恵比寿には恵比寿ガーデンプレイスに東京都写真美術館や恵比寿ガーデンシネマがあるので、恵比寿のアートスポットってガーデンプレイス?と思うかもしれませんが、ちがうのです。
今回は恵比寿のコンテンポラリーなアートスポットNADiff a/p/a/r/tのご紹介です。
ナディッフのはじまり
NADiff a/p/a/r/tは、池袋にあった西武美術館で「アール・ヴィヴァン」というショップを運営していた西武百貨店の子会社ニューアート西武が原点です。
西武が文化活動事業からの撤退を決め、ニューアート西武を解体することになったので、新しい会社を作ったのが現在のナディッフです。
働く従業員も業務内容もそのままだったので、名前も今までの「ニューアート西武」に因み、ニューアートを頭に、目的は「広める活動」=diffusion(普及)ですから、New Art Diffusion(ニューアートディフュージョン)略して「NADiff」という社名となりました。そして、1997年に新会社の本店として、表参道にショップをオープン。
ただ現在はCCCカルチャーコンビニクラブのグループ会社になっています。
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恵比寿へ移転
表参道のビル取り壊しに伴い、2008年に恵比寿へ移転してきました。
このNADiff/a/p/a/r/t への行き方、実は道順がちょっと難しいのです。
興味を持って行ってみよう! と思った方、この記事を最後まで読んでくださいね。
鳥居のイメージ
店舗入り口の赤い柱は鳥居のイメージなんだそうです。確かにそう言われて見ると鳥居ぽいですね。
鳥居だけでなく、実はこの建物色々なこだわりがあるようです。それは現地に行って確認してみて下さいね。
例えば最近は一般ニュースなどでも話題になっているバンクシーらしき作品。
NADiffに ”バンクシーかもしれない絵” が描かれています(たぶん違うと思いますが)
3つのギャラリー
恵比寿に移転した当初はナディッフ以外に3つのギャラリーと1つのカフェが入っていましたが、現在はカフェだった4Fはオフィスとなり、2Fに移転当初から入っているG/Pgalleryと10周年を記念してオープンしたばかりのSgùrr Dearg Institute for Sociology of the Arts(スクールデレック芸術社会学研究所)、3FにMEMの3つのギャラリーが入っています。
▲入り口のガラスにも各ギャラリーが書かれています。
▲中に入ればさらに詳細なフロアマップも。
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NADiff Gallery
そして、地下にはNADiff直営のNADiff Galleryがあります。
▲ギャラリーへは店内奥の螺旋階段から入ります。
▲窓のない小さい空間ですが、先鋭的な展覧会を常時開催しています。
これは田中麻記子の作品ですね。
▲2018年7月に開催していたChim↑Pomの展覧会の時は、1Fの床、すなわち地下の天井に穴を開けてそこから水を流すというびっくりなインスタレーションを行っていました。
ただ、それも会期中はずっと流し続けられなかったようで、残念ながら私が訪れた日には水は止まっていました。
ちょうど同時期に竹橋の国立近代美術館で開催されていた「ゴードン・マッタ=クラーク展」を意識したかのような展覧会でした。
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NADiffの店内
ここはNADiffの本店という立ち位置ですから、国内外のアート雑誌、画集、写真集など書籍の種類は日本で一番と言っても過言ではないでしょう。
▲当然ながら大竹伸朗のガチャ景をはじめとしてアートグッズもとても充実しています。
というわけで、ここに来れば4つのギャラリーの展覧会が同時に見られますし、美術書や海外の洋書にアートグッズなど、どっぷり現代美術に浸れる空間となっているわけです。
また、店舗の入り口にはベンチや椅子があり、壁や棚に日本中の展覧会の告知のポスターとフライヤーがあるので、ちょっとしたアートの情報コーナーとなっています。
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各階各ギャラリーの様子
