赤坂とらやで開催中の「かき氷大百科展」を観ると虎屋菓寮で「宇治金時」が食べたくなる

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赤坂のとらや本店地下の虎屋 赤坂ギャラリーで「かき氷大百科展」という、かき氷をテーマにした展示を開催しています。

とらやでかき氷の展覧会ですから、どうせ夏に向けてのプロモーションでしょ? そんな風に甘く見ていたらとんでもない。かき氷という夏の日本を代表するお菓子について、これまでこんなに深く突っ込んだ展覧会はなかったのではないでしょうか。

かき氷の長い歴史から近代のかき氷の味の秘密まで、さらに容器のこだわりや作り方まで。かき氷にまつわる文化一般の展覧会です

会期は2022年6月9日(木)から9月25日(日)まで。入場は無料です。

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かき氷大百科展

虎屋赤坂ギャラリーへ

赤坂のとらやの地下には「虎屋 赤坂ギャラリー」というギャラリーがあって、年に1,2回とらやや和菓子などにまつわる展示を行っています。

その2022年夏のテーマが「かき氷大百科展」です。

▲地下のギャラリーが「かき氷大百科展」の会場。ギャラリー入口にはこのような大きな旗がひらめいています。

それにしても、この「かき氷」の旗には人を惹きつける何かマジカルな秘密があるようです。

▲ギャラリー入口の脇のこのパネル、ここは記念撮影ポイントだそうです。

かき氷の歴史

日本でのかき氷の歴史は平安時代にまで遡るのだそうです。

奈良に氷室を設け、冬に作った氷を夏まで保存したらしいのです。

平安中期の清少納言の「枕草子」にも

あてなるもの・・・削り氷にあまづら入れて、あたらしき金鋺に入れたる

という一節があり、清少納言もかき氷を食べていたことが分かります。

▲「甘葛」という古代の甘味料を再現し、金鋺に入れた氷にかけてみたもの。清少納言も食べていただろうかき氷を再現したものだそうです。

今のかき氷と見かけはほとんど変わりませんね。

明治時代のかき氷

江戸時代、明治時代になるとかき氷もぐっと庶民的になってきます。

▲明治から昭和にかけて活躍した日本画家の鏑木清方が描いた明治時代後期のかき氷。

氷の塊を鉋で削っていたのですね。この作り方は今再現すれば逆に人気になりそう。

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氷削り機

戦後になって電気冷蔵庫が一般家庭に普及すると、家で簡単に氷を作れるようになります。

夏に冷蔵庫の中の氷を見ると誰もが思うのが

この氷を削って家でかき氷を作りたい!

ということで様々な氷削り機が出現します。

▲なかでも大ヒットした有名なのがこれ「きょろちゃん」。回るハンドルに合わせて目をきょろきょろさせるので「きょろちゃん」。一家に一台くらいな定番商品でしたね。

しかもきょろちゃん、今もAmazonで公式復刻版が売られています。

シロップ

氷を削ったら次に必要なのはシロップ。

▲定番はやっぱりこれ、明治屋のシロップ。

全部揃えて食べ比べてみたいけど、お母さんは1本しか買っておいてくれないんですよね。

▲さらにいろいろ工夫が施されたシロップも登場。

真ん中の宇治金時はとらやの名物ですね。ブルーハワイが登場したのは1980年ころ。かき氷の歴史の中では意外と新しいのですね。

かき氷の種類

氷を削ってシロップをかけただけのかき氷なのに東京風と大阪風があるのですね。

▲左が東京風、右が大阪風。

見栄えの点からいえば大阪風なので、今はほとんどが大阪風だと思います。でも私たちが小さい頃に食べたかき氷は東京風でした。氷を押さえつけながら下のシロップの味を染み込ませながら食べるんですよね。

