麻布台ヒルズのデザインを手掛けたヘザウィック・スタジオの展覧会が六本木ヒルズで開催(閉幕)

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ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築

六本木ヒルズの屋内展望台、東京シティビューで「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」という展覧会が2023年3月17日から開催されています。

ヘザウィック・スタジオ? という人も多いと思いますが、2023年11月下旬に開業する麻布台ヒルズの複合施設「ガーデンプラザ」をデザインしたイギリスのデザインスタジオです
(麻布台ヒルズの開業は 2023年秋 とアナウンスされていますが、もう公然と Late November という言葉が飛び交っているので2023年11月末開業だと思います)

スタジオを主宰するのは現代のイギリスを代表するデザイナーのトーマス・ヘザウィックで、麻布台ヒルズが日本で手掛ける最初のプロジェクトになります。

▲2012年のロンドンオリンピックの聖火台が一般的には最も知られるプロジェクトだと思いますが、11月に麻布台ヒルズが開業すれば、日本でも多くの人が彼がデザインした建物を目にし、利用することになります。

今回の「ヘザウィック・スタジオ展 共感する建築」はそれに先駆けてのお披露目的な位置付けの展覧会です。

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麻布台ヒルズとヘザウィック・スタジオ

六本木ヒルズを運営する森ビルが2023年11月末にオープンさせる「麻布台ヒルズ」。

300mを超える超高層ビル「森JPタワー」が目立ちますが、一般の人が最も利用するのがC街区という神谷町や桜田通り側に近いエリア。そこのガーデンプラザという複合施設がヘザウィック・スタジオのデザインです。

引用元:MORI LIVING

▲こんな施設になるよという予想図が公開されていますが、実際に建築しているガーデンプラザを見るとこんなものではない巨大な施設だということが分かります。後に見える超高層ビルが大きすぎるので相対的に小さく見えてしまいますが。

▲ヘザウィック・スタジオ展になる東京シティビューから見下ろした麻布台ヒルズ周辺です。

巨大な森JPタワーと左のマンション棟(クレーンが乗ってる工事中のビル)の間にガーデンプラザの一部が見えています。

ヘザウィック・スタジオの主要プロジェクトが展示されてる展覧会場から最新プロジェクトを見下ろすことができるのですね。

しかも麻布台ヒルズは六本木駅の隣、神谷町駅を出てすぐの場所です。ヘザウィック・スタジオ展を出て15分後には本物のガーデンプラザ(ただし工事中)を見ることができるので建築好きな方はヘザウィック・スタジオ展の後にぜひ麻布台ヒルズにも行ってみましょう。

麻布台ヒルズの工事の様子はこちらの記事に詳しいです。

ヘザウィック・スタジオ展の入場料

会場は六本木ヒルズの52F、屋内展望台「東京シティビュー」の中にあります。

入場チケットは展覧会と東京シティビューが共通で、東京シティビューのチケットを購入しても展覧会を観ることができます。また追加料金を払うことで森美術館や屋上展望台「スカイデッキ」に入場することができるようになるシステムです。

入場料金はやや複雑。基本的にはオンラインでの事前予約制が推奨されていて、平日のオンライン予約が最安になります。一般 1,800円で東京シティビューとヘザウィック・スタジオ展が鑑賞できます。同じオンライン予約でも土・日・休日は一般 2,000円とやや割高に。

よほど混む日でなければ当日券を買って入場することもできます。ただし週末は一般で2,200円という金額です

会場の混雑状況

展覧会初日は春休みということもあって東京シティビュー自体が混んでいました。

春休み、ゴールデンウィークという時期はヘザウィック・スタジオ展目当てのお客さんより展望台へのお客さんの方が圧倒的に多いので、展覧会目的なら平日の方が良いです。週末の混んでいる時は開館前に東京シティビューへの長い行列ができるくらいですから。

夜は東京の夜景目当てで多くのインバウンドのお客さんが訪問してくるのでやはり混みます。ゆっくりヘザウィック・スタジオ展を観るにはなるべく遅い時間帯の良いでしょう

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会場エントランスでの展示

52Fのフロア南側が東京シティビューの入口です。

▲東京シティビューのエントランスは一番見晴らしも良いのですが、ここヘザウィック・スタジオ展が始まっています。

電気自動車のコンセプトカー「エアロ」の原寸大模型。

窓の外には東京タワーや麻布台ヒルズが見えますね。

▲日本の暖簾にインスパイアされたバナーが天井から下がり、エアロがあり、手前はエリザベス女王の戴冠70年を祝うプラチナジュビリーのためにトーマス・ヘザウィックがデザインした「ツリー・オブ・ツリーズ」の一部です。

