蛭子さんの新作描き下ろしが見れる《蛭子能収「最後の展覧会」》が骨董通りのAkio Nagasawaギャラリーで(閉幕)

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《根本敬 presents 蛭子能収「最後の展覧会」》

南青山は骨董通りのギャラリー「AKIO NAGASAWA AOYAMA」で日本のサブカルを代表するヘタウマ漫画家、蛭子能収(えびす・よしかず)の「最後の展覧会」が開催されました。(展覧会はすでに閉幕しています)

2020年に自身が認知症であることを公表している蛭子さんですが症状は徐々に悪化していて、でも力を振り絞って描いた作品が展示されています。「最後の展覧会」と銘打たれていますが ”最後” というのはもちろん蛭子さんらしい洒落だと思います。

今風に言うと日本のオルタナ漫画雑誌「ガロ」でデビューしたのが1973年。半世紀にわたってヘタウマ漫画や不条理漫画でサブカル界で活躍し、タレントとしてTVや映画にも登場し一般的な知名度も得ている蛭子さんの最後、いや最新の作品を見ることができます。

▲展覧会会場となるAKIO NAGASAWAの階段に貼られた案内です。

会期は2023年9月7日(木)から9月30日(土)まで。AKIO NAGASAWAの開廊日は水曜日から土曜日まで、時間は11時から19時までですが13時頃から14時頃までランチタイムで閉まっています。でも蛭子ファンなら何があっても駆けつけますね。

展覧会タイトルに小さく ”根本敬 presents” とあるのは自称・特殊漫画家で名盤解放同盟などでも知られる根本敬が音頭を取り監修した展覧会だからです。ご存知のように根本敬は蛭子さんの盟友で最大の理解者でもある方です。

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蛭子能収

蛭子能収は1947年生まれの漫画家。デビューは1973年ですが実際にプロ漫画家として活躍するのは80年代以降。伝説の自販機雑誌「Jam」が再デビューの舞台でした。ガロ〜Jamという日本のサブカルど真ん中で評価され続けてきた漫画家です。

漫画家としては暴力的なヘタウマ漫画、不条理としか説明できないような世界観からカルト的な人気を博し続けています。たぶん今回の展覧会もそうした蛭子能収世界にどっぷりはまって影響を受けたような方がメインのお客さんではないでしょうか。

また80年代後半からはその独特のキャラクターそのままでテレビや映画への出演も増え、もしかしたらテレビで見かける変なおじさんとして蛭子さんを認知している人もいるかもしれません。

テレビでの代表作はやはりテレ東の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でしょう。太川陽介とコンビを組んで(蛭子さんだけ)ワガママやり放題で路線バスの旅をする人気番組。未だに再放送が繰り返されている人気コンテンツです。

そんな蛭子さんが認知症を公表したのは2020年。病状が進むにつれヘタウマな「小学生みたいな絵」が「幼児の絵」みたいになっているそうです。でも ”幼児みたい” だからこそ、幼児にしか見えない本質的なものが描かれているのかもしれません。これまでも蛭子さんの描く世界はそういうものでしたからね。

今回の展覧会を企画したのは蛭子さんの旧友たち。特に特殊漫画家の根本敬が中心になっているようで監修も務めています。

蛭子さんの近刊や代表作はこちらです。

最後の展覧会

「最後の展覧会」展は骨董通り(正しくは高樹町通り)から少し入ったビルの2階、AKIO NAGASAWA AOYAMAで開催されています。

描き下ろしの新作が十数点、それと1986年に根本敬との二人展として開催された「真昼の暗黒展」出展作品が展示されています。

▲ギャラリーに入って最初に目に入る2点。

どちらも描き下ろしの新作。「幼児みたいな絵」です。

▲このように作品が展示されています。

全部蛭子さんらしいタイトルも付けられていますし、サインもいろんなバリエーションで入っています。

▲例えばこれは「私はバカになりたい」

▲写真右側、ギャラリーのスペースでは奥の突き当りに展示されているのが「真昼の暗黒展」に出展された無題の作品。

根本敬が実家を探して見つけたのだそうです。37年間放置されていたのに保存状態は良好。

アップにしてこの記事に掲載するとわいせつ扱いされそうなので遠くからのショットです。

描き下ろした作品はパワフルですし、幼児みたいな絵というより蛭子能収の新境地と言っても良い作品ばかりです。

「最後の展覧会」というタイトルですが、何年か後には実は ”復活前の最後の展覧会” だっと言われるようになるんじゃないでしょうか。そうなることを期待したいと思います。

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AKIO NAGASAWA / AOYAMA

日本のサブカル界の大御所の ”最後の展覧会” と煽られているので会場は混雑しています。

当初は漫画家の蛭子能収の展覧会としてサブカル業界のお客さんが多いですけど、周知が進めばタレント蛭子能収のファンも加わってかなり混むと思います。

▲初日はAkio Nagasawaのギャラリースペースに常時20人近いお客さんが入っていて大盛況でした。

▲これは別の展覧会の時のAkio Nagasawa。

普段の展覧会はこのようにガランとしたスペースで鑑賞できるのですが、蛭子能収の「最後の展覧会」ではこのスペースに20人くらいいるとイメージしてください。

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AKIO NAGASAWA AOYAMAの場所とアクセス

Akio Nagasawaは、骨董通りといえば骨董通りなのですが奥まった場所にあるので探すのが難しいかもしれません。

でも分かってしまえば表参道駅のB1出口から徒歩5分です。

▲青山通りから骨董通りに入り、小原流会館の信号の一つ六本木通り側の小路を入ります。

目印はこの倉沢ビルのポール。このポールの下の小路を入ります。

▲小路を入った突き当りを左に曲がるとすぐそこです。このビルの2階がAKIO NAGASAWA AOYAMAです。

1階はフランスのチョコレートショップ「ジャン-シャルル・ロシュー 東京 (JEAN-CHARLES ROCHOUX Chocolatier TOKYO)」。蛭子さんの展覧会場の下がオシャレなフランスのチョコレート屋って、ぜひ蛭子さんに感想を聞いてみたいですね。

なおAKIO NAGASAWAは水〜土曜日しかギャラリーを開けていませんし、13時から1時間ほどお昼休みでギャラリーを閉めてしまうので、行くならお昼直前か夕方以降がベターです。

「最後の展覧会」といいつ悲壮感はあまりなく、むしろ蛭子能収の新境地を見ることができる展覧会です。蛭子能収やサブカルとしての漫画に興味がある人はぜひどうぞ。

根本敬 presents 蛭子能収「最後の展覧会」 基本情報

タイトル 根本敬 presents 蛭子能収「最後の展覧会」
会場 Akio Nagasawa Gallery Aoyama
会期 2023年9月7日(木) 〜 9月30日(土) の水曜〜土曜
開館時間 11:00–13:00, 14:00–19:00
入館料 無料
予約 不要

Akio Nagasawa Gallery Aoyama 基本情報

施設名 Akio Nagasawa Gallery Aoyama
住所 港区南青山 5-12-3
最寄駅 表参道駅
休廊日 日曜、月曜、火曜、祝日

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