大成建設で2011年に竣工した建物です。

そうなんです。この建物実は著名な建築家が設計したのではなく、大手ゼネコン大成建設が設計施工しているんですね。



写真の茶色い建物が住宅棟で、地下が駐車場、1階が共用部、2階より上部が住宅です。

この建物の後ろにオフィス棟が建っています。オフィス棟は1Fがホール、2階〜4階がオフィスという構成です。

住宅棟は日当たりの良い方に、光量が安定している北側にオフィス棟という配慮がされています。

ヨーロッパのどこかの街のモダンな集合住宅のようですね、日本風なガードレールさえ無ければ。

で、この建物構造面での創意・着想に優れた建築作品の構造設計者に贈られる一般社団法人日本建築構造技術者協会(JSCA)が主催の「第24回JSCA賞」で奨励賞を受賞しています。

また、同時に社団法人日本免震構造協会が主催する「第14回日本免震構造協会賞」で免震建築物・免震啓発活動・免震に係わる装置等により免震構造等の普及に貢献した個人、法人及び団体に贈られる普及賞を受賞しています。

簡単に言うと構造が優れていて免震もものすごくちゃんとしているって言う建物ですね。

で、すごいなと思うのは、免震等の構造的な目に見えない部分だけではなく、目に見える部分でも、斬新なデザインとなっています。

バルコニーや窓がランダムに飛び出していて、しかもそのマテリアルは銅という!

住宅棟に使用されているのは厚さ7mmのブロンズ銅版、オフィス棟には緑青銅版が使用されています。銅版は他の金属に比べて加工がしやすい上に、塗装仕上げが不要なため、100%リサイクル可能という環境に優しい素材です。

さらに、銅素材は皆さんもご存知の通り、緑青というものが出てきます。経年変化していく素材なんですね。劣化じゃなくて変化です。

要するに鞣し革が時を経ていい色になっていくように、この建物もだんだん緑青が出てきて、いい感じになっていく訳です。

まだ、築7年なので緑青はあまり見られませんでしたが、今後が楽しみな建物です。



アールを描く青い建物がオフィス棟です。

残念ながら中に入っての見学はできませんが、外観の写真を撮る分には特に何も言われませんでした。

EUハウスの場所は、広尾駅からナショナル麻布スーパーマーケット有栖川宮記念公園の間の南部坂を登り、ドイツ大使館を過ぎて最初の角を右折し直進、

最初のY字路を左折すると左に見えてきます。パキスタン・イスラム共和国大使館の隣です。

欧州連合代表部

港区南麻布4-6-28

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