2020年9月5日、六本木ヒルズけやき坂にある宮島達男のパブリックアート『Counter Void/カウンターヴォイド』が再び点灯されました。
そもそも2003年に設置されたこの作品は2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに震災3日後の3月13日、節電の意図と犠牲者への鎮魂の意を込めて、作家自らが作品を消灯することを決断しました。
それから2018年の再点灯を経て、今回2020年宮島達男が出品した森美術館の『STARS展』と合わせて期間限定で再々点灯されました。(2018年再点灯の様子はコチラ)
今回はコロナ禍の中での再々点灯となりました。ですから2018年のように作家本人が訪れて点灯の様子をみんなで見守るというようなセレモニー的なものはなかったようです。
まずは森美術館で開催された『STARS展』に出品された宮島達男の作品写真です。
旧作「30万年の時計」1987年▲
「Monism /Dualism」1989年▼
最新作は「時の海—東北」プロジェクト(2020 東京)」▼
その他の出品作品についてはコチラを参照ください。
今回の再々点灯のスケジュールは次のとおりでした。
Counter Void 2020-2021 点灯スケジュール(時間17:00~22:00)
7月31日(金)~8月8日(土)
9月5日(土)10月3日(土)11月7日(土)12月5日(土)
12月24日(木)~1月3日(日) (点灯時間17:00−20:00に変更)
計24日間
まだ木が青々として葉が生い茂っていた頃▼
2018年の再点灯時にはここにトーマス・サンデルのパブリックアート「アンナの石」があったのですが、現在は撤去されスッキリしています。▼
2018年の様子です。手前にパブリックアートが設置されています。▼
また2020年11月13日からけやき坂のイルミネーションが点灯されました。▼
イルミネーションとCounter Voidのダブルで見られたのは12月5日のイルミネーション点灯以降の限られた日だけでした。▼
今ではCounter Voidが当たり前に点灯していた10年前が嘘のようです。
当初は17-22時の点灯予定でしたが、12月24日からはコロナウィルス感染拡大防止対策として時間が短縮され17-20時に変更されました。
また、けやき坂のイルミネーションも16-20時に短縮されたので、20時以降のけやき坂は真っ暗だったわけです。
東日本大震災という未曾有の災害をきっかけに消灯され、2018年に再点灯し、コロナウィルスが世界中に蔓延し、人類が目に見えないウィルスの脅威に晒された2020年2021年に再々点灯されたのは偶然ではないでしょう。
次に点灯される時は何か喜ばしいお祝い事であるように願いたいです。
すっかり後追いのレポートになってしまいましたが、けやき坂を通る時に思い出してみてください。
Counter Void
制作:宮島達男 制作年:2003年
所在地:六本木ヒルズ けやき坂 TV asahi壁面