ロンドンギャラリー白金
白金の白金公園の脇に「白金アートコンプレックス」という小さなビルが建っていて、ここはその名の通りいくつかのアート関係のギャラリーやオフィスが入っています。
5階は現代芸術家としてますます評価が高まる杉本博司の事務所。そして4階は東洋古美術と日本人作家専門のギャラリー「ロンドンギャラリー白金」です。
このロンドンギャラリーは六本木のピラミデビルにもありますが、ギャラリー自体の所在地はここ白金です。
▲隣は白金公園、裏は古川と首都高というロケーションです。大きな看板があるわけでもないのでギャラリーと気付かない人がいるかもしれませんね。
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白金アートコンプレックス
ロンドンギャラリーが入るビルが「白金アートコンプレックス」。
看板には ”新素研” と書かれています。これは「新素材研究所」の略。杉本博司と建築家の榊田倫之による建築設計事務所です。
つまり杉本博司の活動拠点でもあるのです。
五輪の真ん中が色付きの光学硝子ですし、あちこちから収集した五輪塔の部材を集めて再構成した作品じゃないでしょうか。
ロンドンギャラリーは ”倫敦画廊” とわざわざ漢字で書かれています。 ”倫敦” と書いて ”ロンドン” と読むのですが、夏目漱石の「倫敦塔」も遠くになりにけりですね。
▲5Fは新素材研究所や「小田原文化財団」が入っています。小田原文化財団は杉本博司の「江之浦測候所」を運営するための財団です。
2階と3階は今をときめくミナ・ペルホネンのオフィスです。が、ちらっと見たところ倉庫代わりに使っているようでもあって、本社機能は白金台なのでしょう。
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ギャラリースペース
ロンドンギャラリーの内装は杉本博司が手掛けていて、杉本博司建築の第一号なのだそうです。
▲大きな床の間風なスペースは展示物を置くこともできるし絵画や掛け軸などを掲示することもできて、古美術も日本の現代アートも扱うギャラリーとして使い勝手が良さそうです。
でも空間の配置とか素材の選び方はやっぱりこの時から杉本博司だったんですね。
畳の上に置かれているのは現代日本の作家である橋本雅也の作品です。
▲コンクリートの床は壁面などとは対象的にモダンな雰囲気を醸し出しています。
▲それほど広いスペースではないのですが、展示や商談スペースがまとめられています。
もちろんギャラリーなので入場料など不要で鑑賞することができます。
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橋本雅也展「間なるもの」
2022年4月と5月は日本人作家 橋本雅也の「間(あわい)なるもの」展を開催しています。
真っ白な桜の花びらは幽幻とも思える世界を見せてくれます。
▲杉本博司の空間にこのように彼岸と此岸の曖昧な世界が創出されていて、空間と物体が見事に調和しています。
ゴールデンウィーク中は休廊ですが、会期中に白金を散策する機会があったら立ち寄ってみたいものですね。
▲これは左が橋本雅也。右は杉本博司収集の古美術品だと思います。
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場所と行き方
白金公園の隣です。
白金高輪の駅からなら「GAZTA」や「HIKIXIOU」といった白金バスクエリアを抜けイタリアンカフェ「ドロゲリア サンクリッカ」の先を左に曲がって数分歩くと右手に白金アートコンプレックスのビルが見えます。
白金高輪の駅から10分くらいですね。
▲都営バスを使うともっと便利です。「光林寺」バス停で降り五之橋を渡ったらそば屋の角を入って100m。バス停から2分です。渋谷駅などからだとこちらの方が便利でしょうね。
白金のここにギャラリーがあるのはあまり知られていないようですが白金の散策場所のひとつにぜひ加えてもらいたいギャラリーです。
古美術ファンにはすでに周知のギャラリーだと思いますが、杉本博司など現代アート文脈でのギャラリーとしても見逃せません。
ロンドンギャラリー白金 基本情報
店名 | ロンドンギャラリー白金 |
住所 | 港区 白金 3-1-15 |
最寄駅 | 白金高輪駅 |
休廊日 | 日曜、月曜、祝日 |
開廊時間 | 11:00 – 18:00 |
橋本雅也「間(あわい)なるもの」展 基本情報
展覧会名 | 橋本雅也「間(あわい)なるもの」展 |
会場 | ロンドンギャラリー 白金 |
会期 | 2022年4月9日(土) 〜 5月21日(土) |
休廊日 | 日曜、月曜、祝日、4/29〜5/9 |
入館料 | 無料 |
コメントありがとうございます。
MOAも杉本博司テイスト溢れていて良い空間ですよね。
五輪等の光学硝子や展示空間のお写真を見て、新素研がリニューアルを手掛けた熱海のMOA美術館を思い出しました。共通するものがあります。MOAではロビーエリアに設置されているベンチソファの足が光学硝子で光が当たると非常に美しいんです。機会があれば是非行かれてみてください。