国立新美術館で開催中のクリスチャン・ボルタンスキー「Lifetime」と表参道のエスパス・ルイヴィトン東京で開催中の「アニミタスII」ついてご紹介します。
国立新美術館
「Lifetime」は、現代のフランスを代表する作家、クリスチャン・ボルタンスキー(1944年-)の活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展です。
会場内は撮影可能ゾーンと撮影不可ゾーンに別れています。
下記会場マップの青が撮影可能ゾーンです。▼
撮影可能ゾーンの入り口です「幽霊の廊下」▼
この作品は東京展のためにつくられた作品です。
黒い衣服を積み上げた「ぼた山」が中央に鎮座します。▼
天井からは霊魂をイメージした作品「スピリット」▼
コートを着た人物のような作品「発言する」は各々発言をしています。▼
2017年にケベックのオルレアン島で撮影された「アニミタス《白》」
アニミタスにはこの作品の他にあと2ヶ所、日本の豊島で撮影された「アニミタス《ささやきの森》」とイスラエルの死海のほとりで撮影された「アニミタス《死せる母たち》」があり、この2点は後述するエスパスルイヴイトン東京で見ることができます▼
「ミステリオス」は南米パタゴニアで鯨への反応を得るためにラッパ音を鳴らしコミニケーションを図ろうと試みている動画です▼
「白いモニュメント、来世」日本の展覧会のために作成されたもの▼
この展覧会にはキャプションはありません。作家は「空間が一つ作品」だと言っています。まさにそのとおりの大インスタレーションです。
会場入り口でこのような冊子を配布していますので個々の作品情報はこれを参考にしてください。▼
エスパス ルイ・ヴィトン東京
表参道のエスパスルイヴィトン東京はショップの7Fにあります。
ショップの中のエレベータで会場の7Fへ向かいます。
《アニミタス》の原点は、死者を祀る路傍の小さな祭壇へのオマージュとして、人里離れた広大な野外に設置されたインスタレーションです。
こちらの出品作品は国立新美術館に出品されている「アニミタス《白》」と同シリーズで、日本の風鈴を使ったインスタレーション「アニミタス」を撮影した映像作品3点のうちの2点です。2作品のキャプション▼
《アニミタス(死せる母たち)》はイスラエルの死海のほとりで2017年秋に撮影された10時間に及ぶ映像です。▼
展覧会場の開場と同時に入場したらご来光を見ることができました。▼
これは別の日の昼間に訪問したとき流れていたアニミタス。太陽はのぼりきったようですね▼
日本の豊島で2016年に撮影された《アニミタス(ささやきの森)》こちらも12時間の大作です。▼
スクリーン手前の植物は本物で、会期中時間を追うごとに変化していくのも作品の一部です。
会場内はこの草の香りと涼しげな風鈴の音色で満たされていました。▼
会場ではボルタンスキーのインタビュー映像も流れています。▼
ご紹介した2箇所の展覧会を両方みれば「アニミタス」シリーズをコンプリートできます。
各々徒歩で20分ほどの距離なので、一気に鑑賞するというのもありですね。
国立新美術館は千代田線の乃木坂駅と直結してますので電車でも1駅です。
また六本木ヒルズの森美術館で開催中の「塩田千春展 魂がふるえる」と合わせて訪問するのもよいと思います。心と身体がぐったりすると思いますが。
私は午前中に国立新美術館へ行き、その後表参道へ移動してエスパス ルイ・ヴィトンへ行きました。どちらも開館と同時に入場して堪能しました。
どちらも開幕したばかりですが開館直後でもそれなりのお客さんが訪れています。会期が進むに連れ混雑は増していくと思います。
作品は生と死を感じさせる静謐な空間そのものでもあるので混雑しないうちに体験しておきたいです。
国立新美術館「Lifetime」
6/12-9/2 火曜休館
10時〜18時(金・土 20時まで、7.8月の金・土21時まで)
エスパス ルイ・ヴィトン東京「アニミタスII」
6/13-11/17 12時〜20時