日本で唯一のベラルーシ料理店「ミンスクの台所」(飯倉) (閉店)

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飯倉のベラルーシ

ソ連時代は ”白ロシア” と呼ばれ、ソ連崩壊後は ベラルーシ共和国となったベラルーシ。

そのベラルーシの料理を提供する(おそらく)日本で唯一のお店が「ミンスクの台所」。

地理的に近いロシア料理やポーランド料理と類似した、でも特徴的な料理をいただけます。

20年ほど前に開店した当時は ”ベラルーシ料理” と言われてもどんな料理なのかさっぱり分からず敬遠していたのですが、一度その美味しさを知ってしまうとリピート必至の貴重なお店です。

2022年5月15日で閉店しました。

またいつの日か、ベラルーシ料理やウクライナ料理などの店として復活することを願って止みません。

▲もう看板も取り外されています。

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ミンスクの台所の場所

以前は六本木一丁目の泉ガーデンと飯倉片町のちょうど中間あたり、麻布通り沿いの行合坂の片町側、麻布小学校の隣にありました。

でも麻布台地区の再開発に伴い2019年になってから飯倉交差点の近くに移転しました。

といっても飯倉も住所的には麻布台なので要するに町内のあっちの端からこっちの端に移っただけです。

▲これは麻布小学校の先にあった頃のお店の様子。

▲こちらは飯倉交差点近くの新しい店舗。
飯倉交差点から外苑東通りの榎坂をちょっと六本木側へ。

以前の最寄り駅は六本木一丁目駅でしたが、移転後は神谷町が最寄り駅になります。
以前紹介した三年坂経由なら六一の駅からも余裕で歩けたんですが、その三年坂も再開発で通れなくなってしまい・・・

▲お店の入り口です。

飯倉交差点側から歩いても六本木側から来てもすぐ分かると思います。

▲こちらは以前の店舗のそのまた隣の、かつてピザのニコラスがあった場所。

ニコラスみたいな有名店はそのうち記事を書けばいいやと呑気に構えていたら、麻布台の再開発に伴い入居していたビルが取り壊されてしまうためあっという間に閉店してしまいました。

かつてロアビルの斜向かいにあった「ハンバーガーイン」で食事としてのハンバーガーを覚え、その先の「ニコラス」でピザとイタリアンを覚えた古い人も多いでしょう。ハンバーガーイン(通称六本木バーガー)は10年ほど前に、そして麻布台にお店の場所が変わったニコラスもとうとう閉店です。(姉妹店は新橋に残っていますが・・・)

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ミンスクの台所のメニュー

とにかくベラルーシ料理と言われてもロシア料理の親戚くらいかなとしかイメージが付きませんよね。ほとんどの人がそうだと思います。

なのでミンスクの店頭には丁寧にメニューが写真付きで掲げられています。

2002年開店ですか旧ソ連崩壊後ずいぶん経ってはいますが、やはり近くにロシア大使館があり旧ソ連諸国関係者が多いのが麻布台で開店した理由でしょう。

▲メニューは一部だけ。

▲これはランチのメニュー。
このボリュームで1,000円というのは場所柄からすると非常にリーズナブルです。
(現在はランチ営業は休止しています)

ディナータイムの店内のメニューにはもっと多くの料理が並んでいます。
こういう馴染みのない料理をいただく時はお店のスタッフに相談しながらというのがベストです。

ミンスクのスタッフは全員女性。見かけはコケイジャンですが普通に日本語が喋れます。気になる料理があったらどんどん尋ねてみましょう。

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ミンスク台所の店内

▲これは移転後の店内。以前と同じようにお酒のボトルがズラッと並んでいます。

けっこう広々とした店内。
ベラルーシのお菓子も同じように売られています。

▲外苑東通りに沿った窓際の席。
すりガラスなので外から丸見えということはありません。

▲これは奥のテーブル席から窓に向かってみたところ。

ちなみに、以下は以前の店内様子です。

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以前のお店の外には ”ベラルーシの家庭料理” というネオン看板が▼ あったのですが、今はなくなっています。

店内に入ると大きなバーカウンターがありました。

向かって右の壁際にはテーブル席が並び、左の店の奥にもテーブル席が並んでいます。

▲写真ではカウンタースタッフの方がメニューを説明していますね。

たいていのお客さんはベラルーシ料理は初めてなので臆せずどんどん質問しちゃいましょう。きっと丁寧に教えてくれると思います。

▲お店の奥の席とレジの様子です。でも基本的にはテーブルチェックです。
ベラルーシの民族衣装を着ている女性がたぶんこのお店を始めた姉妹の方です。

▲お店を訪れた有名人(?)の方の写真がズラリ。ただ日本の有名人ではなく、旧ソ連諸国での有名人らしいです。よく分かりませんでした。

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ビーツが美味しい

ロシア料理に欠かせないビーツ。そして麻布は山信さんのビーツでも有名ですね。

ベラルーシ料理でもビーツは重要な食材のようです。

これは前菜の ”にしんとビーツのサラダ「毛皮のコートを着たにしん」”。一種のサラダのようです。

ボテトやニシンやビーツが折り重なってこれは美味しい!

