麻布十番納涼まつりのキービジュアルデザインでも知られる宇野亞喜良の大回顧展「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」

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宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO

毎年8月に開催される「麻布十番納涼まつり」は1日に20万人以上が訪れるとも言われる、麻布十番の夏の大イベント。

その麻布十番まつりで毎年印象的なポスターやうちわなどキービジュアルを手がているのが日本を代表するイラストレーターの宇野亞喜良(うの・あきら)です。
(宇野亜喜良と表記されることもあります)

このように麻布十番や六本木と縁も深い宇野亞喜良の過去最大規模の大回顧展《宇野亞喜良展 ARUIRAX UNO》が新宿・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開催されています。

麻布十番で姿を見かけることも多く、そして麻布十番まつりでのビジュアルもあり親近感を抱いている地元の方も多いのではないでしょうか。ちょっと足を運んでみたい展覧会です。

▲宇野亞喜良を ”AUIRAX UNO” とフランス語風に書くのが特徴的。

実際に宇野亞喜良が描くイラストなどもフランス風というか、ヨーロッパの退廃的な部分を再解釈したものですからAQUIRAXという表記が似合います。

今回の《宇野亞喜良展 ARUIRAX UNO》展は2024年4月11日(木)から6月16日(日)まで。例年通りのスケジュールだと宇野亞喜良がデザインした麻布十番納涼まつり2044のフラッグが麻布十番の街頭に登場する頃までの会期です。

麻布十番まつりで馴染のイラストレーターの回顧展・・・というだけでなく60年代からの日本のサブカルシーンで大きな役割を果たしたアーティストとしての宇野亞喜良を再認識させられる展覧会です。

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麻布十番納涼まつりのキービジュアル

宇野亞喜良といえば麻布十番まつりが思い浮かぶ人も多いでしょう。

私たちも宇野亞喜良展を鑑賞しながら、いったい麻布十番まつりのポスターをどこに登場するのだろうと思っていたのですが、思いがけないところで麻布十番まつりが登場しました。

▲なんと、《宇野亞喜良展 ARUIRAX UNO》の最後の最後、大トリで登場するのが麻布十番まつりのポスターでした。

でもその点だけで宇野亞喜良の麻布十番に対する想いが伝わってきます。考えてみれば最初に麻布十番まつりのポスターをデザインしてから25年。もはやライフワークの一つと化していますから。

宇野亞喜良展でのポスター

宇野亞喜良の麻布十番納涼まつりのポスターは一過性の印刷物「エフェメラ」として消費されるので、あまりきちんとした評価がされていないような気もします。

でもじっくり見れば宇野亞喜良らしさ満載の凝ったビジュアルなのです。

▲左は2014年のポスター、右は2010年のポスター。

例えば右のポスターで女性が着ている着物には文字が描かれていますが、文字ごとにフォントが違います。

右は金土日の3日間の会期となっていますが、左の2014年は土日の2日間です。知らない人も増えてきましたが、2011年の東日本大震災前は3日の会期だったのです。

▲上段のポスターは2000年のもの。

麻布十番に地下鉄が開通する直前の開催でした。なので最寄り駅は地下鉄六本木駅となっています。もちろん六本木ヒルズもない頃です。

地下鉄が開業した2001年以降の人気や話題の急上昇ぶりは説明するまでもないですね。

▲これは昨2023年のポスターの原画です。

今年2024年がどんなビジュアルになるのか今から楽しみです。ちなみに麻布十番納涼まつりのデザイン料はお金ではなく商店街から現物でもらっているという噂があります。真偽のほどはわかりませんが。

事務所はパティオ近くの麻布十番町内、ご自宅も麻布十番と隣接する六本木らしいです。

過去のポスター

宇野亞喜良の事務所が麻布十番に移転したのが1990年、そして最初にポスターを手掛けたの1999年で、以降毎年ポスターなどビジュアルデザインを手掛けています。

今回の《宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO》には麻布十番納涼まつりのポスターは4点しか展示されていないので、最近のポスターを振り返ってみましょう。

▲これは2016年のポスター。

▲これは2017年。

▲これは2018年。糸が垂れ下がっている糸電話がおかしいですがちゃんとデザイン的な糸ではなくて意図があるそうです。

▲最後の最後で結局中止になった2022年のビジュアル。

▲そして4年ぶりに開催となった2023年のフラッグです。

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アーティスト、宇野亞喜良

宇野亞喜良の業績は麻布十番まつりだけでなく、というよりそれ以外の業績の方が重要です。

画家ではなくイラストレーターということでも分かるように、なんといっても日本のサブカルチャーの中心に居たアーティストです。

▲60年代から70年代の前衛的な舞台やそのポスターなどビジュアルを手掛けたりしています。

ピンク・フロイドのアルバム「狂気」の販促ポスターも宇野亞喜良です。当時レコード店で「狂気」を予約して購入するとこのポスターがもらえたのです。

▲カルチャー誌の「STUDIO VOICE」とかモード系ファッション誌の「ハイファッション」など今でいう感度高い系な雑誌から、サラリーマンのおとうさんたちが読むような一般週刊誌など幅広くメディアでも活動していました。

