蕎麦きり みよた と みまき
夏のランチというとさっぱりしたものが食べたいもの。そんな時に「ざるそば」など冷たいお蕎麦はさっぱりしていて良いですよね。
蕎麦という国民的な人気料理なのでどの街にもたいてい街の人気店みたいなそば屋がありますね。麻布十番なら「更科堀井」、「麻布永坂更科本店」に「永坂更科布屋太兵衛」に「川上庵」というように思いつくだけで4軒もあります。
今回紹介するのは表参道(南青山)の「蕎麦きり みよた」と赤坂の「蕎麦きり みまき」。
どちらも数年前にオープンした行列のできる人気そば店です。
▲最初にオープンしていたのが表参道の青山通り沿いの「みよた」。当初は食事タイムに行列ができる程度だったのですが、インバウンド客からも支持を得て、いつ行っても行列が出来ている大人気店に。
インバウンド客が少ない今の時期でも以前と変わらないどころから、むしろ行列が長くなったような気もします。
立ち食いの小諸そばのプレミアムブランド
この表参道の「みよた」と赤坂の「みまき」はどちらも立ち食い蕎麦の「小諸そば」の高級路線というかプレミアムブランドとしての役割を担っているようです。
「みよた」というのは長野の「御代田町(みよた)」に由来しているのだそうです。この御代田町というのは小諸(こもろ)に隣接していて、そこで ”小諸そば” の隣だから ”みよた” というシャレなんですね。
ところで、小諸というのは懐古園(旧小諸城址)とか島崎藤村の「千曲川旅情のうた」などで知られる長野県の町なのですが、実は「小諸そば」とは全然関係ありません。軽井沢へよく行く人には日本そばの「草笛」の本店や「スーパーツルヤ」の本店があるところとして馴染みおある町なんですけどね。
そして長野の小諸の西側の蓼科山の麓には「御牧ヶ原(みまきがはら)」という大地が広がっています。そこも小諸の隣町なので、もう1件のブランドは「みまき」にしたのですね。
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表参道の「蕎麦きり みよた」
オープンが2015年。表参道の青山通り沿いという一等地に建つすっきりしたデザインの店舗。
何となく老舗ぽい名前。しかもいつも行列。
小諸そばだと知らなければ、表参道で人気のお洒落な老舗そば屋かと勘違いして、ついつい並んででも食べてみようかと思ってしまうような店構えです。
▲青山通り沿いの「みよた」。週末はともかく、平日なら午前中の早い時間に行けば並ぶこともなくすっと入れます。
店内はカウンターだけで10席ちょっとと少ないし狭いです。ここはあまり回転が速くない店なので行列があるとそれなり待ち時間も長いのですが、そもそも行列がないのですから待つこともありません。
「みよた」の板せいろ蕎麦
プレミアムブランドという位置づけなので、立ち食いの小諸そばみたいにささっとお蕎麦が出てくることはありません。
10分とか混んでいる時はそれ以上待つ必要があります。
ホールのスタッフ女性たちはお喋りしていたので、たぶんキッチンで蕎麦を茹でるのに時間がかかるのだと思います。
蒸篭(せいろ)の位置がお盆の上で斜めになっているのは最初からこうなっていました。
悠長なことが大嫌いで細かいことは気にしない江戸っ子らしくていいですね。
▲薬味の刻みネギとわさび。
これはたぶん小諸そばと同じですね。
▲おそばです。
小諸そば以上普通のそば屋未満といったところですが、特に蕎麦にこだわりがなければ普通に美味しくいただけると思いまし、そうなると510円という価格がより魅力的に感じます。
さらに丼物とのセットが約1,000円かそれ以下で食べられるのも魅力です。ボリュームもあるのでガッツリランチにも良いかもしれません。
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「みよた」の店舗
表参道で千円札1枚でカジュアルに何か食べたいという時に「みよた」はピッタリかもしれません。
誰も並んでいいませんし、店内もほとんど空席です。ただ逆に10時の開店直後は朝食を食べに来るお客さんでそれなり客席が埋まっていることがあります。
隣は日本一ポルシェが売れる「ポルシェセンター青山」です。みよたとポルシェはほぼ同時期にこの地にオープンしているのですが、ポルシェもまさか隣にそば屋の行列ができるとは思っていなかったでしょうね。
▲これはまた別の日の午前中ですね。午前の早い時間帯の青山や表参道は人も少なくていいですね。
南青山三丁目から表参道交差点に向けて歩いている時の図柄です。
平日でこんな行列なので週末は週末は遠方からのお客さんも加わってさらに凄いことになっているみたいです。これからインバウンド客が戻ってきたら大変ですね。
以前はこんなのはなかったと思うので、やはりお客さんが増えているのでしょう。
同じ時刻の川上庵
ポルシェとみまきの間の路地を入ると、お洒落で高級な蕎麦店「青山 川上庵」があります。
ちなみに広尾のベーカリー「沢村」やカフェ「シティ・ベーカリー」などと同じ系列です。
