表参道のプラダ青山で観る、メディアアートの先駆者ダラ・バーンバウムの新作を含む展覧会

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プラダ青山

ニューヨーク出身でメディアアートの先駆者でもあるアーティスト、ダラ・バーンバウム(Dara Birnbaum)の個展が、ヘルツォーク&ド・ムーロンによる建築が一際目立つPrada Aoyama/プラダ青山店で開催されています

開催期間は2023年6月1日から8月28日まで。夏休み期間も含む長い期間です。その間に表参道を散策するときに立ち寄ってみたいですね。

▲会場となるのは南青山のみゆき通り沿いに建つプラダ青山店菱形格子状のガラスが目を惹きます。

このプラダ青山店ではプラダ財団が主催する展覧会がたびたび開催されています。ハイブランドのメッセとしての展覧会は表参道ではルイ・ヴィトンが有名ですが、プラダの方も興味深い展覧会が行われるのでチェックが欠かせません

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ダラ・バーンバウム展

ダラ・バーンバウムは1970年代にアーティスト活動を始めてから50年以上、ビデオアート、メディアアート、インスタレーション作品を発表し続けている、メディアアートの先駆者の一人です。

▲プラダの店内に入ると目に入るのがダラ・バーンバウム展のポスター。笑顔の女性はダラ・バーンバウムではなくて彼女の作品に登場するアメリカの ”芸能人” です。

この展覧会は入場無料ですし事前予約も不要です。

ただプラダが初めての人は顧客カードに記入し顧客登録を求められます。一度登録しておけば次回以降の来店時にはスムースに入店できるようになりますから、氏名、住所や電話番号といった基本的な情報を登録しておけば良いと思います。

撮影について

プラダの店内は原則として写真撮影は禁止です。

ただし今回の展覧会は写真撮影も動画もOKです。また展覧会場になっているフロアもスタッフの許可を得て撮影しています。

展覧会概要

ダラ・バーンバウム展では彼女の1979年から2021年までの作品4点が展示され、そのうち2点の作品には今回の展覧会のために新たなサウンド作品が付け加えられています。

そして、展示されている4作品はダラ・バーンバウム自身によって鑑賞順序が指定されています。

それでは指定された順番に従って作品を鑑賞してみましょう。

展覧会順路

展覧会場はこれまでと同様にプラダ青山の5Fで開催されています。

エレベーターを降りたらまずは右側の作品から鑑賞しましょう。

Kiss the Girls: Make Them Cry

まずは2チャンネルのビデオインスタレーション作品《Kiss the Girls: Make Them Cry》です。

▲ブラウン管モニターが2台置かれ映像が流れています。

長さは6分50秒。昼間より暗くなってからの方が見やすいかもしれません

ちなみに、これはブラウン管式のモニターです。今はそんなの見たことないという人の方が多そうですが、昔はこういう分厚くて重いモニターを使っていたのです。

New Music Shorts

ダラ指定の2番目の作品は1981年の《New Music Shorts》。

カラービデオ映像と2023年にリプロダクションされたサウンドによる作品です。

▲《New Music Shorts》が展示されているのはメインフロアから一段下がった、商談やミーティング用のスペースです。

写真に見える、映画の宇宙戦争に出てくる火星人みたいなモニターに映像が上映されています。

▲約5分40秒の映像作品と再現サウンドによる《New Music Shorts》。

メディアに流れるダラ・バーンバウム展の記事の多くはこの作品にはチラッと触れるだけですが、作品の背景や映像として残っている内容はあまりに貴重で、ダラ・バーンバウムの本質を垣間見せていて、実はこの展覧会の目玉ではないかという作品です。

中身はパンクの時代と並行してニューヨークで隠れるように花開いたノー・ウェーブ(No Wave)のライブ風景を収めたドキュメンタリー風映像です。

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Bruckner: Symphony No.5 in B-Dur

New Music Shortsが流れる個室スペースと対称になるようにもう一つスペースがあり、そこには《Bruckner: Symphony No.5 in B-Dur》という作品が上映されています。

▲これも《New Music Shorts》と同じようなモニターに上映されています。

という19世紀オーストリア帝国の作曲家アントン・ブルックナーの作品を、表現者がどう解釈するかということを巡る作品みたいです。

 Arabesque

最後、4つ目の作品は北東側の壁面一杯を使って展示されている「Arabesque」。

▲4チャンネルの映像を使い、左から右へ時代を遡りながら物語が展開しています。

テーマはドイツのピアニストで作曲家のロベルト・シューマンと妻で同じくピアニストだったクララ・シューマン。

展覧会場

展示会場になっている5階をもう少し細かく紹介します。

▲フロアはほぼ中央にエレベーターホールがあり、北西側には階段やスタッフ用のファシリティーがあります。

HdeMのデザインを内側から見るハイブランドらしい雰囲気、そして周囲の南青山の風景などを借景にした展覧会です

▲《New Music Shorts》が流れているスペースは座って鑑賞することもできますし、麻布台ヒルズや東京タワーなど遠景も見どころだったりします。

▲このように鏡を使ったまるで映画の世界のような空間もあります。

▲安価な発泡ポリエチレンを使いモーショントラッキングのコンテキストに基盤となるのだそうです。見ても触っても発泡ポリエチレンそのものなのですが、トラッキングデータを得るにはこういう背景素材が適しているのでしょうか

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プラダ青山の場所とアクセス

プラダ青山の最寄り駅は表参道駅です。

▲表参道の交差点からみゆき通りを根津美術館の方へ200mほど、徒歩3分くらいでこの印象的なビルが見えてくるはずです。

クルマの場合も心配無用、建物横の広場のようなスペースは駐車可能です。

プラダの直営店はさすがに敷居が高いなとか感じている方も、こうした展覧会があれば気軽に訪問できますよね。

展覧会を見た後は階段で1Fまで降りないといけないので、フロアごとの様子を見学したり思い切って買い物したり、プラダの世界を楽しんでみましょう。

展示作品はすべて映像作品ですが、どれも10分以内の短いものです。4点全部を見ても30分もかかりませんからショッピングなどの空いた時間を使って鑑賞するのも良いと思います。

会期 2023年6月1日(木)〜8月28日(月)
会場 PRADA AOYAMA / プラダ青山
時間 11:00 − 20:00
料金 入場無料、予約不要

プラダ青山 基本情報

店名 プラダ 青山店
住所 港区南青山 5-2-6
最寄駅 表参道駅
定休日 なし
営業時間 11:00 – 20:00
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