ヤノベケンジとネコが岡本太郎記念館を再びジャック!《太郎と猫と太陽と》展はGINZA SIXとふたつでひとつの展覧会

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太郎と猫と太陽と

南青山の「岡本太郎記念館」を現代芸術家のヤノベケンジがジャックした《太郎と猫と太陽と》展が開催されています。会期は2024年7月12日(金)から11月10日(日)までの約4ヶ月間。

実はヤノベケンジが岡本太郎記念館をジャックするのは2011年に続き今回が2回目。

前回は東日本大震災後に「SUN CHILD」をフィーチャーしたものでしたが、今回は「BIG CAT BANG(猫大爆発)」をテーマにした展覧会。

しかも、肝心のBIG CAT BANGは銀座のGINZA SIXの吹き抜けで公開中。つまり岡本太郎記念館とGINZA SIXの ”ふたつでひとつ” の展覧会なのです。

▲GINZA SIXでは主役である「BIG CAT BANG」が空間を圧倒し、こちらの岡本太郎記念館ではその背景にあるストーリーとディテールが語られるという構成です。

どちらか一方だけでは文字通りの片手落ちなので、GINZA SIXでヤノベケンジに圧倒された方はぜひ青山の岡本太郎記念館にも足を運んで背景にあるその壮大なストーリーに身を浸してみてください

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岡本太郎と岡本太郎記念館

岡本太郎というと ”藝術は爆発だ!” のイメージばかり強調されがちですが、日本が生んだ偉大な芸術家ですね。

生命力に溢れる彼の作品は世界中のアーティストたちからも人気が高く、以前レディ・ガガが来日した際にも岡本太郎記念館を訪れ作品集を購入しています。▼

また、この岡本太郎記念館は岡本太郎が亡くなるまでの42年間、住居兼アトリエとして使っていた建物を中心に美術館として公開されているもので、年間3本前後の展覧会が開催されています

第一展示室

いつものように650円を受付で支払いスリッパに履き替えて館内へ

▲まずは2階へ上がって第一展示室から鑑賞するのですが、階段の踊り場でヤノベケンジの猫がお出迎え。

▲岡本太郎の太陽のようで良く見れば頭は猫耳。

展示室中央にも猫が鎮座していて、完全にヤノベケンジの世界。

▲太陽の塔みたいなのは宇宙船「LUCA号」。

そしてパンスペルミア説にもとづいた生命の起源が語られています。

猫になった岡本太郎が「始まりは爆発だ!」と叫んでいますが、これは宇宙の真実ですね。

▲宇宙からLUCA号で地球にやってきた猫。

▲そしてLUCA号のお腹の中には生命の種が収まっているという設定です。

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第二展示室

第二展示室にも展示が続きます。

▲第二展示室はヤノベケンジの《太陽の塔、乗っ取り計画》とその創作スケッチ、関連映像の上映です。

1970年の大阪万博で学生が太陽の塔をジャックした実際の事件、通称「アイジャック事件」をベースに、ヤノベケンジが太陽の塔を舞台に「アイジャック事件」をゲリラ的に再現したパフォーマンスの映像です。

▲《太陽の塔、乗っ取り計画》の創作スケッチやノートが展示されています

▲これもアイディアを描いたスケッチです

上映されている映像は《太陽の塔、乗っ取り計画》の映像の短縮版、ヤノベケンジのロングインタビューなど3本。合計で40分ちょっとです。

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サロンの岡本太郎

2階で《太郎と猫と太陽と》展を観たら、次は忘れずに1階の「サロン」と「アトリエ」も観ておきましょう。

1回見たことがあるからいいやという人も見ておきましょう。なぜならサロンもアトリエも毎回展示内容が変わっているからです。

▲岡本太郎と岡本敏子の写真や座ることを拒否する椅子などが置かれたサロン。

でもヤノベケンジの猫たちにジャックされていて、今回ばかりはそっちが主役。

いろいろな所に隠れるように猫がいたりするのでじっくり探してみましょう。

▲2023年夏の岡本太郎人形。

緑のシャツにスラックス。そして肩に乗っているのはヤノベケンジの猫。

この岡本太郎は季節ごとに衣替えをするので見逃せません。展覧会ごとではなく季節ごとに衣替えをしますから展覧会の前半と後半で岡本太郎人形の衣装が異なることもあります。

