オラファー・エリアソンの《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》
2023年11月24日(金)に話題の「麻布台ヒルズ」が開業。連日新しもの目当てのお客さんで大賑わいのようです。
麻布台ヒルズは六本木ヒルズと同様に ”文化” を一つのコアとしていますから、六本木ヒルズに森美術館があるように、麻布台ヒルズにも「麻布台ヒルズギャラリー」という文化発信拠点があります。
そのこけら落としとしての開館記念展《オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》が開催されています。
その開幕日、つまり麻布台ヒルズの開業日に訪問してきました。
▲オラファー・エリアソンはアイスランド系デンマーク人である、気候変動などの社会的課題への積極的な取り組みでも世界的に注目されているアーティストです。
エコロジー、SDGsや社会的多様性といった新しい未来の街を目指す森ビルと麻布台ヒルズにぴったりなアーティストして選定されたのだと思います。それにSNS映えする作品も多いですし。
《オラファー・エリアソン展》の会期は2023年11月24日(金)から2024年の3月31日(日)まで。話題の麻布台ヒルズを見物に行くなら併せてみておきたい展覧会です。
この記事ではこの《オラファー・エリアソン展》の見どころや注意点を紹介します。
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《蛍の生物園》
会場の最初に目にするのが《蛍の生物園》。吊り彫刻シリーズの一部です。
▲光を発する多面体が回転しています。多面体そのものを鑑賞したり、周囲の壁に映し出される影を鑑賞したり。
高い位置で回転しているので多面体の下に入って鑑賞することもできます。
《ダブル・スパイラル》
次の部屋の作品をいくつか紹介します。
▲《ダブル・スパイラル》。
メビウスの輪のように一筆書きで繋がったらせん状のパイプがゆっくり回転しています。
これもパイプとそれが作り出す影を愉しむ作品ですが蛍の生物園と比べるとミニマリズム的です。
《呼吸のための空気》
この《オラファー・エリアソン展》は、麻布台ヒルズ森JPタワーのオフィスロビーに展示されているパブリックアート《相互に繋がりある瞬間が協和する周期》を発展させたものという位置付けのようです。
▲《相互に繋がりある瞬間が協和する周期》とこの《呼吸のための空気》は同じ鉱山から回収された亜鉛廃棄物をリサイクルして使用していて、まさにサステナビリティを体現するかのような作品です
さらに4つのファンが実際に動いていて、視覚だけなく空気の流れなどを体感して鑑賞できる作品にもなっています。
《「オラファー・エリアソン:想像力を擁する砂漠」からのドローイング》
《呼吸のための空気》の後ろに見えているのが《「オラファー・エリアソン:想像力を擁する砂漠」からのドローイング》という作品。
▲円形の作品が6点並んで展示されています。
これは2023年の3月から10月にかけてカタール国立博物館で開催されていた《オラファー・エリアソン:想像力を擁する砂漠 (Olafur Eliasson: The Curious Desert)》展のために設計・製作されたドローイングマシンが制作した作品です。
特定の場所と時間などの環境を表す「肖像画」なのです。実際の制作の様子はこちら↓
《終わりなき研究》
同じように機械(ガジェット)が作品を制作するのが《終わりなき研究》。
▲ハーモノグラフという振り子を使って幾何学模様を生成する機械です。
実際に鑑賞者が機械を操作することもできます。
(事前に体験付きチケットを購入する必要があります)
周囲を沢山の人が囲んでいますが、ほとんどはただの鑑賞者で実際に操作体験している人は少ないようです。
▲このような作品が完成します。
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《瞬間の家》
最初の《蛍の生物園》と並んでキャッチーなビジュアルでSNSでも拡散しそうなのが《瞬間の家》という作品。
▲ストロボが焚かれる暗い部屋でホースが水を撒いています。
オラファー・エリアソンらしい作品ですね。
▲あまり近づくとびしょ濡れになってしまいますが、タイル1枚分くらいまでは近づいても良いそうです。
ストロボで目が疲れるのであまり長時間は見ていられませんが、展覧会の目玉でもあるし人気の作品です。みんな動画を撮っています。
麻布台ヒルズギャラリーでの展示はここまで。最後にオラファー・エリアソンに森美術館の片岡館長がインタビューする映像を見てお終い。
