日本の新進写真作家5人を紹介。写真美術館で開催中の《見るまえに跳べ》

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《見るまえに跳べ》 Leap Before You Look

恵比寿の東京都写真美術館で2002年から20年続く「日本の新進作家」展シリーズ、2023年はそのVol.20で《見るまえに跳べ》展が開催されています。

21世紀に入りテロや戦争、自然災害や感染症など人々を不安にさせ、新しいことへ挑戦する気持ちを交代せせるような出来事が続いている中で、人の孤独と向き合い日常を生きるための原動力のありかを示そうとしている写真家、5名による展覧会です。

▲《見るまえに跳べ》展の会期は2023年10月27日(金)から2024年1月21日(日)まで。

会期は長いですが早めに訪問して写真美術館の他の展覧会をまとめて鑑賞することをおすすめします。

なお今回の写真展はインスタレーション作品ひとつを除きすべて撮影可能です。ただ動画撮影は禁止です。

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淵上裕太:上野公園

淵上裕太の《上野公園》はタイトル通り、上野公園とそこに集う人々の写真。

淵上裕太 <上野公園>より《見る前に跳べ》東京都写真美術館,2023年

▲路上生活者、性的少数者、社会的アウトサイダーなど普段の私たちの生活しているエリアでは見ることのない、もしかしたら見ていなかった人々が捉えられています。

まるで終戦直後や高度成長期の写真のようですが、実は現在進行形。上野公園は東京でも特殊な場所なのだそうです。

淵上裕太 <上野公園>より《見る前に跳べ》東京都写真美術館,2023年

▲壁一面にびっしりと貼り巡らされたポートレート、展示室の中央には大判バネルでまるでその人がそこにいるかのような展示がされています。

夢無子(むむこ) : 戦争だから結婚しよう

映像を中心としたインスタレーションです。

▲戦争という究極の暴力にさらされているウクライナでも、日常の続きとしての結婚式が行われます。

実際に戦時下のウクライナを旅した作者による写真を通じて結婚式に立ち会います。

ヘッドフォンを付けベンチに座って結婚式に参列してください。

入り口が分かりづらいので見逃さないように。

▲映像は2面。裏表両方で30分です。入り口近くに ”戦争結婚式のマナー” というインストラクションがあるので読んでおいてください。

なお映像作品ですが写真撮影可能です(動画は撮影禁止)。

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山上新平 : Epiphany

鎌倉を拠点に独自の世界観を見せる山上新平も。

山上新平 <Epiphany>より ,《見る前に跳べ》東京都写真美術館,2023年

▲2022年に最初の写真集が刊行されたばかりのまさに新進気鋭の作家です。

暗い回廊のようなスペースに照明をうまく使った作品が展示されるというもので、空間も含めたのインスタレーションといった趣です。

星玄人

1970年生まれで横浜出身の写真作家、星玄人(ほし・はると)。

大阪の西成、新宿歌舞伎町、横浜の桜木町・関内といった個性的な人が行き交う地域でのスナップです。

星玄人 <横浜>より ,《見る前に跳べ》東京都写真美術館,2023年

▲淵上裕太の被写体ほどアウトサイダー感はなくて、むしろ普通の人なのだけど何かが過剰あるいは欠如しているようなそんな被写体が多いです。

星玄人 <東京都港区西麻布3-1-19-1F>より ,《見る前に跳べ》東京都写真美術館,2023年

▲そして麻布ガイドもおすすめの西麻布の老舗喫茶店「れいの」の店頭で撮られた個性的なお客さんたちの写真。地元テレビ局出身のジャーナリスト、れいののオーナー夫妻などが写っています。

実は星玄人はこの「れいの」の息子さんだったのです! ママさんが亡くなられた今はときどきお店を手伝っています。

▲ある夜の西麻布、れいのの店先には三脚とカメラが据えられていました。別にこの日に限らずカメラをよく見かけるのですが、それは実際に作品を撮っていたようです。

▲たまたま近所の方がお店に入ろうとしていて、まるで星玄人の作品のようなシチュエーション。

うつゆみこ

虫やカエル、つまり昆虫や爬虫類といった生物フィーチャーした ”キモかわいい” 写真の「うつみゆこ」が展覧会の最後です。

うつゆみこ ,《見る前に跳べ》東京都写真美術館,2023年 展示風景

▲一つ一つの作品もかなり強烈なビジュアルなのですが、それがさらに大量に展示され迫ってきます。

壁面にも大量の作品が展示される展示室の中央に大きな箱があり、この内部がうつみゆこの世界観そのまんまなインスタレーションになっています。この展覧会で唯一撮影NGなのがそのインスタレーションです。

併せて観たい写真展

《見るまえに跳べ》展と同時期に《即興 ホンマタカシ》展も開催されています。▲90年代からイギリスのカルチャー誌「i-D」上で活動するなど長く活動する写真家、ホンマタカシの日本の美術館としては10年ぶりとなる個展です。