エアロの内部はキューブリック監督の映画「時計じかけのオレンジ」にも出てきそうな未来感で、英国的センスを感じます

▲これは「エクストリュージョン(押し出し)」。

金属を押し出して形成した椅子(ベンチ)です。すごい。

窓の外には麻布台ヒルズのガーデンプラザが見えます。ヘザウィック over ヘザウィックの光景です

▲東京シティビューのエントランス部に大きく展示されているのがロンドンの市バス「ニュールートマスター」の原寸台模型です。

2012年から導入された50年ぶりの新型バスをデザインしたのがトーマス・ヘザウィックです。

新ルートマスターの導入を推進し、ドアのない後部乗降口(オープンデッキ)にすることをリクエストした当時のロンドン市長ボリス・ジョンソンにちなんで ”ボリスバス” とも呼ばれるそうです。

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6つのセクション

挨拶代わりの導入部に続いて、展覧会は次の6つのセクションで構成されています。

「ひとつになる」、「みんなとつながる」、「彫刻的空間を体感する」、「都市空間で自然を感じる」、「記憶を未来へつなげる」それと「遊ぶ、使う」。

▲「ひとつになる」セクションの展示の一つ、上海万博英国館の「種の聖殿(Seed Cathedral)」です。

王立植物園キューガーデンの世界の種子を収集し未来のために保存するプロジェクト「ミレニアムシードバンク」に倣い、25万種の種子を使っています。上海万博で人気のトップ5に入るパビリオンにせよという英政府のリクエストには苦労したそうです。

このセクションではロンドンオリンピックの聖火台のパーツ(撮影禁止)も観られます。

▲「彫刻的空間を体感する」セクションに展示されているニューヨークの「ヴェッセル」。

2019年完成の16階建て展望台です。行かなくては思っているうちにパンデミックになってしまったうえ改修のため一時閉鎖され悔しい思いをしている人も多いのでは。

▲このセクションではロンドンのパーテルノステル通気口や上海のバンド金融センターなどの模型が展示されています

トーマス・ヘザウィックのデザインは、ルイジ・コラーニなど思い起こすところもあったり、どこかサイケデリックな感覚があったりと、あの年代生まれの英国人だなぁと強く感じます。

▲「記憶を未来へつなげる」セクションの「ツァイツ・アフリカ現代美術館」の模型。

このセクションではロンドンの「コール・ドロップス・ヤード」の模型なども展示されています。

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トーマス・ヘザウィックと麻布台ヒルズ

トーマス・ヘザウィックが手掛ける日本で最初のプロジェクト「麻布台ヒルズ」は「都市空間で自然を感じる」セクションで展示されています。

▲奥が森JPタワーとマンション棟が2つ。

手前の植栽に覆われているのがヘザウィック・スタジオが手掛けたガーデンプラザです。

▲コンクリートで複雑な局面を描くガーデンプラザの外観。

現地ではこのウネウネした曲線がづっと続いているのです。

▲麻布通りと桜田通りと外苑東通りに囲まれた麻布台ヒルズの模型。

広大すぎて現地を歩いても疲れるだけなんですが、こうして完成予想模型を見ると全体像がよく掴めると思います。

まだ工事中で完成形が見えない場所や工事関係者以外には見えない場所も分かるのがうれしいです。

今の現地の様子はこの記事をどうぞ。麻布台ヒルズの着工前から最新の様子までを見られます。

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ヘザウィック・スタジオのプロダクトデザイン

最後のセクション「遊ぶ、使う」ではヘザウィック・スタジオのプロダクトデザインをいくつか見ることができます。

▲手前は「拡張する家具」。

用途や場所に合わせて本当に拡張することができるのですが、残念ながら触ることはできません。

奥の黒い台の上に乗っているのは「スパン」という椅子の金型です。

コマみたいな形状で座ったまま360度回転します

▲会場の最後で実際に「スパン」に座ってみることができます。座ってぐるぐる回ったり背伸びをしたり、絶対倒れないので楽しいのですが、人によっては酔ってしまうこともあるそうです。

