六本木ピラミデが熱い! 超芸術トマソンの生みの親、赤瀬川原平の写真展やフィオナ・タンの圧巻映像を見逃すな

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六本木ピラミデのギャラリーと展覧会

日本の現代アートの拠点六本木でギャラリーが集まる六本木ピラミデビル。

1階から4階まで多くの現代アートギャラリーが集結しているのですが、ここで赤瀬川原平の写真展とフィオナ・タンの個展が開催されています。

どちらもほぼ3月末までの開催。つまり春休みを使って訪問してもらうことを意識しての会期設定です。

ピラミデとすぐ近くのcomplex665を合わせれば10軒以上のギャラリーがあっていつも何らかの展覧会が行われているのですが、今回は特に見逃すわけに行かない展示が2つ、同じ時期に開催されているので紹介します。

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赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」

六本木ピラミデ3Fの「SCAI PIRAMIDE(スカイ・ピラミデ)は名前から分かる通り谷中のスカイ・ザ・バスハウスなどと同系列の現代アートギャラリーです。

2023年3月25日(土)までの会期で開催されているのが日本の前衛芸術家、赤瀬川原平の写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」です。

赤瀬川原平は1960年代から前衛芸術家として活動していて、ハイレッド・センターとしてのパフォーマンスや尾辻克彦名義での作家活動などもよく知られています。

▲また70年代に発見した「超芸術トマソン」は一般にもブームを起こし、今でも ”トマソン” と言えば超芸術トマソンを指す言葉として定着しているほどです。

赤瀬川原平は2014年に77歳で亡くなっているのですが、その際に4万枚を超える未発表写真を遺しています。この展覧会ではその4万枚を超える写真から厳選された120枚の写真を見ることができるのです。

ただ4万枚から120枚をセレクトする方法がとっても変わっていて、赤瀬川原平の写真と共にそのセレクト方法がこの展覧会のポイントです。

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6名のアーティストが選ぶ120枚の写真

赤瀬川原平が遺した4万枚の写真から展示する写真をセレクトしたのは現在も活躍する現代アートのアーティストたち6名。

それぞれが赤瀬川原平に対する自分の想いをもとに20枚の写真をセレクトしています。20枚 × 6名。つまり120枚の写真の写真です。

▲展示室の壁にはずらっと写真が並んでいます。6名ですから6面。

写真サイズは大きくないので、一見すると地味な展覧会に見えますが、よーく見るとアーティストたちから赤瀬川原平への愛情を込めたキャプション、赤瀬川原平らしい視点が伺える写真たちと見どころ満載なのです。

▲赤瀬川原平の写真をセレクトする6人のアーティストは、伊藤存、風間サチコ、鈴木康広、中村裕太、蓮沼執太、毛利悠子。70年代から80年代に生まれ、赤瀬川原平が活躍していた時期に思春期を過ごした、いわばリアルタイムに赤瀬川原平の活動を読んだり見たりして影響を受け、啓示を受けたいわば赤瀬川チルドレンたちです。

▲ちょっと見えにくいですが、個々の写真にはセレクトしたアーティストのキャプションが付いています。

▲各々がセレクトした写真と共に、パネルの上段に「赤瀬川さんから受けた影響・赤瀬川さんに対する想い」下段に「写真を選んだ理由(セレクションのテーマ)」が書かれています。

読んでみると本当にそれぞれが色んな出会いや想いがあるのだと分かり面白いです。

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赤瀬川原平作品

1960年代から日本の現代アートの中心にいながら、分かりやすい随筆やエッセイなど幅広く活動していた赤瀬川原平なので、全貌を捉えるのは今となってはなかなか難しいのかもしれません。

Amazonで買える赤瀬川原平の主な著作を紹介しておきます。


SCAI PIRAMIDEの場所とアクセス

六本木ピラミデビルの3FがSCAI PIRAMIDEです。隣は同じく現代アートのギャラリーWAKO WORKS OF ART(ワコウ・ワークス・オブ・アート)です。

