原美術館(2020年末で閉館予定)での田原桂一展とハラ・ミュージアム・アーク

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原美術館で2017年9月9日(土)から12月24日(日)まで開催される “田原桂一「光合成」with 田中泯” 展。縁あってそのオープニングレセプションにインバイトいただいたので行ってきました。

原美術館は御殿山なので麻布エリアではないのですが、六本木、麻布十番からなら五反田行きの都営バスに乗り御殿山バス停で降りれば徒歩3分、いわばお隣さんということで紹介したいと思います。
(閉館とハラ・ミュージアム・アークについては記事の最後に追記しています)




6月に亡くなった写真家 田原桂一が70年代に田中泯とコラボレートした作品群。それと昨年再び田中泯を撮った作品が展示されています。
レセプションは18時から。ちょっと遅れて行ったのですが既に空は真っ暗。日が暮れるのもすっかり早くなりました。

1978年から世界の各地で田中泯の肉体とそれぞれの土地の空気を写真として切り取るコラボレーションの結果が今回の作品展に繋がっています。
”with 田中泯” というのは田中泯が単なる被写体の枠を超えて作品そのものの共同制作者でもあることを物語っていますね。



入口の田原桂一の遺影と展覧会カタログ。
6月6日に田原氏は亡くなっているのですが、その直後に銀座のポーラ ミュージアム アネックスで「Les Sens」という展覧会が開催されました。
当時既にこの光合成展も準備が進んでいたので、自身の残りの命を自覚してポーラで最新作、今回原美術館で回顧展のように(日本での)未発表作品を展示しようとしていたのかもしれません。

田中泯の肉体を粗い粒子の白黒で捉えたもので1980年の作品。
これも35年前の神々しいまでの田中泯の肉体を真正面から捉えたもの。

あえて距離を取った写真を掲載します。

この迫真感と格好良さはぜひ原美術館現地で目に焼き付けて欲しいですね。

格好良さとなるとこの写真。

肉体、ロケーション、構図そして空気感。”Perfect” という言葉しか思い浮かびません。
これは実際の写真の一部だけを切り取ってみました。
やはり現物を観ていただきたいですね。

オープニングレセプションだったので人も少なくじっくり鑑賞することができましたが、今回の展覧会も会期の後ろになるほど話題を呼びそうなので、早めに行っておきたいですね。

基本的に中庭は写真撮影禁止なのですが・・・
夜のライトアップされた建物と芝生の庭も素敵ですね。

レセプションが終わる20時まで多くの招待客が残っていたのは、もしかしたら田中泯がサプライズでパフォーマンスを行うのではないかと内心期待していたからでしょうか。
実はこの展覧会の期間中に3回だけ、「田中泯 オドリ」というイベントが予定されていて、田中泯が1985年以来となる原美術館でのダンスパフォーマンスを行うのです。

盟友田原桂一の回顧展、原美術館という場所。どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。

2020年12月末で閉館する原美術館

この原美術館が2020年12月末で閉館するというニュースが飛び込んできました。
2021年以降は群馬の「ハラ ミュージアム アーク」が「原美術館 ARC」として活動を継続するようです。
ただARCiveだけに今までと同じような活動ができるのか微妙な感じですね。

これが群馬県渋川市のハラミュージアムアーク。

オトニエルの「KOKORO」が出迎えてくれます。
六本木ヒルズの毛利庭園にもありますよね。

ちなみに東京からハラミュージアムアークまで、関越道を使って2時間半くらいです。館内は基本的に写真撮影NGなので館内を紹介できないのが残念です。遠くの赤城山を借景にした館内の通路のようです。
どんどん進むと・・・
このように遠くに赤城山を望みながらの広大な芝生が目の前に広がります。

芝生の向こう側から磯崎新設計のミュージアム側を見るとこのように。
ちなみにこの写真、2018年のGW中に撮影したものです。
GW中なのに人っ子一人写っていません。実際にはお客さんは数組は居たのですが。

隣のBBQ場は駐車場が満車になるほど賑わっているのに、ミュージアムは閑散としていました。

この銀色のエアストリームのような建物はオラファー・エリアソンの作品です。
単なるオブジェではなく体験型のインスタレーションなので現地で体験してみてください。

屋外にはアンディ・ウォホールの他にガディッシュマンの「プロメテウス」なども。
ワシに肝臓を喋まれるプロメテウス。好きな作品です。

こちらは小野節子の作品。あの小野洋子さんの妹さん。国連機関を退職後にアーティスト活動を始めた異色の作家です。

そしてもちろんカフェダールも併設されています。
テラスで芝生とミュージアムと屋外のアート作品を眺めるながらコーヒーをいただけます。原美術館とはまた違った趣の素敵空間ですね。

隣に見える大きなキャンベルのスープ缶はもちろんウォホール作品です。

このように広大な敷地を活かした屋外展示はもちろんですが、草間彌生などの館内の展示作品も素晴らしいので、東京から足を運ぶ価値のある美術館です。
2021年以降どう変わるか不透明ですがその前に一度は訪問してみてもらいたいですね。
なお、場所柄もあり冬季(1月から3月)の一定期間は閉館になっています。事前に開館期間を確認してくださいね。

原美術館

品川区北品川 4-7-25
休館日:月曜日
開館時間: 11:00 – 17:00 (水曜は20:00まで)

ハラ・ミュージアム・アーク

群馬県渋川市金井2855-1
休館日:木曜日 (冬季閉館期間あり)
開館時間: 9:30 – 16:30 

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