▲1960年代にアートディレクションを務めた雑誌。

ウォーホルがニューヨークのファクトリーで実験を繰り広げ、ビートルズがサイケに目覚めた頃、同時代の世界の潮流とシンクロするかのようなサイケぶりです。

今でこそ私たちはビートルズの「レイン」を聴いてそれが見事なサイケデリックロックだと分かるのですが、私たちのお父さん世代だとリアルタイムに「レイン」を聴いてもそのように感じ取れる人はほとんどいなったと思います。それと同じで宇野亞喜良のデザインワークは今だからそ多くの人に響くようになっているのではないでしょうか。

▲写真右上のは「ザ・フローラル」というプロトGS(グループ・サウンズ)のグループのポスター。

宇野亞喜良はそのコンセプト、衣装デザイン、作詞などを手掛け、いわばプロデューサー役を務めています。

ボーカルは小坂忠だったのですがグループとしてはあまり売れなかったそうです。サウンド的にはアメリカのフォーク・ロックを目指したんだけどサイケ色が強すぎてなぜかアシッド・フォークになっちゃったような音です。もう少しすれば早すぎた日本のアシッド・フォークとして再評価されるかもしれません。

そしてベースとドラムをクビにして代わりに声をかけたのが白金台の細野晴臣と南青山の松本隆。2人が加入した時点でバンド名を「エイプリル・フール」とし、それがさらに「はっぴいえんど」へと繋がっていくのです。

日本のロックの原点とも言える位置に宇野亞喜良がいたのは驚きです。

▲この球体関節人形は宇野亞喜良。

球体関節人形というと四谷シモンですが宇野亞喜良もそれに世界で活動していたアーティストですからね。

人形の表情を見ればもう宇野亞喜良の世界です。

▲2020年の《龍の落とし子》という作品は隠しきれない澁澤龍彦的世界への憧憬がにじみ出る作品。

俳人、宗田安正(そうだ・やすまさ)の ”龍の落とし子に餌落とす澁澤龍彦忌” という俳句をモチーフにした作品。

このように見逃せない作品がびっしり並ぶ展覧会は全体で12セクションから構成されています。出品作数は約900点。ものすごい量なので1時間くらいあっという間に過ぎてしまいます。

オペラシティのアートギャラリーの広い展示空間を細かく分割してぎっしり詰め込んでいますから、これから評判になり観客が増えるとかなり窮屈な鑑賞体験になることは間違いなし。下手をすると入場制限にもなりかねないと思います。

GWに入る前に早めの訪問をしておきましょう。

なお本展は2022年にギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催された《万華鏡》展と出品作が重複しています。《万華鏡》展をさらに大規模に発展させたのが《宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO》と捉えても良いかもしれませんが、すでに《万華鏡》展を見た人でも満足できると思います。

▲展覧会の出口、麻布十番納涼まつりのポスターに続いて宇野亞喜良の略年譜。

こんなに長い略年譜は見たことがないというくらいの膨大の仕事量です。

▲そして本当の最後はAQUIRAX宇野亞喜良からのメッセージ。

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東京オペラシティ アートギャラリーの場所とアクセス

《宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO》展の開催会場は東京オペラシティタワー3Fのアートギャラリー。

最寄り駅は京王新線の初台駅で、オペラシティは駅から直結です。

麻布十番から大江戸線で新宿まで行って京王新線に乗り換えれば次の駅が初台駅。麻布十番から20分くらいで行けてしまいます

麻布十番まつりのポスターに興味のある方、宇野亞喜良ファンはもちろん日本の戦後サブカルチャーの歴史に興味がある人にとっても外せない展覧会です。

宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO 基本情報

名称 宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
会場 東京オペラシティ アートギャラリー
会期 2024年4月11日(木) 〜 6月16日(日)
時間 11:00 − 18:00
料金 一般 1,400円、大・高生 800円、中学生以下無料
予約 不要
撮影 撮影可 (撮影不可作品あり)

東京オペラシティ アートギャラリー 基本情報

住所 新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー3F
最寄駅 京王新線 初台駅
休館日 月曜日
時間 展覧会によって異なる
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