▲平日のランチタイムに「みよた」の行列を見てから川上庵の様子を見に来たら、このとおりがらがら。ここの川上庵はかなり広いので単純に空いているとは言えませんが。
でも「みよた」に並ぶ人は空いているから「川上庵」で食べようとは考えないみたいです。
そんな川上庵も週末は行列になることもあるんですよね。週末に表参道に遊びに来て同じ並ぶなら、みまきより川上庵と考える人が多いのでしょう。
「みよた」の店内
店内はオープンキッチンを囲むカウンター席だけ。10席ちょっとです。
▲昔はもっとギュウギュウで隣の席にも気を使って落ち着かない店舗だったのですが、今は隣席との間隔もあってパーティションも置かれていて、むしろ以前よりストレスなくゆっくりできます。
▲オープンキッチンでは蕎麦を茹でているのを見ることができます。
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「みよた」のメニュー
最後に「みよた」の最新メニューを。
▲みよたの店頭のメニュー。いわゆる ”おすすめ” メニューでしょうね。
入店を待っている間に、このサンプルや店頭に置かれたメニューをめくりながら注文を考えておきたいですね。
それにしても、高級路線を志向しながらこんなサンプルを置いちゃうんですね・・・
▲テーブルに置かれているメニュー。2席に1冊です。
”Japanese Buckwheat Noodles” と英語で書かれているのはインバウンドを意識してのことでしょう。
実際、海外(東アジアを除く)の友人を「みよた」に連れて行けば絶対ウケると思います。
最低は510円(税込561円)から。
材料とか違うと思うので単純比較はできませんけど、小諸そばでの価格の4割増しくらいな感じでしょうか。
価格は温かい蕎麦と同じです。
510円で「みまき」の蕎麦にするか、もう500円足して「川上庵」で蕎麦にするか。人生の深淵を垣間見るような大問題ですね。
実はこれが「みよた」の最大のアピールポイントかもしれません。この量とバリエーションと価格なら「川上庵」を利用する理由がなくなってしまいます。
ランチタイムに「みよた」を利用したことはないのですが、多くの人がこの丼セットを注文しているんじゃないでしょうか。だってどう見てもお得だし、少しくらい並んでも食べるという人がいるのも分かります。
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赤坂の「みまき」
次に、小諸そばのプレミアム戦略の2店目。赤坂の「みまき」です。
▲赤坂の一ツ木通り沿いの「みまき」の店舗。ここは赤坂という日本を代表するオフィス街に立地しているので、メインは近隣で働くビジネスパーソンたちのようで、そのため日曜日はお休みです。
でも平日は午前中から行列ができる人気店です。
この写真は土曜日の午前中。やはり土曜日はお客さんが少ないようです。
▲これは平日の11時台の「みまき」。
店頭には2人しかいませんが、店内で数人待っています。この後ランチタイムが近づくともっと長い行列になります
「蕎麦きり みよた」と「蕎麦きり みまき」の場所とアクセス
みよた
「みよた」の店舗は表参道の交差点から徒歩2分くらいです。▲青山通りを外苑前の方に歩いてポルシェの手前が「みよた」です。
外苑前駅からの場合は、青山通りを表参道の交差点に向けて歩いてポルシェの先が「みよた」。徒歩10分弱ですね。
この辺りは「みよた」と、この角を曲がった「川上庵」、それと交差点に近い「古道」と3軒のそば屋がしのぎを削っています。
落ち着いた空間の川上庵、コスパを求めるならみよた、昔ながらのそば屋の古道。それぞれ個性があるので、TPOに合わせて利用したいですね。
みまき
「みまき」の店舗は赤坂の一ツ木通り沿いです。
赤坂見附駅のヴェルヴィーのところから出てエスプラナード通りを赤坂の街の方に向い最初の角を右へ。少し行って一ツ木通りに突き当たるので左へ曲がってすぐの右側が「みまき」です。徒歩3分くらいです。
赤坂駅からだと1番出口を出て一ツ木通りを真っ直ぐ300mちょっと。徒歩4,5分です。
気をつけたいのは「みまき」は日曜日はお休みです。近隣のオフィスで働くビジネスパーソンをメインターゲットにしているからです。赤坂サカスのイベントを見た後に噂の「みまき」でお蕎麦をという時には注意です。
みよたもみまきも間違ってもデートで行くようなお蕎麦屋さんではないですけど、表参道(南青山)や赤坂にあって、雰囲気や話題性よりコスパの良い食事をという時には選択肢に上げられるお店だと思います。
蕎麦きり みよた 基本情報
店名 | 蕎麦きり みよた 青山本店 |
住所 | 港区南青山 3-12-12 |
最寄駅 | 表参道駅 |
定休日 | 無休 |
時間 | 10:00 − 22:00 (日祝日は20:00まで) |
予約 | 予約不可 |
蕎麦きり みまき 基本情報
店名 | 蕎麦きり みまき 赤坂本店 |
住所 | 港区赤坂 4-2-3 |
最寄駅 | 赤坂駅、赤坂見附駅 |
定休日 | 日曜・祝日 |
時間 | 10:00 − 22:00 |
予約 | 予約不可 |