スクリーンにはトーマス・ヘザウィックのTEDでの講演が流れているので、それを観ながらスパンを楽しみましょう。

内容は人々の想像を掻き立てる刺激的な建築が都市には必要なのだというものです。

麻布台ヒルズのいま

ヘザウィック・スタジオが手掛けた麻布台ヒルズ ガーデンプラザの今の様子を見てみましょう。

▲2023年3月中旬でここまで出来ています。

日比谷線神谷町駅の2番出口を出れば目の前がこれです。ヘザウィック・スタジオ展でトーマス・ヘザウィックや麻布台ヒルズ、ガーデンプラザが気になった人は帰りに展覧会の帰りに神谷町で途中下車して実物を見てみましょう。

11月にはトーマス・ヘザウィックが言う想像を掻き立てる刺激的な建築がここに出現するはずです。

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チケット情報、アクセス

チケット購入方法

森美術館のチケットの入手方法は2つ。

一つは六本木ヒルズのチケットサイトで購入する方法。最初に会員登録をするかヒルズIDが必要なのが面倒ですが、いったん登録すればHILLS APP(ヒルズアプリ)を使った入場ができるので便利です。
iPhone用のiOS版ヒルズアプリ(App Store)
Androidスマホ用のAndroid版ヒルズアプリ(Google Play)

もう一つは六本木ヒルズ森タワー3階の美術館・展望台チケットで購入する方法です。ただし当日枠に空きがある場合だけです。

あと東京シティビューの「東京シティビュー パスポート」を購入すれば予約不要で東京シティビューとそこで開催される展覧会、それと屋上展望台スカイデッキへ入場することができます。東京シティビューやスカイデッキを年に2回以上利用するならパスポートの購入も検討してみてください。

期間限定お得チケット情報

森美術館セット券

春休み機関の平日オンライン限定で森美術館「六本木クロッシング2022展」とヘザウィック・スタジオ展のセット券が販売されています。

対象期間は2023年3月24日(金)までの平日。通常は東京シティビューのプラス500円で森美術館へも入館できますがセット券で若干安くなります

詳しくは東京シティビューのサイトで確認ください

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森美術館へのアクセス

まず六本木ヒルズへのアクセスですが最寄り駅は日比谷線六本木駅。六本木ヒルズ側改札(広尾側)から出れば直結です。

大江戸線六本木駅を利用の場合はいったん地上に出て六本木ヒルズに向かいます。

また渋谷駅から都営バスの都01系統で新橋行きに乗り「六本木駅前」で降りればほぼ向かいが六本木ヒルズですし、「RH01六本木ヒルズ行き」なら文字通り六本木ヒルズ直行です。利用しやすいルートを使ってください。

六本木ヒルズに着いたら蜘蛛みたいなオブジェ「ママン」がある66プラザに出て大屋根広場を目指してください。映画館や大屋根広場の手前の小さい丸い建物(ミュージアムコーン)が美術館入り口です。週末ならたいてい行列しているか、付近でここだけヒルズのスタッフが立っているのですぐに分かると思います。

▲そしてミュージアムコーンから3Fに上ってブリッジを渡り、チケット・インフォメーションで入館手続きします(紙チケットの場合)。

予約してある場合はゲートでQRコードをかざしてそのまま入館。

直通エレベーターで52Fへ上がります。

▲52Fでエレベーターを降りてエレベーターホールから出るとすぐに東京シティビューです。

ロッカーは森美術館へ上がるエスカレーターの裏側にあるので、大きな荷物などはロッカーに入れましょう。スーツケースはもちろんキャビントローリーも入場を拒否されます。ロッカーは100円ですが荷物を取り出す時に返却されます。

2023年3月から6月末まで3ヶ月弱の会期で、春休み中やゴールデンウィーク時期は展覧会とは関係ないお客さんで入場待ちするほど混み合うと思いますが、2023年11月の麻布台ヒルズ開業前にヘザウィック・スタジオの仕事を見ておきたいえすね。

建築好き、建築が仕事だという人はもちろん、デザインなどクリエイティブに興味がある人にもおすすめな展覧会です。

ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築 基本情報

名称 ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築
会場 六本木ヒルズ内 屋内展望台 東京シティビュー
会期 2023年3月17日(金) 〜 2023年6月4日(日) 会期中は無休
開館時間 10:00 – 22:00
入館予約 事前予約 日時指定制
入館料 平日 : 一般 2,000円、高校大学 1,400円、4歳〜中学 800円、65歳以上 1,700円
週末 : 一般 2,200円、高校大学 1,500円、4歳〜中学 900円、65歳以上 1,900円
オンライン予約割引あり。料金詳細はこちらから
撮影 撮影可能。撮影NG作品には掲示あり。動画撮影は1分まで。
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