Pioneer the Possible展
COP26の開催に合わせたスウェーデン大使館主催の展覧会「Pioneer the Possible」が六本木のスウェーデン大使館で開催されています。
COP26は既にニュースなどでもさんざん報道されているように「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」の略称。地球的規模の気候変動対策を協議する国際会議で今回はイギリス・スコットランドのグラスゴーで開催されています。
首脳会議は既に終わっていますがCOP26という会議自体は11月12日まで続いています。
▲この展覧会はパリ協定を達成するためのスウェーデン政府の取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)のためのスウェーデン企業の取り組みなどを紹介する展覧会になっています。
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COP26 / SDGsと スウェーデン
スウェーデンは二酸化炭素の排出量が世界で最も少ない国の一つですし、70年代から環境問題を重視した政策、そしてSDGsにおいても優等生な国です。
▲この展覧会はそんなスウェーデンの地に足がついた取り組みを知ることができる良い機会だと思います。
声の大きなアクティビストについ引きずられてしまいがちですが、本当の改革は深く静かに進んでいるんですよね。
▲会場のスウェーデン大使館ベルイマンホールの片隅に積まれたSDGsの17の目標。。
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展覧会の内容
スウェーデン政府やスウェーデンの企業の気候変動やSDGsに対する取り組み、目標などを紹介するパネルが展示されているものです。
▲ファッション業界のCO2排出量の多さが問題になっている中で脱炭素なファッションへの取り組み、3Dプリンターを駆使した家造りをすることで(CO2を排出する)コンクリート使用量を削減する取り組みなどを紹介しています。
全ての製品を循環型製品にするのが目標だそうです。
そこで鉄鋼については2026年までに脱化石燃料の鉄鋼生産を、セメントは2030年までのカーボンオフセット・ゼロを目標にするそうです。
日本の企業も当然こうした取り組みはしているので、もっと全面に出してアピールすれば良いのに思いますね。
▲”Carbon Neutrality and a Better Life for All”
こういう分かりやすいキャッチフレーズは大事ですね。
▲一見こうしたボードがずらずら立っているだけの簡単な展覧会のように見えますが、一つづつのボードを見て理解しようとすると結構時間がかかります。
全部をしっかり見れば30分近くかかるかもしれません。
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大使館内とベルイマンホール
展覧会「Pioneer the Possible」が開催されているのはスウェーデン大使館内の ”ベルイマンホール”。
スウェーデンでベルイマンという名が付けば誰もが映画監督のイングマール・ベルイマンだと思いますよね。
椅子、テーブル、テーブルの上の小物など北欧感が満載。
いきなりこんなオシャレな空間がお出迎えですからね。
この奥はすぐにベルイマンホールです。
もちろんスウェーデン製です。
ゴミを適当に放り込むと圧縮してくれるコンパクタータイプのゴミ箱です。いちいち分別して選別して環境負荷をかけるよりこうして圧縮して捨てた方が合理的だし負荷は低いんじゃないかな〜。
ベルイマンホール
スウェーデン大使館ではそう頻繁ではありませんが一般公開するようなイベントを開催しています。
そんな時はたいていベルイマンホールが舞台です。
(広い庭を使ってスウェーデンの自動車メーカーが展示会することもありますね)
▲そのなイベントやパーティー用にちょっとしたバースペースも用意されています。
椅子やテーブルもやっぱりオシャレですね。
ソファーやベンチもスウェーデン製だと思いますが、もしかしてIKEAかも。
いろんな国の大使館にお邪魔したことはありますが、やはりどこもお国柄が出るしアピールポイントがはっきりしていますね。
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スウェーデン大使館の建物
このスウェーデン大使館の建物もかなりユニークな建物です。
▲1991年に完成した今のスウェーデン大使館の建物は建築家のミカエル・グラニートの手になるもの。
上から見ると壁面がぐるーっと湾曲しているのが分かります。ふだん地上から見ているだけではこの形状には気が付きませんね。
太陽の動きに合わせた形状になっていて決して影ができないような設計になっているそうです。さすが太陽が貴重な北欧らしい発想です。
