麻布界隈には高級スーパーしかないようなイメージがありますよね。日進ワールドデリカテッセンとナニワヤの地場スーパー、成城石井やピーコック(もうじき戻ってくる?)などのチェーン店。どれも安さが勝負のスーパーではありませんからね。
そうしたスーパーに個人経営の魚屋さんはほとんど淘汰されてしまいましたが、八百屋さんだけはしっかり生き残っています。
例えばこのブログの人気ランキングでもたびたび上位に顔を出すびっくり屋さんとか。
今回は個人経営の八百屋さんの中でもお買い物をする頻度が高い東麻布の「山信商店」を紹介したいと思います。
東麻布の初音商店街の一角にある 山信さん。
麻布十番のエレ東京の脇の道から麻布通りを渡って道なりに。
狸穴坂を上らずに桜田通りに向かった少し先に50年前から営業している山信さんの店舗が見えてきます。
この写真の右手奥には 「Judy’s Diner」というアメリカン・ダイナーが見えています。
山信さんの向かい側には「Take Ninagawa」。
さらにインド料理の「スーリヤ」やミラノプリンの「トレ・スパーデ」。
なんとなく昔はこの辺りが東麻布の中心部だったのかなぁと思えますね。
この写真で山信さんの向こうに見える赤い看板は一部で有名なホテルものですね。
山信の店頭
いかにも商店街の個人経営の八百屋さんという感じですね。
奥の方に顔が半分だけ写っているのが店主の奥さんです。
山信さんは80代のご夫婦二人で切り盛りしている八百屋さんなのです。
ご主人の方がどちらかということお喋り好きで、野菜の美味しい料理の仕方から東麻布の昔話まで聞けばいろんなことを教えてくださいます。
ダンボールの切れ端に黒マジックで書かれた値札も味があっていいですね。
しかもその値段が安いのです!
昔からこの地で商売をしているので家賃もかからないし、ご夫婦二人が暮らしていけるだけ稼げればいいのでこの値段で出せるのでしょうね。
特筆すべきはビーツ(Beetroot)。
ロシア料理などで使われますが、うちは朝のスムージーに使っています。
最近はビーツを扱うお店も増えていますが、ここまで新鮮で安いビーツは他では見かけません。
日進でもびっくり屋でもビーツは買えますが、品質も値段も山信さんがベストと断言してもよいでしょう。
狸穴坂を上ればすぐロシア大使館ということもあり、本場の方から情報を仕入れていてこうなったのでしょうね。実際、ご主人の語るビーツのうんちくは他では聞くことができません。
野菜はもちろん、季節の果物も安くて美味しいものが揃っています。
それにしても、このみかん280円というのは、この辺りではたぶん一番安いと思います。
見かけと裏腹に、扱っている果物も野菜も、なーんとなくバタ臭いんですよね。
昔ながらの庶民的な日本の果物屋さんのようで、よく見ると外国人好みのフルーツがさりげなく置いてあったり。
ご主人に聞くとやはり外国の方のお客さんも多くいるそうで、その辺でああ麻布の八百屋さんなんだなぁと感じさせます。
こういう八百屋さんなのでわざわざ足を向けることは無いと思いますが、東麻布に行ったついでにビーツを買ってみたりするのもよいでしょう。
昔からの麻布を感じさせる、できるだけ永く続いて欲しいお店です。
山信商店
港区 東麻布十番 2-8-7
定休日:日曜日