復元工事中の新国立競技場を見ることができた見学会「フィールド展望」(スタジアムツアーへ企画変更)

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新国立競技場の「フィールド展望」

東京オリンピック2020が終わり霞ヶ丘の新国立競技場は原状回復の工事に入っていて、その休工日に「フィールド展望」という競技場内の見学会を開催していました。

今回の東京オリンピックでは陸上などの競技が開催された新国立競技場ですが、今後はサッカーがメインになります。そのための ”原状回復”(要するにサッカー競技用にする)の工事が必要なんですね

この原状回復工事は2022年3月までで、その工事期間中の休工日を利用してその日に「フィールド展望(The field observation)」が開催されていました。

その「フィールド展望」は2022年3月で終了し、2022年4月から2024年3月末までの予定で「国立競技場スタジアムツアー」という新しい企画がスタートしています。

この記事では「フィールド展望」の様子をレポートします。あたらしい「スタジアムツアー」ではフィールド展望に加えロッカールームなど見学できるエリアが増えているようなので、それも楽しみですね。

▲「フィールド展望」に参加してみました。

参加するにはフィールド展望の予約サイトから申し込みます。予約開始はフィールド展望の開催日の5日前から。例えば開催日が日曜日なら5日前の火曜日0時から申し込みが可能です。料金は大人一人1,000円。詳しくは予約サイトの情報を御覧ください。

これまで国立競技場を外から見ることしかできませんでした。麻布ガイドでも「おすすめ見学ルート」や「交通規制情報」や「キラー通りや国立競技場周辺のカフェ」といった記事で紹介してきた新国立競技場ですが、今回は念願の新国立競技場内部の見学です。

この時点では陸上トラックが残る新国立競技場を見られる最後のチャンスかもしれないという状況でした。でも結局陸上トラックは残し、サッカーと陸上競技のどちらも開催できるスタジアムとなります。
(もともと陸連には  ”サブトラックがない競技場では国際競技大会は開催できない” というルールがあったのですが、今回そこに ”ただし五輪開催実績のある競技場は除く” という一文を追加しで国立競技場でも陸上の世界大会を開催できるようにしたそうです)

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フィールド

今回見学できるのはスタジアムの最上段3階スタンド(の一部)になります。

▲3階スタンドの入口からフィールドを見下ろしたところです。真下が2階スタンド、その先が1階スタンド、そしてフィールドです。

フィールド中央の芝生は夏芝から冬芝への張り替え中で、芝生がありません。

また既に陸上トラックのホームストレート(向かって右側)は壊され重機が入って作業を行っていました。

見学は3階スタンドの最下部の辺りですが、それでもトラックが近くに見えますね。

▲この日は雨だったのでフィールドは雨に濡れていますが。スタンドは大屋根があるので全く濡れることはありませんでした。

観客席数は60,000。古い国立競技場よりざっと1割増しくらいですね。やはりこうして目の当たりにするとそのスケールに圧倒されます。

海外でもいくつか大規模スタジアムを訪問したことがありますが、それらと比較しても遜色ない規模のスタジアムです。

▲こうして引いて見ると大きな屋根とすっぽり空いた空間が分かります

開閉式にしておけばコンサートや他の競技でも流用できたのになぁ。

▲これは出口からフィールド内を振り返ったところ。

向こうに満員のスタンドとフィールドが見えるこの通路は絶好の撮影スポットなので、見学に行ったときは忘れずに記念撮影しましょう。

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スタンド

今回の「フィールド展望」見学会では、3階スタンドの北側(千駄ヶ谷門側)スタンドが開放されています。

▲メインスタンド側の様子です。

2階の右のところが貴賓席ですね。

▲客席の椅子は白色/緑色/若草色/薄茶色の4色のものがランダムに配置され、遠目には空席もお客さんが入っているように見えるので有名ですね。

これは無観客で開催された東京オリンピックでは怪我の功名というか最初から無観客を想定していたかのように効果を上げました。今後はこれがスタンダードになるかもしれないです。▲サッカーのゲーム中は気になってしょうがないこの45分時計。これもすぐそばで見ることができます。

