麻布台の築80年という和朗マンションの一角で月に3日だけ営業する「ひなぎくきつね」というベジタリアンカフェ。
このブログでも以前紹介したこともある幻のカフェです。パンデミックの最中は営業が不規則になっていましたが、今は通常通り、1月と5月を除く各月の1, 2, 3日に営業というスタイルに戻っています。
▲すぐ近くに住んでいながらめぐり合わせが悪く今まで何年も訪問できてなかった「ひなぎくきつね」。
きちんと営業日を確認して予約も入れて気合を入れての初訪問です。
キャンティの飯倉本店の脇の小路を下った住宅街の中に何棟か建つ欧州風な白い壁の建物が和朗フラット。その四号館の一室が「ひなぎくきつね」です。
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ひなぎくきつねの店内
▲店内は2人用のテーブルが4卓。
つまり8人でいっぱいになってしまいます。
築80年とはいえきちんと修繕されているので懐かしさは感じるものの決して古さを感じさせない内装です。
隣の「うぐいす」も訪れると判りますが、部屋ごとに内部の形状も微妙に異なっています。
こちらは直線を基調としていますが、隣は出窓の部分にアールが付いていてかなり雰囲気が変わっています。
▲ドアを開けて店内に入った右側には簡単なレジ台とその日のキッシュとケーキが並んでいます。
電灯のスイッチや備え付けの戸棚に時代を感じますが、でも良い雰囲気ですね。
”和朗フラット四号館 管理室” 著作の書籍が置いてありました。
数年前に大規模修繕した際に記録をまとめて出版されたようです。
ひなぎくきつねのメニュー
▲キッシュもケーキもソフトドリンクもぜんぶワンコイン500円です。ビールだけは別ですが。
(今は550円に値上がりしています)
▲コーヒーは麻布タカノ(昔のタカノ珈琲)を使っていました。麻布タカノは東麻布の住宅街の一角に本社があるのでいわばご近所さん。
オーガニックコーヒー(昔の有機コーヒー)の老舗ですが、基本は商社なので本社に行っても豆が買えるわけでもなく、でもこんなご近所で飲めるのはありがたいですね。
▲ひなぎくきつねは月初の3日間しかお店が開きませんが、以前は月末から月初にかけての3日間でした。
こちらはその当時の、11月30日から12月2日までのメニューです。
ランチのメインとして青菜のキッシュ “エルバツィオーネ” と ”ブレット・アラ・クレム” を、デザートとして “紅ルバーブのショートケーキ” と ”ブレットのトゥルト” をいただいてみました。
そして3時のおやつ用に “山ガール” と ”紅玉とルバーブのアマンディーヌ” をテイクアウト。
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ひなぎくきつねのキッシュ
青菜のキッシュエルバツィオーネです。
たっぷり使われた青菜と2種類のチーズの組み合わせが美味しいです。ヒマワリの種も良いアクセントになっています。
▲こちらはブレット・アラ・クレム。
キッシュでは刻まれて入っていた青菜が、こちらはゴロッと大きく入っています。
熱々のお皿で出てきます。
キッチンのオーブンが小さいので、グラタンなどは1皿づつ温めなければならず、2人で同時に注文しても出てくる時は別々になるそうです。
この辺りの何をいつ食べるかといった順番などはオーナーのご婦人と相談して決めます。
ひなぎくきつねのケーキ
▲これは紅ルバーブのショートケーキ。
ルバーブは大好きなのでこのショートケーキは嬉しかったです。
さらに、アクセントとして刻んだビーツも入っているそうです。▲そしてこちらはブレットのトゥルト。
ニース風なのですが大きな松の実が美味しいです。ケーキというが菓子パンというか・・というお菓子だそうです。
今回は予約して訪問したのですが、テーブルの上にひらがなで名前と予約時間が書かれたコースターが置かれていました。
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ハプニング!
▲たまたま入口近く、壁際の席に案内されていたのですが、壁際に黒く四角い穴が開いていました。
これは郵便受けだねぇ、昔はドアではなくて建物に直接郵便受けを開けていたんだね・・・といった会話をしていたら!
▲何やらゴソゴソ音がしたなと思ったら郵便受けから本当に郵便物が差し込まれてきました!
決してお店のパフォーマンスとかではなく、本当に郵便局の人が配達に来て、実際に郵便受けに郵便物を入れていったのです。
築80年のマンションですが、80年前の郵便受けが今でもしっかりその役割を果たしていることに感激してしまいました。
▲ちなみに郵便受けの外側の様子です。
表札の下が郵便受けですが、昭和の十年代のものですから、今と違ってはがきと封書しか考慮してなかったのでしょう。かなり小さい穴です。
ダイレクトメールのような大きなサイズの郵便物はくるくるっと丸めて入れてくれるそうです。
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ひなぎくきつねでテイクアウト
▲キッシュもケーキもテイクアウト可能です。
思ったより多くのお客さんが次から次へと買い求めに来ていました。
ただ営業3日目の午後になるとやはり品切れもお菓子が多いように見えるので、どうしても食べたいお菓子があるならなるべく早い時間帯に行った方が良さそうです。
▲テイクアウトして家でいただいた看板娘こと ”山ガール”。
ふわふわ感がたまりませんね。
▲そしてこちらがもう一つのテイクアウト ”紅玉とルバーブのアマンディーヌ” です。
アーモンドバターを使ったタルトですが、リンゴとルバーブが濃厚で山ガールとはまったく真逆の美味しさ!
2023年7月のテイクアウト
2023年も営業を再開した7月に訪問。この日はテイクアウトのみを利用しました。
生のルバーブを直接ケーキ生地に混ぜて焼く、ドイツの家庭菓子だそうです。
チョコレートリキュールを強めに効かせた大人向けのケーキです。
レモンスポンジにレモンシロップとレモン砂糖とレモン尽くしのケーキ!
レモンは瀬戸内海の無農薬栽培、無ワックスのレモンを丸ごとミキサーで粉砕しらレモンペースを使っているそうで、レモンを食べているのかケーキを食べているのか分からないくらい。まさに大人向けのケーキです。
このように毎月ケーキが変わりますから何度でも通いたくなりますね。でも月に3日だけなのでチャンスを逃さないように!
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ひなぎくきつねの店舗
▲宮沢賢治の「注文の多い料理店」から ”どなたでもどうかお入りください。決してご遠慮はありません”。
童話のようなことにはならないので遠慮なく入りましょう。ただカフェ利用の場合は予約推奨です。
▲こちらはトイレのようす。
小さい店内ですがトイレももちろんあります。
内装は昔のままですが、トイレの機材などはもちろん現代のものが使われているので安心です。
和朗フラットという昭和初期の建物で3日だけ営業するひなぎくきつね、浮世離れしたようなカフェですが、予想を遥かに超える美味しさと雰囲気の良さに圧倒されました。
オーナーのご婦人が八ヶ岳在住ということで冬の間は冬ごもりに入り春にならないと再開しませんが、2023年は4月1日から営業再開しています。
ひなぎくきつねは八ヶ岳の麓、長野県富士見町でも月に3日(21日から23日まで)営業していますから、八ヶ岳方面を遊びに行ったらそちらの店舗も訪問してみたいですね。
ひなぎくきつね 基本情報
店名 | ひなぎくきつね |
住所 | 港区麻布台3-3-23 |
開店日 | 毎月1, 2, 3日(1月と5月はお休み。ホームページで要確認) |
時間 | 11:00 〜 18:00 カフェ予約は11:30から16:00 |
予約 | 予約推奨 (メールで予約) |