世界で最も楽しめる映画館
かつてCNNで「世界で最も楽しめる映画館10」にも選ばれたことがある渋谷のミニシアター「UPLINK(アップリンク)」。
このブログで紹介した途端にUPLINK渋谷が閉館するというお知らせです。
2021年5月20日をもって閉館するというアナウンスがありました。
コロナ禍で機材更新もままならず渋谷を閉店するようです。
逆に吉祥寺や京都は出来たばかりで機材も新しいことからこのまま継続。
今後は吉祥寺と京都のシアターと映画の配給で存続していくのでアップリンクがなくなってしまうわけではないのでそこはひと安心です。
イエローストリートのアップリンクファクトリー、今の奥渋へ移動し複数のスクリーンを持つシネコンとなるまで長く通ったのにそれが消えてしまうんですね。
2020年にはモラハラ/パワハラ問題で訴訟沙汰(現在は一応の和解)になり悪い意味で知名度が高まってしまいました。また閉館が決まりましたけど、今回はそれらの問題はさておいての紹介です。
▲最初のアップリンクは「アップリンク・ファクトリー」という名の本当に小さなスクリーンでした。
いわゆるアート系ミニシアターで、作家性の高いアート系フィルム、実験的な作品、社会派ドキュメンタリーなどコマーシャルベースに乗りにくい作品を上映しています。なので当初から映像関係者などにも熱烈なファンが多いシアターです。
10数年前に奥渋に移転、今は吉祥寺や京都にもシアターを店内しています。
UPLINK渋谷
2020年のCOVID-19緊急事態宣言で臨時休館している間に館内のシステムが変わったり、また最近も配置が変わったりで、ちょうど試行錯誤している最中のようです。
またこれからも館内のレイアウトやシステムが変わる可能性があります。
▲昼間のアップリンク渋谷(UPLINK渋谷)。
今まではビルのドアを開けて入り、その先にチケットカウンターがあったのですが、今は左手の階段を上ってTabela(UPLINK併設の多国籍料理カフェ)のテラスを経由する動線に変わっています。
ライトが点いているボードが目印ですね。
*)COVID-19対応で営業時間を短縮していることがあります。事前にUPLINKのサイトで上映時間を確認することをおすすめします。
UPLINK渋谷の館内
階段を上ってTabelaのテラス脇を通って館内へ。
▲突き当りの左側がチケットカウンター、その横に券売機。予約してある場合はその券売機で発見です。
右側がTabelaのカウンターとキッチン。
以前はこのスペースにはTabelaのテーブルが並んでいて映画の前や後に食事ができたのですが、今は奥のボクス席2つとテラス席だけがTabela用のスペースのようです。
以前のテーブル席のスペースは物品販売用スペースになっています。
サイトから予約して行けば、ここでQRコードをぴっとやってスルスルっとチッケトが受け取れるので楽チンですね。
▲今回訪問したのはアメリカのアングラ映像作家ケネス・アンガーの作品上映でした。このようなマイナーな作家でもきちんと上映してくれるし、物品もちゃんと分かっているものをチョイスしているんですよね。
「スコーピオ・ライジング」という代表作をあしらったTシャツからケネス・アンガーに影響を与えたイギリスのオカルティスト(自称魔術師)のアレイスター・クロウリーの書物まで並んでいます。
こうした上映作品に関係するものから、UPLINKが関係する作家たちの作品DVDやBlue-Rayなども定番として販売していたりします。
▲チリの映画作家でB.D.(ベデ)の原作者としても高名なアレハンドロ・ホドロフスキー。UPLINIは映画製作に出資するほど入れ込んでいます。
またカナダのグザヴィエ・ドランを日本でいち早く紹介したのもやはりアップリンクですね。
▲以前はチケットカウンターなどがあったスペースとRoom 1(1Fのスクリーン)の入口。
今はここがウェイティングスペースになっています。しっかり密対策も取られています。
2階にはスクリーンが2つ。
UPLINK渋谷のスクリーン
今回はRoom 2のスクリーン。
以前はUPLINK X だったルームです。
最前列はデッキチェアです。
昔はデッキチェアどころか人をダメにするソファみたいなものがあったりして、人が少ない夜間帯の上映では寝そべってみることもできたのです。
普通の映画館で最前列を選ぶ人はまずいませんが、UPLINKでは最前席こそが最善席という人も少なくありません。
人によってはここにしか座らないという人もいますね。
もちろんどの席を選んでも価格は同じです。
Tabela
TabelaはUPLINKが運営する館内のカフェ・レストラン。
本来は多国籍料理や上映中作品に関連する国の料理があったりするのですが、今はかなり規模を縮小して営業しています。
ただし今はスクリーン内へ食べ物を持ち込むことはできません。飲料だけOKです。
伊良コーラを扱うようになったんですね。
室内の方は4人がけボックス席が2つだけになってしまったので、多くの場合はテラスでということになると思います。
でも映画の後にここでゆっくりするのは気持ちいいんですよ。
UPLINK渋谷の場所
奥渋でも渋谷側の方です。
ビルの柱の「UPLINK」文字が目印でしょうか。
以前は渋谷のイエローストリート沿いの雑居ビルにあったのですが、今の方が場所も分かりやすいし人も多いし奥渋ブームを下支えしているのがアップリンクと言ってもいいですね。
UPLINK京都
UPLINK吉祥寺はまだ訪問したことがないのですが、UPLINK京都はオープン直後に偶然発見してしまいました。
▲場所は烏丸御池駅を出たところにある「新風館」。「エースホテル京都」へ行った時に、こんなところにアップリンクがある! と。
渋谷とは違ってなかなかオシャレな場所にあります。
館内は新規オープンしたばかりという華やかな感じ、色使いもポップです。
UPLINKで上映されるラインナップは京都でこそ受け入れられるだろうなと思います。
映画館は密閉された空間なのでCOVID-19リスクが気になる人も多いかと思います。でも飲食と違って喋ったり会話することがない(そんなことしたら追い出されちゃう)ので、しっかり対策を取ればそれほどリスクを気にする場所ではないのかなぁと思います。
GWや休暇中どうしようかなぁという時に、アップリンクの選ぶマイナーだけど上質な映画を観て、新しい感覚や考え方に触れる時間を持つのもよいのではないでしょうか。
UPLINK渋谷
渋谷区 宇田川町 37-18
定休日 : なし
UPLINK京都
京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館
定休日 : なし