「土牛の桜」。奥村土牛の代表作とモデルになった桜を見られるチャンス(開花終了)。山種美術館の「富士と桜」展。

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山種美術館の「富士と桜」展

広尾の山種美術館は1966年に開館、2009年に広尾に移転した、日本画専門としては日本でも屈指の美術館です。

相場師として有名で山種証券創業者の山崎種二の個人コレクションがメインで、横山大観や上村松園など近代日本画の代表的作家やその作品が収蔵されています。

この山種美術館で、富士山がユネスコの世界遺産登録10周年を記念した「富士と桜 ―北斎の富士から土牛の桜まで―」展を開催しています。

日本のシンボル富士山と日本の象徴である桜を題材にした日本画の展覧会ですが、今年2023年は ”土牛の桜” の絵画と実物を見られる稀有な展覧会になっています。

▲日本画という渋いテーマ、落ち着いた雰囲気のミュージアムカフェ「Cafe椿」などで人気の山種美術館です。

ただ館内は写真撮影禁止です。今回も肝心の展覧会の出展作品の写真はありません。

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土牛の桜

「富士と桜」展は2023年5月14日まで。ゴールデンウィーク明けまで開催していますが、今回に限り4月上旬までに訪問した方が良いです。

▲この展覧会の目玉としては葛飾北斎の「富獄百景」の特別公開、横山大観の富士山などがあるのですが、一番の話題は「土牛の桜」でしょう。

展示作品に、文化勲章も受賞した日本画家、奥村土牛(おくむら・とぎゅう)の晩年の傑作「醍醐」があります。これは豊臣秀吉が花見をしたこともある京都・醍醐寺の「太閤しだれ桜」と呼ばれる名木を描いたものです。

▲これは本物の「土牛の桜」。醍醐寺の名木から組織培養したものを山種美術館に植樹しています。

2021年にここに植樹され、2022年の春には実際に開花しました。

今年2023年は「土牛の桜」の絵画と、そのモデルとなった桜。二つの桜を山種美術館で見られるチャンスなのです。

▲これは2023年3月19日に撮影したもの。桜の上の方が開花しています。

結局開花したのは上の方だけで、また来年のお楽しみです。

とはいえ、恵比寿方面から来ると、まず土牛の桜の木を見てから展覧会を見ることになります。展覧会での土牛の桜と本物の土牛の桜、見比べてみてはどうでしょうか。

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山種美術館へのアクセス

山種美術館は知名度もあるのですが広尾に移ってからはアクセスがやや不便かもしれません

▲駒沢通りを挟んで向かいは「都立広尾高校」、その隣には渋谷区が生んだブロンズメダリスト原大智の出身校「渋谷区立広尾中学」があります。

ここは最寄り駅がなくて、恵比寿駅からも表参道駅からもけっこう歩くことになります。

そこで渋谷駅か恵比寿駅からバスに乗るのがおすすめです

▲美術館には恵比寿駅、渋谷駅行きの案内図が貼られています。

逆にそれぞれの駅から山種美術館への行き方です。

恵比寿駅からの場合は、西口ロータリーで「学06」の日赤医療センター行き都営バスに乗ります。2つ目の「広尾高校前」のバス停で降りれば通りの向かい側に山種美術館があります。

恵比寿駅から駒沢通りを歩いてもいけますが、渋谷橋で歩道橋を渡らないといけないし、その先もずっと登り坂なのであまりおすすめしません。もっとも歩いて10分程度なので、恵比寿駅からは歩く人の方が多いかもしれません。

▲「山種美術館前」の信号を渡って六本木通り方面へ行くとすぐにこの入り口が見えるはずです。

渋谷駅からの場合は、東口バス乗り場の54番から「学03」の日赤医療センター行き都営バスに乗ります。
「東4丁目」バス停で降りて駒沢通りを渡り、恵比寿の方へ歩いて数分です。

美術館通りと桜見物

10年ほど前に六本木通りの南青山七丁目交差点と骨董通りの南青山六丁目交差点を結ぶ道路(100mちょっと)が開通しました。それまで青山霊園から来る道路は行き止まりだったのですが駒沢通りまで真っ直ぐ抜けられるようになり利便性が一気に高まりました。

それ以来、山種美術館から六本木通りと骨董通りを横切り、「根津美術館」の前を通り「国立新美術館」までを結ぶ通りを「美術館通り」と呼ぶようになっています。

途中には「岡本太郎記念館」や「秋山庄太郎写真芸術館」もありますし、乃木坂トンネルを渡れば「ギャラ間」や「サントリー美術館」もあります。

途中、青山霊園を横切るので、山種美術館で「富士と桜」展と土牛の桜を見て、美術館通りを散策しながら青山霊園と国立新美術館でも桜見物という、アートと桜を思い切り楽しむコースもおすすめです。

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ミュージアムカフェ「Cafe椿」

山種美術館のミュージアムカフェ「Cafe椿」。

ここは和菓子が美味しいことで有名で、また展覧会をモチーフにしたお菓子も楽しめます。

▲カフェ内はテーブル席が並んでいます。

家具はイタリアのカッシーナのもの。超高級ながら山種らしい落ち着いた雰囲気です。

駒沢通り沿いの席からは外の緑がよく映えています。この辺りはイチョウ並木になっているので紅葉のシーズンもまた格別な眺めです。

▲これは「東方美人」。プレミアム中国茶を使ったお茶です。

茶呑みとポット、さらに差し湯。さらにプチスイーツまで付いてきます。

▲差し湯まで付いてきて、つまりどうぞゆっくりしてくださいという意味ですね。

また、このカフェは美術館を利用しなくても、カフェだけでの利用も可能です。

▲お団子のようなスイーツも可愛くて美味しいです。

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「土牛の桜」自体はすでに開花しています。たぶん3月下旬には満開になるはずです。

「富士と桜」展への訪問を考えているのでしたら、絶対その時期がおすすめです。

また、暖かくなって都心を散策するのにもぴったりな季節が続きます。山種美術館から岡本太郎記念館や根津美術館は歩いて行けますし、美術館通りを行けばちょっと距離はありますが国立新美術館も歩いていけます。

周辺には「銀座ウェスト青山ガーデン」、新美術館には「ブラッスリー ポール・ボキューズ」といった休憩できるカフェなども点在していますので、ちょっとした遠足がてらの美術館巡りなどもどうでしょう。

富士と桜 展 基本情報

タイトル 富士と桜 −北斎の富士から土牛の桜まで−
会場 山種美術館
会期 2023年3月11日(土) 〜 5月14日(日)
休館日 月曜日
開館時間 10:00〜17:00
入館料 一般 1,300円(学割あり)、中学生以下無料
事前予約 事前予約可能

山種美術館 基本情報

住所 渋谷区広尾 3-12-36
最寄駅 恵比寿駅から徒歩10分またはバス。渋谷駅からバス
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