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かき氷屋タイガー

ギャリー内に「タイガー」という名のかき氷屋さんもあります。

実際にかき氷が食べられる訳じゃないですけどね。

▲タイガーというのは「とらや(虎屋)」だからタイガーなんですね。

▲入口に回ると中が見えます。

真ん中には椅子とテーブルが置かれています。

▲椅子には座ることもできます。

昔のかき氷を出す喫茶店や甘味処を再現しているのですね。

▲テーブルの上に置かれているのはとらやの名物かき氷「宇治金時」のサンプルです。もちろん食べられません。

さらにメイキングオブ宇治金時な動画も流れていて、どんどん宇治金時が食べたくなります。

▲さらにこのような看板も置かれていて、もう完全にかき氷モード。

かき氷の提供は8月30日までの予定。宇治金時はとらやの「虎屋菓寮」ならどこでも食べられるみたいですが、いちごのかき氷はミッドタウン店限定だそうです。

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虎屋菓寮でかき氷

赤坂のとらやは地下1階がギャラリー、2階が売り場、そして3階が菓寮というティールームになっていて、かき氷は3階の菓寮でいただけます。

当初は高層ビルを建てテナントも入居させたオフィスビルにする計画だったのが、社員から ”とらやらしい建物を” という声が上がり、結局とらやだけの低層3階建のビルになったそうです。

ちなみに1階のほとんどの部分を占めるのは駐車場。9台分の駐車スペースがあります。

▲左がギャラリーへ下りる階段、右が2階へ上る階段。

スタイリッシュなこの内装は高名な建築家、内藤廣の設計です。内藤氏は安曇野ちひろ美術館とらや東京ミッドタウン店などを手がけています。最近はとらや赤坂店にも近い紀尾井町に「紀尾井清堂」という不思議な建物を設計して話題になっています。

このとらや赤坂店の内装で建材として使われている木はなんと檜です。豪華ですね。

▲虎屋菓寮 赤坂店のメニューです。

虎屋菓寮は予約を受け付けていないので先着順に並んで待つことになります。

▲これが実物の「宇治金時」。

宇治茶のちょっとした苦味と甘い蜜のコンビネーションでと山のように高くそびえる氷。

ただ写真の宇治金時は同じ虎屋菓寮でも京都御所近くの京都一条店の宇治金時です。たぶん赤坂でも同じもだと思います。

また京都一条店には普通サイズと小サイズがあって、この写真のは普通サイズです。冷たい氷でお腹が心配なら小サイズにすることもできました。

とらや赤坂店

2018年にリニューアルオープンした赤坂のとらやですが、2021年のNHK大河ドラマ「晴天を慟け」の主人公 渋沢栄一が好んだお菓子ということで再注目もされたりしました。

内藤廣設計の建物は青山通りでも目立つ存在です。

2Fの売場

2Fの売場はレジバックの巨大な「虎」のマークが印象的です。

▲とらやの様々な和菓子が上品に置かれています。どれもこれも格式の高さを感じる陳列の仕方ですね。

まず地下のギャラリーで「かき氷大百科展」を観てかき氷の知識を深めて、身体と心がかき氷を渇望するようになったら虎屋菓寮で甘くて巨大な名物「宇治金時」を食べ、それからショップでお土産を買って帰るみたいな利用がいいですね。

もちろんかき氷大百科展を観てかき氷とその文化について学ぶだけでもいいのですが、でも観たら絶対かき氷が食べたくなる展覧会です。

かき氷大百科展 基本情報

名称 かき氷大百科展
会場 虎屋 赤坂ギャラリー
会期 2022年6月9日(木)〜9月25日
毎月6日は休館
時間 9:30 − 18:00
料金 入場無料
予約 予約不要

虎屋菓寮 赤坂店 基本情報

店名 虎屋菓寮 赤坂店
住所 港区赤坂 4-9-22
最寄駅 赤坂見附駅
定休日 毎月6日 (12月を除く)
営業時間 11:00 − 18:30 (土日祝ha17:30まで)
予約 予約不可
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