「BRUT」 南青山のアニエスベーで開催中の日本人アール・ブリュット作家たちの展覧会

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AGNÈS B. GALERIE BOUTIQUE

フランスのファッション・ブランド「AGNÈS B. (アニエス・べー)」。その青山本店の2階は「AGNÈS B. GALERIE BOUTIQUE」というギャラリーブティック、つまりアートギャラリーになっています。

2022年の2月から4月にかけての展覧会は「BRUT(ブリュット)」。名称からわかるとおりアール・ブリュット(アウトサイダー・アート)の作家たちの展覧会です。

▲2020年の秋にフランスで開催された「ART BRUT JAPONAIS」展で日本のアール・ブリュット作家たちの作品に触れ感銘したアニエスベーが、その時の作家たちの作品を地元の日本で展示・販売するのが今回の展覧会です。

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BRUT

アール・ブリュットとアウトサイダー・アートは厳密には定義が違うみたいなのですが、要するに正規の美術教育を受けていない作家の作品です。

ただ日本では幻視者や精神的あるいは知的な障害を持つ人という側面ばかりが強調されています。が、本当はもっと幅広い意味を持っています。

▲これはBRUTのキービジュアルにもなっている菅原康匡の作品。

細いボールペンを使って描かれています。

菅原康匡は練馬区在住の50歳。日中はパン工房で働いていたり陶芸を行っているそうです。

▲これは覆面レスラーをモチーフにした作品。

作家の吉川ケンジは主に覆面レスラーを描いています

▲壁にズラッと並んでいるのは吉川ケンジと秋本和久のユニット「ケンジ&カズヒサ」の作品。

覆面レスラーが吉川ケンジ、書き込まれた文字が秋本和久という担当みたいです。

▲ここに並んでいる作品はLPレコードのジャケットを模しているのです。しかもご丁寧に薄いビニールでシュリンクラップまでされています。

左側のはローリング・ストーンズの「Some Girls(女たち)」ですね。他にもマッドネスとかラモーンズとか並んでいます。

▲人や動物などがほぼ規則正しくぎっしり詰め込まれるように描かれた作品。

作者は和歌山県紀の川市の社会福祉センターで生活している宮本悠衣。自閉症のためオーラルでのコミュニケーションがうまくできないけど、イラストを描けばこの通り。

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▲これは埼玉県在住の森川里緒菜の作品。

青色が好きなので、青いペンで画用紙に思いついたことや出来事や数字などを書いた作品。

▲同じ森川里緒菜の作品。

画用紙に青いペンで線が引かれている・・・ように見えますが彼女の中ではこれは電車なのです。

▲埼玉県在住のコバヤシカオルの作品。

広告チラシに描かれています。公園通りギャラリーのおかんアートにも広告チラシで作品を作っていたアーティストがいましたね。

この作家のモチーフは映画ポスター。絵柄はいわゆるヘタウマ系で昔のリリー・フランキーもこんな感じで描いたような気がします。

出演者の部分は作者が好きなタレントや歌手の名前に置き換えられているので、あの映画のポスターかな? と思って見ると出演者が違ってあれっ!? となるのが面白いです。

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立体作品たち

一つ一つ見ていくと大変なので立体作品たちは駆け足で。

▲藤沢市在住の宮川祐樹の作品は電車。

フリーハンドでイメージした電車にカッティングし、着色して作るそうです。

▲ずらっと並ぶ電車たち。

相当に鉄分が高そうで、どれもこだわりがある車両みたいです。

▲東京の和氣知美の作品。

糸や毛糸の切れ端を結んで制作されています。すごい色使い。

▲地図と演歌を愛する大分県豊後大野市の秦亮太朗の作品は大分市の地図。

鉄道の路線図を中心に大分市内の主だった施設をその時の気分で描いているようです。

また日付(時には制作時刻)とその日の天気、ちょっとしたメッセージなども一緒に描かれていて、一種の記録にもなっていました。

▲何枚かまとめてみるとまた違う味わいですね。

▲洋服をデザインした作品。

左は渡邊直貴、右は木村頌吾の作品でふたりとも仙台在住です。

▲木村頌吾の作品の密集度が凄いです。

絵柄から推測すると、これは屋外フェスとかスタジアムでの演奏者と観客ではないでしょうか

▲13人のアーティストが並んでいて、しかも障碍を持つ人が頑張ったというレベルを超えた作品たちなのでこれは密度の濃い展覧会です。

春になってレベルの展覧会が目白押しになっていますが、ここも忘れずにチェックしておきたいです

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過去の展覧会

アニエスベーでの過去の展覧会の様子は以前も紹介しました。

▲これは2021年の年初から春先まで開催していた「AGNÈS B. 5 DAYS IN MOSCOW IN 1987」の時のもの。

アニエスベーがソ連邦末期の1987年にアニエス・ベーが5日間モスクワに滞在した時に撮影した写真です。

▲いつも難しい顔をしているレーニン

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AGNÈS B. GALERIE BOUTIQUEの場所

アニエスベー青山本店の2階です。

表参道の交差点から青山通りを渋谷方面を向かい「スパイラル」の先の路地を入って「レジュ・グルニエ」などを過ぎて100mほど。向かいは「カフェ・マディ」です。

▲アニエス・ベーというデザイナーの趣味や思想が色濃く反映されたギャラリーです。

ファッションブランドのおまけのギャラリーとするには勿体なくて、いつも展覧会の内容をチェックしておきたいですね。

BRUT 基本情報

名称 BRUT
会場 アニエスベー ギャラリー ブティック
会期 2022年2月25日(金) 〜 4月17日
開館時間 11:00 – 20:00
観覧料 無料

AGNÈS B. GALERIE BOUTIQUE 基本情報

施設名 AGNÈS B. GALERIE BOUTIQUE
住所 港区南青山 5-7-25
最寄り駅 表参道駅
定休日 なし
開廊時間 13:30 – 20:00 (11時オープンの場合もあり)

 

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