▲これは少し前、2024年初夏《タローのダンス》展での岡本太郎人形です。

麻地の涼し気なスーツに水色のネクタイという姿でした。

▲これは2023年夏、《令和の蔵出し》展での岡本太郎人形。緑色の半袖シャツとパナマ帽という姿です。

2024年とほとんど同じですね。

こちらは2022年の7月20日、《岡本太郎の1世紀》開幕日のものです。

スラックスに半袖シャツに帽子という夏らしい装いの岡本太郎です。

▲別のときはスーツ姿。

人形が着ている衣装は実際に岡本太郎が生前着ていたもので、ちょっと見えにくですがネクタイは岡本太郎デザインのもの。

▲このときはノーネクタイのシャツにジャケットとスラックス。

軽やかなスタイルなので初夏って感じでしょうか。

とにかく展覧会のたびに服装や配置が変えられていて、”間違いを探せ” 状態なのです。これも岡本太郎記念館の展覧会に毎回足を運ぶ理由ですね

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岡本太郎のアトリエ

サロンの奥には岡本太郎が創作活動に勤しんでいた「アトリエ」があり、ここも定期的に配置される作品が変わり、毎回異なる姿のアトリエを見ることできます。

▲はい、もちろんアトリエもヤノベケンジにジャックされています。

▲ヤノベケンジの「Journey of Life(SHIP’s CAT)」

▲作業台の上で猫同士が追いかけっ子。

▲ピアノの上にもいますし、よく見ると2階の手すりの上にもいます。

▲またこのアトリエには膨大な絵画作品が収蔵されているのが分かります。岡本太郎のほとんどの作品は川崎の岡本太郎美術館に寄贈されていて、この岡本太郎記念館には未完成作品などを主に収蔵しています。逆に創作の過程を知る資料はここにしかなくて貴重です。

今回はヤノベケンジにジャックされたサロンとアトリエですが、展覧会ごと季節ごとに異なった展示がされているので岡本太郎記念館を訪問したら展示室部分だけでなく、サロンとアトリエも記憶と記録に刻んでおきたいですね。

▲いつもは岡本太郎関連書籍がグッズでいっぱいのミュージアムショップまでヤノベケンジにジャックされています。

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庭と太陽の塔

岡本太郎記念館はその庭とベランダにも作品が置かれています。庭は入館料を払った人だけが入れるので、記念館の中を鑑賞したら庭も忘れずに鑑賞していきましょう。

▲実は庭もヤノベケンジにジャックされています。

いつもは椅子が置かれている空間には巨大な猫。

▲でもベランダから顔を覗かせ下を向いている太陽の塔。

岡本太郎の作品ではありませんが岡本太郎記念館のシンボル的存在なこれだけはジャックできなかったよううです。

なお庭に置かれている「座ることを拒否する椅子」は座ることができるので、遠慮なく座らさせてもらいましょう。

GINZA SIXのBIG CAT BANG 猫大爆発

《太郎と猫と太陽と》の主役でもある「BIG CAT BANG」はGINZA SIXの吹き抜けに吊られています。

▲GINZA SIXの巨大な吹き抜け空間に吊られた全長9mのBIG CAT BANGと周囲を飛び交う猫。

岡本太郎記念館で《太郎と猫と太陽と》を観てその物語やデティールを把握したらGINZA SIXへ行って続きを見てはどうでしょう。なんといっても ”ふたつでひとつ” の展覧会なのですから。

岡本太郎の反戦メッセージ

すべて見終わって岡本太郎記念館を出たら、多くの人は表参道駅の方に向かうと思います。

でもちょっとその前に美術館通りの方へ歩いてみましょう。

▲岡本太郎記念館のブロック塀に書かれたこれも岡本太郎の作品ではなく現代アートコレクティブのChim↑Pom(ちんぽむ)の作品です。

岡本太郎の1967年の有名な作品 ”殺すな” を彼らが再制作したもの。10年以上経って文字がだいぶ消えかかっています。消えてしまう前にきちんと見てメッセージを受け止めたいです。

岡本太郎記念館の場所とアクセス

青山通りから骨董通りに入り六本木通り方面に直進し、「クリントンストリートベイキング」の先の信号を左折します。

左折してSOUSOUを左にみながら一本目を右折すると左側にあります。

最寄り駅は表参道駅。表参道の交差点から徒歩10分くらいです。

太郎と猫と太陽と 基本情報

名称 太郎と猫と太陽と
会場 岡本太郎記念館
会期 2024年7月12日(金) 〜 11月10日(日)
入館料 一般 650円、小学生 300円
予約 予約不要

岡本太郎記念館 基本情報

名称 岡本太郎記念館
住所 港区南青山 6-1-19 MAP
最寄駅 表参道駅
休館日 火曜日
時間 10:00 − 18:00
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