WALL_alternative
日本を代表する総合エンターテイメント企業、エイベック(avex)が運営するオルタナスペース「WALL_slternative」が西麻布のThe Wallにオープンしました。
バブル時代の絶頂期にイギリスのデザイナー、ナイジェル・コーツがデザインし今もその偉容を誇るThe Wallに、あのエイベックスがアートを軸にナイトカルチャーの交流と発信の場としてのオルタナスペースを開くとあっては誰もが関心を抱くと思います。
第一回のアート展示は大野修(おおの・しゅう)による個展「VERSE」ということもあり、さっそく訪問してみました。
(なお大野修の「VERSE」展は終了しています)。
▲西麻布の交差点からも近い外苑西通り沿いに建つThe Wallと隣接するArt Siloのどちらもナイジェル・コーツの設計によるもの。初めて通りかかれば目が釘付けになりそうなこの建物の1階がWALL_alternativeの入り口です。
この写真は日中のものですがWALL_alternativeの営業時間は18時から深夜24時までです。
またThe WallとArt Siloの建築そのものについてはこちらの記事をどうぞ。
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カウンターバー
アートを軸にしたオルタナスペースではあるもののバーとしての機能もあってワインなどのアルコールとソフトドリンク、そしてシェフが監修するきちんとしたサンドイッチなどの軽食も用意されています。
もちろんギャラリー鑑賞だけの利用もOKです。
▲WALL_alternativeに入って左側がカウンターバー。
壁にかかっているのは第一回アート展示の大野修の作品です。
▲麻布ガイドはアルコールを飲まないのでこの日は「トンカ豆のバニラシェイク」 1,300円で。
シェフによるとトンカ豆というのは、バニラビーンズのようなものだそうです。
ファーストフードにある、いわゆるバニラシェイクの10倍くらい濃厚で美味しいバニラシェイクでした。
ここで軽食をつまんだりワインなどを飲みながら、アート作品を批評し合ったり流れる音楽について語り合ったりという利用のされ方を想定しているのでしょう。
作品の展示がない時はクラブ的に利用されることもあるのでしょうね。
アート展示
この日展示されていたのは第一回アート展示として大野修の《VERSE》。
2023年6月に開催されたコートヤード広尾での個展《The Module》が記憶に新しいアーティストです。
《The Module》展も《VERSE》展も作品のモチーフがギターなどの楽器やアンプやエフェクターといった演奏機材が多くミュージシャン出身ではないかと思われるアーティスト。そんな縁もあってエイベックスのオルタナスペースの第一回アーティストとしてフィーチャーされたのかもしれません。
▲お客さんを迎えるかのように立つギターを持った大型の立体作品。
階段沿いにもギターや電子デバイス系のオブジェ的な作品が展示されていました。
今回は音楽との関係を覗わせる大野修の個展でしたが、今後もこうした音楽とアートをクロスオーバーするアーティストの展覧会が多くなるのかもしれません。
そしてWALL_alternativeはギャラリーでもあるので気に入った作品があれば購入することができます。
PRWALL_alternativeの内装
WALL_alternativeの入るThe Wallはイギリス人デザイナー、ナイジェル・コーツによる設計ですが、WALL_alternativeの内装は日本人建築家、萬代基介によるもの。ここ10年くらいで非常に注目されている建築家です。
ここのコンセプトは3つ。これらコンセプトを具現化するような内装が心がけられているようです。
一番近いのは1980年代にマンチェスターにあったハシエンダかもしれません。
■Night-time gallery
大人が夜にアートを楽しめる、ライフスタイルに合ったアートスペース
■Collaboration
アートと音楽を軸に多様なカルチャーを横断し新しいムーブメントが生まれる拠点
■Community
バーを併設し良質な出会いやコラボレーションが生まれるコミュニティ
▲The Wallの1階、外苑西通り側にあるWALL_alternativeの入り口。
内部も見えて開放的な雰囲気です。
アートギャラリー、エイベックスのオルタナスペース、どちらも普通の人にとってはちょっと敷居が高く感じられる場所ですから、それを少しでも下げようという努力なのだと思います。
▲内部は2フロアになっています。地上分と中1階というレイアウトで、以前あったカフェの頃もこのようなフロア構成でした。
でもフロア間の段差から削り出した階段。この発想はすごいです。
中1階のフロアにもアート作品が展示されていますね。
▲上から見るとフロアの床板を剥がしコンクリートのフロアを削り、そこから階段を彫り込んだということがよく分かります。
ナイトカルチャーのスペースとしてもこのフロア構成は上手く考えられています。
▲さらに上に向かう階段もありますが、この上はエイベックスが運営する会員制のミュージックバーです。
非会員の方は残念ながらここまでです。
▲入り口の脇の ”WALL” のロゴとネオン、バーカウンターのネオンはネオンアーティストWakuとGokou Neon Studioによるもの。
あとインセンスを使った香りの空間設計、六本木祥瑞のシェフ監修によるメニューなど随所に拘りが見られる空間です。
夜の西麻布に再び新しい動きが出てきた、待望のスペースと言っても良いでしょう。
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WALL_alternativeの場所とアクセス
西麻布の外苑西通り沿い。
西麻布の交差点から天現寺橋方面へ100mほど、最初の信号の角がWALL_alternativeが入るThe WallとArt Siloです。
駐車場はないのですが路上パーキング可能ですし、近隣にコインパーキングもあります。
▲夜のThe WallとArt Silo。実際にWALL_alternativeを目指す場合はこの景色を目にすることになります。
電車の場合の最寄駅は六本木か乃木坂か広尾。どこから歩いても15分以上かかりますから遠方の方はクルマかタクシーの利用が良いでしょう。
エイベックスが夜の西麻布で仕掛けるアートを軸にしたオルタナスペース。しかも場所はThe Wall。感度の高い人には気になって仕方ない場所になりそうです
The WallとArt Siloの建築やアートににつてはこちらの記事をどうぞ。
WALL_alternative 基本情報
名称 | WALL_alternative |
住所 | 港区西麻布 4-2-4 |
最寄駅 | 六本木駅。乃木坂駅、広尾駅 |
定休日 | 日曜日 |
営業時間 | 18:00 – 24:00 |
入場料 | 無料 |