半円形の窓もユニークな形状ですね。
この窓は外側から遊歩道かも見ることができます。
▲ベルイマンホールに隣接してオーディトリウムとテラスがあります。
写真で左手がオーディトリウム(使用中だったので写真はありません)。
窓を抜けて外に出ると開放的なテラスです。
周囲を建物で囲われていて風もないので冬でも日差しさえあれば暖かそう。こういう点も北欧らしいなぁと感じますね。
これも大使館の外からは気が付きませんでした。大使館のどことどこを結ぶブリッジなのか、それとも装飾的なものかもしれません。
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スウェーデン大使館の外観
ちょっとした予備知識を得てから大使館の外観を眺めると、これまでと変わって見えてきますね。
▲泉屋博古館東京とHARIO CAFEの前から見たスウェーデン大使館。
壁面が螺旋を描きながら高くなっていくことが分かりますね。
▲近寄って見ると逆にその湾曲ぐあいがよく分からなくなってしまいます。
ちなみに大使館は8階建て。
大使公邸や職員宿舎も設置されている合理的な建物です。
こちら側から見ると普通に立方体な建物にしか見えないんですよね。
後ろのグリーンのガラスが目立つビルが泉ガーデンタワーです。
敷地的にも余裕がある大使館です。
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スウェーデンと日本の関係
ベルイマンホールにはスウェーデンと日本の関係を解説する史料も展示されています。
▲2018年の日本とスウェーデンの外交関係樹立150周年記念とお互いの交流の歴史。
右上は日本人で最初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹先生。
左上はSASスカンジナビア航空の旅客機。日本では兼高かおるの番組スポンサーとして有名で「SAS」のロゴ入りバッグは憧れでした。
▲最近40年振りのオリジナル・アルバム「Voyage」をリリースして話題になっている「ABBA(アバ)」もスウェーデン出身ですね。どんどこと鈍くさいポップサウンドが70年代にはウケたんです。
ちなみにアバの唯一の日本ツアーは40年以上前に1回だけ。でも覚えているファンがいっぱいいそうですね。
▲国交樹立150周年のSweden-Japan 150。パネルはまだ大使館入口に掲示されたままです。
スウェーデン関連のイベント
今回の「Pioneer the Possible」展以外のスウェーデン関連のイベントも紹介します。
これはスウェーデン大使館のゲートのところに張り出されているもので、今回の展覧会もまずこちらで知ることができました。大使館のホームページより情報が早いことがあるので機会があればチェックしておきたいですね。
▲これはSweden Digital Village、”スウェーデン デジ村” だそうです。
ヴァーチャルスペース的なものですね。
▲”Come closer! Let’s pioneer the possible together.”
スウェーデンからのメッセージです。そのメッセージをさらに知るために大使館へ足を運んで確かめてみたいですね。
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スウェーデン大使館への行き方と入館方法
最寄り駅では地下鉄南北線の六本木一丁目駅です。
3番出口を出てスペイン坂を登り、変則五差路をまっすぐ進んで広い道に出たら目の前がスウェーデン大使館です。
また神谷町からも歩けます。城山ガーデンの中を抜けていけば徒歩10分。いずれにせよ交通の便の良い場所です。
▲今回の展覧会の開催日は火・木・金曜日、時間は10時から12時まで。開催日には写真のようなボードが出ています。
平日開催なので仕事前や合間にちょこっと訪問というのが現実的ですかね。
なお大使館入館にあたっての事前予約などは不要ですし、身分を証明する書類等も必要ありません。
正門ゲートで「Pioneer the Possible展」を鑑賞しに来たと告げればOKです。
スタッフは日本人なのでアメリカ大使館みたいに英語で話す必要はありませんし、携帯電話やカメラなどを預ける必要もありません。
環境先進国と言われるスウェーデンとそこの企業のSDGsへの取り組みや気候変動への考え方などを知る良い機会ですし、COP26が話題になっている今だからこそもう一度自分たちの生活を振り返る機会でもあると思います。
Pioneer the Possible展
会期 : 2021年11月2日(火) – 12月31日(金) (予定より早く終了する場合があります)
会場 : スウェーデン大使館 ベルイマン展示ホール
港区 六本木 1-10-3
開館日 : 火曜日、木曜日、金曜日
開館時間 : 10:00 – 12:00
料金 : 無料
予約不要です。本人確認書類等も不要です。