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写美のミュージアムカフェ「フロムトップ」

写真展で疲れたらミュージアムカフェで一息いれたいところ。

写美のミュージアムカフェ、以前は代官山のメゾン・イチが入っていましたがパンデミックの顧客減少のため撤退し、吉祥寺のカフェが「フロムトップ」という名で入っています

▲センスの良いカップに入ったコーヒー。

相変わらずテラス席も利用できますし、写美での鑑賞の前後にどうぞ。美術館利用者でなくてもカフェは利用可能です。

ガーデンプレイスのカフェ

リニューアルされた恵比寿ガーデンプレイスには多くのカフェも出店しています。

写美のミュージアムカフェも良いのですが、ガーデンプレイスの今話題のカフェを訪問してみるのも良いのではないでしょうか。

▲センタープラザ1Fのノースフェイスの向かいには「VERVE COFFEE恵比寿」。アメリカのサンタクルーズ発祥のサードウェーブ系コーヒーショップです。

あまり知られていませんが、飯倉片町にも近い六本木店はいつも満席状態が続く超人気店です。

▲希少性では恵比寿ガーデンプレイスのカフェスタンド「BLUE NOTE PLACE Stand」も。

南青山のジャズ・クラブ「ブルーノート東京」系列のカフェスタンドです。

普通のカフェの値段でガーデンプレイスの一等地のテラスが利用できるうえに、ニューオーリンズ風のドーナツ「ベニエ」が食べられるのが嬉しいです。

▲写真美術館の西口(ロビーの反対側出口)を出たところにある「BRICK END」という横丁のカフェです。昼間はカフェですが夜はおでんと日本酒のバーになります。

店内中央に鎮座するのは100年近く前にアメリカで製造されていた劇場用のスピーカー。

このスピーカーでジャズを聴きながらスペシャルティコーヒーを飲める、恵比寿らしいおしゃれなカフェです。

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東京都写真美術館へのアプローチ

東京都写真美術館(写美)へのアプローチはなかなか劇的なのでそれも紹介します。

▲恵比寿駅から「恵比寿スカイウォーク(動く歩道)」で恵比寿ガーデンプレイスまで来て、アメリカ橋の信号を渡ったら山手線沿いに進むと東京都写真美術館の建物が見えてきます。

”TOP MUSEUM” とある建物が写美です。このまま建物の右側を進んでも入館できますが、まずは左のアーチの下からアプローチするのがおすすめです。

▲アーチの下を進むと写真美術館の入口です。

床の文様とか空間構成とか格好いいですね。平日はガーデンプレイスタワーに入る外資系とか代理店系のビジネスパーソンが行き交うのでこんなに人のいない写真は撮れませんが、休日はたいていこんな感じです。

ここを真っ直ぐ進みながら右手を見ると・・・

▲写美の建物の外壁に写真壁画があります。

これはフランスの写真家ロベール・ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」という作品。誰もが一度は目にしたことがある写真ですがこうして大きく引き伸ばされるとまた印象が異なります。

▲これもあまりに有名なロバート・キャパの「NORMANDY 6JUNE 1944」。

ノルマンディー半島のオマハビーチに上陸するアメリカ軍兵士。アメリカやイギリスはこうして自らの存亡をかけて全体主義と戦ったんですね。

▲日本の写真作家 植田正治(うえだしょうじ)の「妻のいる砂丘風景」。

鳥取を拠点にシュールな作品を取り続け、晩年になるほど評価が高まった作家です。▲外壁の写真壁画を見てテンションを高めながら展覧会へ向かう。写真美術館での鑑賞のルーティーンにしたいですね。

ただこのアプローチだと雨や雪の日は大変です。そんな日は恵比寿スカイウォークの終点で下りエスカレーターに乗って、グラススクエアやガーデンプレイスタワーの下を抜けて写美に行くのが良いでしょう。恵比寿駅からまったく濡れることなく写美に到着できます。

東京都写真美術館についてはこちらにも情報をまとめてあります。参考にどうぞ。

見るまえに跳べ 基本情報

展覧会名 見るまえに跳べ 日本の新進作家vol.20
会期 2023年10月27日(金) 〜 2024年1月21日(日)
会場 東京都写真美術館 3F
料金 一般 700円、学生 560円、中高生・65歳以上 350円
予約 日時指定予約推奨 (オンライン予約には会員登録が必要です)
写真撮影 撮影可能

施設名 東京都写真美術館
住所 目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
最寄駅 恵比寿駅
休館日 月曜日 (月曜日の祝休日の場合は開館し翌平日休館)
開館時間 10:00 – 18:00 (木金は20:00まで)
予約 予約不要
写真撮影 原則禁止
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