そしてボルシチ。
ロシア料理の定番中の定番ですが、ここミンスクでもスープの定番です。

スープの中にはよーく煮込まれたビーフの塊がゴロっと入っています。

この写真でアップになっているのは人参でもトマトでもなく、ポテトです。
ビーツの色がポテトの中まで染み込んでまっ赤になっていますが、実はポテト。

ビーツ好きには堪らないオープニングです。

ちなみにボルシチの量は少なめです。小さなスープ皿で出てくるので基本的に1人1皿でオーダーしましょう。

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キエフ風チキンカツレツ

今回は以前から気になっていた「キエフ風チキンカツレツ」をオーダー。

なぜ気になるかというと、”キエフ” はベラルーシじゃなくてウクライナの街ですよね。
(今は ”キーウ” です)

円柱形の揚げ物とマッシュポテトとピクルス。

これが ”キエフ風チキンカツレツ” です。
なお、キエフの名が付けられているのはこれがウクライナ料理だからだそうです。

なるほどベラルーシ料理専門ということではないようです。

ハーブバターを閉じ込めたチキンを衣で包んで揚げてありました。

熱いハーブバターにチキン、それも揚げ物なのに、中身はかなりあっさり。これは意外でした。

ナイフを入れると凄い勢いで中からバターソースが飛び出してきました。

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ドラニキとペリメーニ

続いて「ドラニキ」

ポテトのパンケーキです。プレーンなのとキノコ入りとひき肉入りがあって、写真では分かりづらいですがこれはひき肉入り。

ハッシュポテトに限りなく近い料理ですね、これは。

そして「ペリメーニ」。

ロシア風水餃子と紹介されることも多いのですが、ロシア風もなにも水餃子そのものです。

ユーラシア大陸は広くても結局地続きなので、あっちの料理とこっちの料理が似ているということは普通にありますものね。

デザート

ミンスクでお腹がいっぱいになったら六本木へ戻るか飯倉辺りで2軒目を探すか。

普通は「キャンティ」まで戻ってコーヒーと甘いケーキとなるんでしょうが、今回はミンスクで最後まで。

まずは「シャルロトカ」。

スポンジアップルケーキですね。上の方はスポンジケーキ、下に行くにつれアップルの量が増えていく凝った作りです。そして「ホヴォロスト」。甘い揚げクッキーです。
揚げクッキーなのでちょっと堅いです。

今回は木苺のジェラート付きでした。そして紅茶。

ロシアンティーなので当然ジャムです。りんごジャムです。
ジャムは紅茶の中には入れないで、ちびちび舐めながら紅茶をいただくのがロシア風です。

ちなみにこのりんごジャム、紅茶の付け合せには勿体無いほどジャム単体として美味しい!
ジャムになる寸前の甘くて酸味も残るジャムでした。

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ミンスクのランチ

ランチは開店から14:30まで。
(現在はランチ営業は休止しています)

まずはお約束のボルシチ。

これは ”ジャルコーエ”。うーん、ベラルーシ(というかロシア)の肉じゃがみたいなものですね。

付け合せは ”カーシャ”。そばの実を炊いたものです。

これも定番のロールキャベツ。

スープというより味の濃いソースの中に浸かっています。これとパンがあればお腹いっぱいです。

ミンスクのお土産

料理も美味しければ雰囲気も良く交通の便も良いので、こんなマイナー料理なのにいつも混んでいます。気のせいかランチ営業が終わってからさらに混んでいる気がします。

平日でも念の為予約しておいた方が良いと思います。

これはテーブルに置かれていた民族衣装を着たお人形。

お茶のセットでしょうか。民族工芸品ですね。

そしてロシア風お菓子 プリャニキのベラルーシ版。しかも自家製。
このようにお土産用のお菓子もあります。

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それにしても、どの料理をいただいても美味しくて何度も通って全ての料理を制覇したくなってしまいます。
一度行けば何度もリピートせずにはいられない、麻布台のベラルーシ料理「ミンスクの台所」です。

飯倉交差点の脇なのでまず迷うことはないですが、目印はやっぱりこのノアビルでしょうか。このビルの向かいがミンスクの台所です。

MINSK ミンスクの台所

港区麻布台 1-9-14
定休日:日曜日
営業時間:15:00 − 20:00

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