上階の各ギャラリーへはエレベーターでも行けますし、階段でも行けます。
▲3FはMEMgalleryです。
次にG/Pgalleryの様子▼
PR3FはMEMだけしか入ってませんので、迷いようがないのですが、
2FはG/P galleryとSgùrr Dearg Institute for Sociology of the Arts(スクールデレック芸術社会学研究所)の二つのギャラリーが入っています。
階段から上がると手前にG/Pgalleryあり、奥にSgùrr Dearg Institute for Sociology of the Artsなのですが、これがちょっと入りにくい雰囲気です。
入り口側がどう見てもオフィスなのですが、そこは臆せず入っていくと奥にギャラリー空間がありますので、見逃さないようにしましょう。
下記写真のガラス扉を開けて奥へと入って行きます。
スクールデレックでは毎回刺激的な展示が行われているので目を離せません。
なお写真奥の螺旋階段は1FのNADiffと繋がっていますが、施錠されているので使えません。
▲少し前にはケネス・アンガーの映像作品を写真(本人が)にしたものを展示。
▲今なお新鮮で強烈なビジュアルイメージを放つアンガーの作品展なんて他ではなかなか見られません。
2019年5月には欧米の文化を退廃的であるとして弾圧していた50年代ソ連で当局の目を逃れるためにレントゲンフィルムをレコード代わり、つまりソノシートにしてロックンロールやジャズなどを流通させていた ”Bone Music” の展示会が開催される予定です。
NADiffのどこのギャラリーも現代美術の展覧会を定期的に開催しています。
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NADiffへの行き方
NADiffに行くたびに、スマフォを持ってうろうろしている人を見かけたり、はっきりナディッフという店を知りませんか? と尋ねられたりします。
そんなに分かりづらいのかなぁと思っていたのですが、最近その理由が分かりました。Googleマップが案内する経路が間違っているのです。
(最近Googleの経路案内が修正され正しい道順を案内してくれるようになりました)
恵比寿駅からNADiffへの経路を検索すると、このような道順を案内してきます。
でもこの通りに行っても絶対たどり着けません。その道路側にNADiffの入り口はないからです。
まず、恵比寿駅東口からドトールのある五差路の交差点へ出ます。
その交差点のルノワールと酒屋さんの間の道を入り直進。
タコの滑り台のある恵比寿東公園に突き当たったら右折します。この公園沿いの道をずーっと直進します。
▲上の写真のような電柱が見えてきたらもうすぐです。
▲ここから1本目を右折します。右折すると下記のような風景が見えます。
え!?行き止まりじゃないの?と感じても奥へ進みましょう。
そうすると電柱にこんな表記が。それでも不安になるけど大丈夫。
▲第7美晴荘と言うのはかなり古い2階建アパートです。このアパートの隣がNADiffなのです。
▲はい、到着!恵比寿駅から5分ほどです。
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最後の右折ポイントからお店が見えないので見逃しがちなのですが、恵比寿東公園沿いの道をずんずん直進して伊達公子さんのドイツパンのお店、フラウクルムまで行ってしまったらそれは行き過ぎですから要注意です。
最近恵比寿東公園からの道沿いの電柱に掲出されているNadiffの看板が新しくなりました。
分かりやすく ”ナディッフ” とカタカナ表記になり地図も追加されサインも分かりやすいものになりました。
この辺りまで来ると恵比寿駅周辺のざわざわした雰囲気はかなり薄れていて、落ち着いて食事やお茶を楽しめるお店も多くなります。恵比寿みたいな場末はちょっと苦手という方にも足を延ばして欲しいエリアです。
NADiff a/p/a/r/t 基本情報
店名 | NADiff a/p/a/r/t |
住所 | 渋谷区恵比寿 1-18-4 |
最寄駅 | 恵比寿駅、広尾駅 |
定休日 | 月曜日 (当分は月火水曜日定休) |
営業時間 | 13:00 – 19:00 |