また4色の客席の各色もこれでよく分かると思います。

座面も背もたれも薄く座り心地はあまり期待できなさそうなシートです。

また椅子の幅も、隣の席との間隔とも狭いです。完全に日本人仕様です。ちょっと大柄な人は本当に肩身の狭い思いをするかも。

見学可能エリアの椅子は座ることでもきるので試してみてください。

▲スタンドの見学エリアはここまで。このオシャレなベルトの先は立入禁止です。

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大屋根

まったく支柱のない大屋根も気になります。

▲全く支柱がないのでフィールドへの視界を遮るものがないのはいいですね。

それにしてもこの巨大な屋根をどうやって支えているのか気になります。

またこの写真で屋根にぶら下がっているハシゴのようなもの、これはおそらくメンテナンス用の足場になるのでしょう。両サイドスタンドに付いていたので移動して半周しながらメンテナンスするのだと思います、

▲大屋根をよく見ると鉄骨と木材のハイブリッド構造。

ここにも木材を使うところが設計を手掛けた隈研吾のこだわりなのでしょう。

▲基本的な骨格は鉄骨、補強材として木材を使っているのかな。

荷重は分散させながらスタンド背部の基礎部分で支えているようです。

コンピュータでアクロバティックな構造もきちんと設計できるようになったからこその大屋根ですね。たぶん1964年の東京でこんな構造設計はできなかったと思います。

▲でもそうした技術の結晶があって見やすく快適な客席、スタンドになった訳です。

2021年の日本の建築・土木技術の頂点としてやはりこれは将来に残る ”レガシー” でしょう。

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新国立競技場の建物

フィールドとスタンドそして大屋根を堪能したら次は新国立競技場の建物もじっくり見てみます。

▲新国立競技場の建物を見上げたところです。

日本の庇(ひさし)が三重になっているのは三重塔や五重塔を参考にしたからだそうです。でもでよくみる庇というより二重の屋根に裳階(もこし)が付いているようにも見えますね。

どちらにせよ和のテイストを出したい隈研吾のこだわりなのでしょう。

ちなみに左に見えるガラスの建物がチケット売り場です。

▲競技場内の天井も各所にこのような木材が使われ隈研吾を強調しています。

ただ本当ならもっと隙間を狭くしてギッシリ詰めたかったんじゃないかなぁ。

▲こういいうところも隙間だらけ。100年に1回作るかどうかという施設なんだから、もっと予算たっぷりでも良かったのに。

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▲今回の「フィールド展望」のスタジアムツアーの受付は千駄ヶ谷門1ヶ所です。

でも、新国立競技場の敷地には開いているどの門から入っても大丈夫です。結局ぐるっと回って千駄ヶ谷門まで行かないとなりませんが。

その代わり外からじっくり競技場を見ることができます。

▲これは千駄ヶ谷門側の2階からの光景。

隈研吾の新国立競技場、その向こうに槇文彦の東京体育館、そしてその向こうドコモタワーでさらにその先に新宿の高層ビル群。

▲これは4Fのフロアからの光景。というか向かいの「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」しか見えませんね。

でもこのホテルからは新国立競技場が正面に見えるのです。「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアと国立競技場」でも紹介したように、ホテルの屋上には雑誌「CASAブルータス」で嵐の櫻井翔さんが国立競技場を眺めたスポットがあります。

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フィールド展望スタジアムツアー

「フィールド展望」というスタジアムツアーの様子もレポートします。

”スタジアムツアー” という名ですが別にガイドさんが付いたりするわけではなく、指定した時間帯に訪問して勝手に見学可能エリア内を見て回るスタイルです。

子ども連れ、乳幼児連れでもまったく問題ありません。とうぜんベビーカーもOK、車椅子などサポートが必要な方も対応してもらえます。

▲見学エリアマップです。

エレベーターで4Fに上がるとそこは3階スタンド。

最後はエレベーターで戻るか階段で降りることになります。

▲千駄ヶ谷駅か大江戸線の国立競技場駅から歩いて ”千駄ヶ谷門” へ。

▲チケット売り場で予約した名前を伝えて発券です。

予約完了メールにはQRコードを見せるようにと書いてありましたが、現場にはQRコードリーダーがなく目視で名前確認でした。

▲入場料1,000円にはノベルティが含まれています。

今回いただいたのはポストカードと新国立競技場のキャラクター ”すたじろう” のシール。それとボールペンと除菌スプレーでした。

▲その他注意書きです。

滞在時間は60分までという制限がありましたが見ていたところほとんどの人は30分以内で見学を終わらせていました。

私たちは見学可能エリアに60分、競技場外周を45分くらいでしたので、スケジュールはどんなに長くても2時間あれば十分だと思います。

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スタンドに入る手前にはブースが2つあって記念撮影など行うことができます。

