麻布地区再開発(麻布台ヒルズ)
神谷町と六本木一丁目の間の高台、通称 ”仙石山”。
森ビルの仙石山タワーができてかなり変貌を遂げている一帯ですが、森ビルの再開発計画「麻布台ヒルズ」によって麻布台から仙石山にかけてさらに大きく姿を変えています。
今回は坂道という視点から再開発直前・直後の麻布台の様子を記録しました。
2023年に麻布台ヒルズが開業し、一時姿を消していた坂道が復活しましたが地名ごと無くなってしまった坂道もあります。
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復活した三年坂
▲麻布台ヒルズの開発で区道としては廃止された「三年坂」ですが、麻布台ヒルズが開業しそれに合わせ坂道も復活しました。
霊友会の建物の脇を進むと三年坂が見えてきます。▲ただ三年坂を上から見たところ。
構造は以前と同じで見違えるほど新しくきれいになっています。
▲三年坂はL字型に折れ曲がっていて、その途中の踊り場から上を見たところ。
スリットが入った建物は麻布台ヒルズの中のインターナショナルスクールの校庭です。
このように三年坂が復活しています。
外苑東通りからこの三年坂を使えば麻布台ヒルズガーデンプラザやガーデンマーケットへの近道になりそうです。
続いてこの辺りの他の坂道やかつてあった坂道を紹介します。
雁木坂(がんぎざか)
飯倉の交差点のコンビニ前から桜田通りではなく宗教団体の聖堂の方に歩き左へ進むとこの雁木坂の下に着きます。
逆に外苑東通りから三年坂へ向かう途中に雁木坂があります。
特に昔からの謂れのある坂という訳ではなさそうですね。
▲坂の上から下を見下ろすと向こうに桜田通りが見えます。桜田通りに出て左側に行けば神谷町、その手前を右に曲がれば飯倉の交差点に出ます。
また、この場所には外苑東通りからかつて「ドゥ・グラン・ブルー」があった建物の隣の路地を入っていっても行き着くことができます。
▲これは麻布台ヒルズが完成する前。この路地の向こうに仙石山タワーが見えています。この景色だけは麻布台ヒルズが完成しても変わっていないのが意外です。
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かつての三年坂
▲これはかつての三年坂。復活後と同じく、人と自転車だけが通れるようになっています。
石柱には「さんねん坂」と刻まれていました。
▲後ろを振り返るとこの路地の様子が分かります。ずっと向こうは外苑東通りでその向こう側がロシア大使館。右手の車止めや赤いコーンは右翼がロシア大使館に押しかけた時に一帯を封鎖するためのものです。念には念を入れてこの辺りまで封鎖しちゃうんですよ。
左側の大きな建物は霊友会の施設です。
▲坂の上と下の2箇所にこのような三年坂の由来が記された石碑が置かれていました。江戸時代から残る古い坂道だということがわかります。
ただ復活後はこの石碑は撤去されています。(そのうち戻ってくるかもしれません)
麻布台が”台地”の端なんだなぁと実感できる展望が広がっていました。
真ん中がスロープ、両端が階段状になっているので自転車でも徒歩でも、雨の日や雪の日でも通行しやすい作りで、交通の要衝として機能していたことが分かります。
以前は近隣の人口が減っているて通行量はかなり少なかったのですが、麻布台ヒルズが開業してどうなるか興味があるところです。
三年坂の全貌はこの通り。
麻布台の端なので距離に対して標高がある急坂ですね。
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再開発直前
三年坂の下から霊友会の裏を通って桜田通りに出るまでの一帯は、長い期間をかけ森ビルによる買収が進み、写真のようにデベロッパー管理になっている空き家や空き地が目立っていました。
落合坂と行合坂
三年坂を下りて四つ角を左に曲がると「落合坂」。かなり平坦なのであまり坂道らしい感じはしませんでしたが、この落合坂は麻布台ヒルズが完成したことで姿を消しています。
その代わり落合坂があった辺りに無名の道路ができています。
そして落合坂を進んで麻布通りに出た辺りが「行合坂」です。
かつてピザの「ニコラス」があった辺りと言えば、あああそこかと分かると思います。
稲荷坂
▲三年坂を下って真っ直ぐ進みち「稲荷坂」がありました。
遠くからはここも行き止まりのように見えますが、”東京ガーデン” という花屋さんの前で急に左に折れているのが分かります。
三年坂には立派な石碑が2つもあったのに、なぜか稲荷坂には見慣れた港区の木製の標識がありません。
ちょっと不憫な稲荷坂です。
▲かつての稲荷坂を登りきって振り返ったところ。
右側の細く下っている道が稲荷坂、左側の大きな道は仙石山タワーまでをぐるっと回る道路です。
この辺りは麻布台ヒルズのガーデンプラザに変貌しています。
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仙石山
▲稲荷坂を登ったあたりはラフォーレ六本木があり、六本木ファーストビルがあったりします。
六本木ファーストビルには原子力規制委員会が入居していて、一時期は警備体制がすごったのです。今はこうやって写真を撮っても何も言われない程度に落ち着いていますが。
ここまで来るとすぐ向こう側は泉ガーデン。
つまり南北線の六本木一丁目駅です。ということはその隣は赤坂アークヒルズ。
飯倉と六本木一丁目の間は慣れていないとどうやって移動しようか悩んでしまいそうですが、こうやって三年坂と稲荷坂を使えば徒歩10分もかかりません。ということは、東京タワーと六本木一丁目駅の間も徒歩15分なんですね。
東京タワーの最寄り駅というと、三田線御成門駅、大江戸線赤羽橋駅それか日比谷線神谷町がよく知られていますが、グーグルマップのルート検索にも出てこないこのルートなら浜松町や大門から歩くよりは近いはずです。特に南北線利用の人には便利ですね。
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2019年の三年坂
虎ノ門・麻布台地区の再開発が始まり街の様相が大きく変わり始めたころの記録です。
▲まずは今までの三年坂への道。2018年6月撮影です。
▲そしてこちらが2019年6月撮影。白い塀が建てられ三年坂へは近づけなくなっています。
▲近づいてみると区道廃止のお知らせ看板がありました。
あの坂道は2019年6月7日で法律的には存在しなくなったのです。
▲背伸びして塀越しの様子を撮影してみました。
まだあの特徴的な三年坂自体は残っています!
法律的にはないことになった坂道ですが物理的にはまだ存在しています。
▲でも再開発の工事は順調に進んでいるようですし、稲荷坂も同様に通れなくなっています。
▲再開発の概要です。
三年坂と稲荷坂そして落合坂の区道が廃止になりました。
2023年、ここにノーマン・フォスター設計の64階建て325mの日本一の高層ビルが建ちました。
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