だいたい1時間あれば全部見られると思います。
《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》
麻布台ヒルズギャラリーでの展覧会はこれで終わりですが、忘れてはいけないのは展覧会のタイトルにもなっている《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》。
これは森JPタワーにのパブリックアートとして展示されています。
▲場所は森JPタワーのオフィスロビー。麻布台ヒルズギャラリーからの行き方は丁寧な案内板があるのでそれを参考にしてください。
なおこれは内覧会の日に撮影したもので写っている人が少ないですが、実際は平日、週末とも大混雑しています。鑑賞するだけなら人が多くても問題ないですが、写真を撮るなら開業後の混雑が落ち着いてからの週末が良いと思います。
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カフェとキッチンとショップ
今回の展覧会は作品の展示だけでなくオラファー・エリアソンのスタジオのカフェやキッチンのコラボも実現しています。
▲麻布台ヒルズギャラリーの階下にショップとカフェとキッチンがあります。
この入り口から入って正面がカフェ、左手がショップ、右手がキッチンという位置関係。
ベルリンのスタジオ・オラファー・エリアソン・キッチンとのコラボです。
やはり北欧家具なんですね。
ケーキは3種類から選べます。
CafeもKitchenも週末は予約して訪問するのがベターです。
見どころと注意事項
《オラファー・エリアソン展》の見どころと注意点です。
見どころ
やはり《蛍の生物園》と《瞬間の家》の2つのインスタレーションは展覧会の目玉作品。SNS映えもしますし時間をたっぷり使って鑑賞したいです。
それと《「オラファー・エリアソン:想像力を擁する砂漠」からのドローイング》。ドーハの砂漠で制作されたばかりの作品です。麻布台ヒルズからドーハの砂漠の環境を時間と距離を超えて想像させてくれるというコンセプトが素晴らしいです。
注意事項
・撮影は静止画、動画ともOKです。ただ《瞬間の家》は暗闇とストロボなのでタイミングが合わないと真っ黒な写真が大量に撮れます。
・手を触れてOKな作品はありません。《終わりなき研究》だけは体験付きチケットを購入すれば操作できます。
・ギャラリーなのでロッカーやトイレはありません。事前に麻布台ヒルズ内のトイレやロッカーを利用しましょう。
・階下のキッチンとカフェは予約しておくのが無難です。
・森JPタワーのパブリックアートも忘れずに。
・チケットは1時間枠なので毎正時からが混み合い入場待ち行列になることも。でも少し時間をずらせばすぐに入場できて人も少ない環境でゆっくり鑑賞できます。
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麻布台ヒルズギャラリーの場所とアクセス
麻布台ヒルズギャラリーが入る麻布台ヒルズは神谷町駅直結です。六本木寄りの5番出口の改札を出て真っ直ぐ行けば麻布台ヒルズです。
スタジオ・オラファー・エリアソン・キッチンやカフェの前を通り過ぎた先にあるエスカレーターでMB階へ上がれば麻布台ヒルズギャラリーです。
▲正時に行くとここに行列ができていますが、20分もずらせば行列もなくなってすんなり入れると思います。
人気の高いオラファー・エリアソンの展覧会が話題の麻布台ヒルズで開催されているのですから、両方まとめて見物・鑑賞できるよい機会です。
麻布台ヒルズやその周辺についてはこちらの記事もどうぞ。
大オラファー・エリアソン:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期 基本情報
名称 | オラファー・エリアソン:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期 |
会場 | 麻布台ヒルズギャラリー |
会期 | 2023年11月24日(金) 〜 2024年3月31日(日) |
時間 | 10:00 − 19:00 (金土祝前日は20:00まで、火曜日は17:00まで) |
入場料 | 一般 1,800円、大学高校 1,200円 4歳〜中学生 900円 |
予約 | 日時指定予約 |
撮影 | 写真撮影、動画撮影可能 |
麻布台ヒルズギャラリー 基本情報
名称 | 麻布台ヒルズギャラリー |
住所 | 港区虎ノ門 5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MBF |
最寄駅 | 神谷町駅、六本木一丁目駅 |
休館日 | 展覧会による |