▲こっち側はサッカーブース。

サムライブルーのユニフォームの展示などもありましたが、記念撮影はやっぱりこのベンチのシート。

コーチや控え選手が座っているあのシートです。

たぶん生まれ変わった新国立競技場にはこのシートが常備されるようになるのでしょう。

監督になった気分、交代させられて悔しがる選手になった気分で記念撮影をしてみましょう。

▲こちらは陸上ブース。

表彰台とスターティングブロックがありますが、やはり人気は表彰台ですよね。

敗者をリスペクトしつつ喜びを爆発させたポーズを決めたいです。

▲あとこうした芝生の説明とか、競技場の解説パネルや映像などもあるので勉強になります。

▲スタンドのエリアに入ると最初に目に入るのがこのスマホ用の撮影スタンド。木製の競技場リスペクトな撮影台です。

しかも撮影用のライト付き!

▲階段の前に立つとライトアップされるように調節されていますしスマホ用の撮影台もあるので、二人でここに立って記念撮影ができます。もうレフ板や女優ライトを持ち込んで撮影する必要もありません。

アスリートとインタビュワーによるインタビューシーンを想定しているようなので、そういうポーズを取るとなお良いみたいです。至れり尽くせりですね。

動画でもツアーの様子を用意しました。

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競技場の敷地内散策

フィールド展望の見学エリア内を見学したら、次は競技場の敷地内も見学してみましょう。

なお休工日(要するに日曜祝日)なら施設内の外構部はいつでも誰でも入場できるようです。敷地内をジョギングしている人もいるくらいですから。

▲青山門のところの1964年東京オリンピックの聖火台。

オリンピックミュージアムにも3/4スケールのレプリカがありますがこちらは本物です。その代わり触れたり間近に見ることはできません。

▲施設内の詳しいマップはこちらです。

スタジアムツアーでも配布していましたが、国立競技場のサイトからダウンロード(PDFが開きます)することもできます。

▲国立競技場のオフィシャルショップもあります。

これは1階のHゲートのところ。誰でも立ち寄り可能です。

もう1ヶ所は4Fで、そちらはフィールド展望に参加した人だけが利用可能です。品揃えはどちらも同じようでしたが。

どちらの店舗も営業日が限られているので、購入したいものがあれば事前にホームページで確認してください。

▲オリンピックの時にも話題になった富士山。

今でも立ち入り禁止エリアとを分けるフェンスに残っています。

▲外苑門から見た新国立競技場の全景。全景ショットはこの方角からだと上手く収まるようです。

東京オリンピックの思い出としてまた偉大な建築物として、中からも外からも見て興味深い新国立競技場です。スケジュールが合えば東京オリンピックの時の姿が残っている今のうちに見学しておきたいですね。

また、フィールド展望のスタジアムツアーの後はすぐ近くの「オリンピックミュージアム」も併せて見学すればさらに面白いと思います。

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1964年東京オリンピック

新国立競技場の施設といえば施設なのですが、外苑西通りには前回1964年大会のモニュメントが残されています。

▲1964年東京オリンピックの金メダリストの銘盤です。

▲ずらーと並んでいますね。

その先には1991年の世界陸上の優勝者銘盤が続いています(カール・ルイスが100mで世界新、マイク・パウエルが8m95という今も残る世界記録を跳び、谷口浩美がマラソンで優勝した大会です)。

さらにその先には1967年のユニバーシアードの優勝者銘盤もあります。

TOKYO 2020の金メダリスト銘盤も付け加えられるのでしょうか。

▲また外苑西通り沿いにはこのようなせせらぎも流れています。

当面は2020年10月と11月しか見学のチャンスはありません。東京オリンピック2020で使われたトラックが残る新国立競技場はぜひ見ておきたいですね。

またその際には競技場周辺を散策したりオリンピックミュージアムを見学したりするのもどうでしょう。

国立競技場

新宿区霞ヶ丘町 10-1

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