六本木のピラミデビルは、2008年に森ビルの所有となってから積極的にギャラリーを誘致しています。
具体的にどんなギャラリーが入ってるかは以前のブログ記事「ピラミデ のアートギャラリー」をお読みください。
今回は2019年夏、4Fに新しくオープンしたgalery sign tokyoについてレポートします。
gallery sign は2005年に東京でオープンし、2015年からは拠点を広島に移しましたが、今夏東京にて再びオープンすることになりました。
オープニングには、すでに会期は終了していますが、『シャルロット・ペリアン&坂倉準三』展が開催されました。▼
展覧会では、壁に1955年の「ル・コルビュジエ・レジェ・ペリアン 三人展」で実際に展示されたル・コルビュジエによる《二本の瓶と付属品》というタピスリーが展示されました。
またシャルロット・ペリアンは、日本から影響を受けてデザインされた家具が展示されました。
1953年頃、ペリアンは坂倉と共同で東京のエールフランスの仮オフィスをデザインしました。その時にペリアンがデザインした世界地図も同時に出品されました。
坂倉準三の家具は1940年代にデザインしたものです。
今回、坂倉準三が設立した三保建築工芸が1947年から翌年にかけて製造した大変貴重な竹の家具も展示されました。
実はこの家具、量産を目指したものの、結局わずかな数しか出回らなかったそうです。▼
gallery signは、ジャン・プルーヴェ、シャルロット・ペリアン、ピエール・ジャンヌレをはじめとする、フランスのミッドセンチュリーに活躍したデザイナーたちの貴重なヴィンテージ家具、
その中でも特に上質なものを専門に扱うギャラリーです。▼
次回展覧会は“丹下健三が見たインド”展(仮)を10月頃に予定していますが、常設でジャン・プルーヴェ、シャルロット・ペリアン、ピエール・ジャンヌレの家具が展示されていて、誰でも見ることが出来ます。
ソファでアトムが熟睡していますが、このアトム人形もおそらくビンテージなのでしょう。
起こさないように静かに見学しましょうね。▼
自国のミッドセンチュリー・デザインの価値が、美術館やオークションで高く認められる欧米に比べ、日本での再評価の取り組みは十分とは言えません。
建築を保存する動きはあるものの、内装空間すなわちインテリアや家具は残されないことが多いのが現実です。その点で、このギャラリーはとても重要な存在と言えるでしょう。
今後も目が離せません。
gallery sign tokyo
港区六本木6-6-9 ピラミデビル4F
11時〜18時 日・月・祝休