六本木ピラミデは地下鉄六本木駅から徒歩3分。六本木ヒルズ側、六本木交差点側。どちらの出口からもだいたい同じ距離です。

ただSCAI PIRAMIDEは日曜日から水曜日までが閉廊。逆に言うと開いているのが木金土の3日だけです。残り1ヶ月あると思っても、実際に足を運べる機会は少ないので思いついたら六本木へ向かいましょう。

まずSCAI PIRAMIDEで赤瀬川原平の写真展を観てからフィオナ・タンなどピラミデとcomplex665のギャラリーを回るか、六本木ヒルズで「六本木クロッシング」などを観るか。現代アートファンには悩ましい六本木のアート事情です。

赤瀬川原平写真展 基本情報

イベント名 赤瀬川原平写真展
「日常に散らばった芸術の微粒子」
会期 2023年1月26日(木) 〜 3月25日(土) (木金土が開廊)
会場 SCAI PIRAMIDE
住所 港区六本木 6-6-9
時間 12:00 – 18:00
料金 無料
予約 不要

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Fiona Tan/フィオナ・タン「 スリ Suri」

六本木ピラミデの3FでSCAI PIRAMIDEと隣り合っているのが現代アートの老舗ギャラリー、WAKO WORKS OF ARTです。

▲2023年4月1日(土)まで開催しているのがインドネシア出身でオランダ在住の女性映像作家、フィオナ・タン(Fiona Tan)の個展「スリ Suri」。

日本初公開となる2つの映像作品と、世界初公開となる2022年制作の最新写真作品「Technicolor Dreaming」を観ることが出来ます。

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Pickpockets

映像作品は2つ。

▲展覧会タイトルにもなっているスリをテーマにした「Pickpockets」。

1989年のパリ万博で逮捕された実在のスリ(窃盗犯)の写真が架空の告白をしています。

フィオナ・タンが窃盗犯の言葉を窃盗し捏造しているというメタな構造のインスタレーションになっています。

▲写真作品も展示されていますが、19世紀の技法である「フォトグラビュール」で現像した作品です。

この写真で右側の3点は世界初公開となる作品作品です。

Archive

今回のフィオナ・タンの個展で、圧倒的だったのが映像作品「Archive」。

▲図書の分類方法である「国際十進分類法」の考案者の一人で、世界中の知識を収集し分類することに生涯をかけたポール・オトレが取り組んでいた ”知識の都市” と呼ばれる「ムンダネウム」をモチーフにした映像作品です。

世界中の知識を収集し分類し・・・後のデジタル時代にハイパーリンクやワールドワイドウェッブ(WWW)として実現し、現代ではGoogleがそのミッションの一つとしている構想です。

▲映像に登場する膨大な数のキャビネットには最大で1,500万枚のインデックスカードが納められていたそうです。つまり人類の知識が集約された1,500万冊の書籍の情報が納められていたのです。

ナチスがベルギーに侵攻した後、多くは失われたようですが、インデックスカードを納めるこのキャビネットは奇跡的に破壊を免れ今も残されています。

この映像は年月とナチスの暴力から生き残った実際のキャビネットと、タンが設計した架空のアーカイブ建築を合成したもののようです。実写映像とCG映像が巧妙に合成されているのでしょう。

21世紀の今になっても完全には実現しきれていないような構想を100年近く前に夢想したポール・オトレを想い、その後のテッド・ネルソンやダグラス・エンゲルバートそしてティム・バーナーズ・リーにも思いを走らせながら映像に浸ってみたいです。

また、今話題のAIとの関連も考えるとタイムリーな展覧会かもしれません。

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WAKO WORKS OF ARTの場所とアクセス

SCAI PIRAMIDEと同じく六本木ピラミデの3Fです。

ただSCAI PIRAMIDEと異なり普通のギャラリーと同じで日曜、月曜がお休みです。平日に行けない人も土曜日ならSCAI PIRAMIDEとWAKO WORKSの両方を訪問可能です。

「スリ Suri」展 基本情報

イベント名 Fiona Tan/フィオナ・タン「 スリ Suri」
会期 2023年2月10日(金) 〜 4月1日(土)   日月祝は休廊
会場 WAKO WORKS OF ART
住所 港区六本木 6-6-9
時間 11:00 – 18:00
料金 無料
予約 不要
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