ON OUR WAY HOME
代官山の貸しスペース、アップステアーズギャラリーでウクライナ出身の写真家Iryna Myronenko(イリナ・ミロエンコ)の写真展「ON OUR WAY HOME」が開催されています。
会期は2023年2月15日(水)から2月19日(日)まで。
ウクライナから逃れざるを得なかった、様々な事情を抱えた11の家族のストーリーをそれぞれ10枚の写真で伝えようという写真展です。
▲日本財団のボランティアセンターが主催したポーランドへのボランティア派遣に参加したメンバーたちが企画した展覧会だそうです。
ウクライナ避難民の悲惨さ・・・という紋切り型の捉え方ではなく、そうした状況での人や家族の強さを訴えかけてくる写真の数々です。会期は短いですが料金は無料。この週末に足を運んでみたい写真展です。
写真展の様子
もともとはIryna Myronenkoがポーランドの、クラクフ(Kraków)の、ガリシア・ユダヤ博物館で、2022年6月から開催していた写真展「ON OUR WAY HOME」です。”Refugees” ではなく on our way home(家に帰る途中) とポジティブに捉えているのも良いです。
それにしても、ウクライナ出身の写真家が戦禍を逃れて来たウクライナの人々を撮った写真展を開催した場所が、東欧ユダヤ人の中心地でゲットーも存在したクラクフのユダヤ博物館。迫害され抹殺されてきた人々の暗い歴史を持つ土地で、この21世紀にもしかしたら殺戮されていたかもしれない人々の写真展という、その歴史のめぐり合わせというかストーリーにもくらくらします。
クラクフだけでもウクライナから17万7千人も逃れてきたのだそうです。
▲その写真展を現地で見た日本からのボランティア学生たちがクラファンなどを行って開催にこぎつけたのが今回の写真展「ON OUR WAY HOME」です。
展示されているのは11の家族。
身体に障害を持つ子どもとその母親、妹のために常に笑顔でいようとする18歳の少女などなど、簡単な説明文だけでも様々な事情が伺える11の家族。
残り9枚は小さなサイズでまとまって展示されていますが、でも1枚の写真から伝わる感情の総量はサイズでは決まらないですね。▲左の女性はハリキウ出身。国境直前の50kmを自動車を押しながら避難を続けたそうです。
右の女性と5人の子どもたちは東部のセヴェロドネツィクから。最後避難列車のチケットを手に逃げてきたそうです。
▲悲惨な状況を体験しながらも、それぞれの未来を想い夢を持てるからの笑顔なのでしょう。
ウクライナ避難民の写真展ではあるけれど、普遍的な人と家族の物語の写真展でもあって、1枚1枚じっくり見ておきたい写真ばかりです。そして On our way home、家に帰る途中というタイトル通り、この家族たちがウクライナの我が家に帰れることを願うばかりです。
写真や家族たちの解説は展覧会場に日本語訳したものがあるみたいです。でも、Iryna Myronenkoのサイトにも英語で掲載されているので事前に目を通しておくと良いと思います。
アップステアーズギャラリーへのアクセス
代官山の駅から恵比寿方面へ歩いてシティ・ベーカリーCITY BAKERY代官山の角を左に曲がり、100mほど行ったフレンドリーカフェのビルの2Fです。
階段を上がった2階がアップステアーズギャラリーで、ON OUR WAY HOMEは2月19日(日)まで。料金は無料です。
ON OUR WAY HOME展 基本情報
イベント名 | ON OUR WAY HOME |
会場 | 代官山 アップステアーズギャラリー |
会期 | 2023年2月15日(水) 〜 2月19日(日) |
開館時間 | 11:00 – 18:00 |
予約 | 不要 |
料金 | 無料 |
撮影 | 撮影可 |
代官山 アップステアーズギャラリー 基本情報
住所 | 渋谷区恵比寿西2-18-6 |
最寄駅 | 代官山駅、恵比寿駅(徒歩10分) |