1933年に完成した旧朝香宮邸、今の東京都庭園美術館では、1884年生まれで今年が生誕140年になる竹久夢二の《生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》展が開催されています。
旧朝香宮邸と竹久夢二の生涯は僅か1年しか重なりませんが20世紀前半の ”アール・デコ” という同じキーワードで繋がります。
竹久夢二はアール・ヌーヴォーだったり独自の「夢二式」な画風で今も人気の高い画家です。そんな竹久夢二の作品が庭園美術館でどうのように展示されているので気になりますね。
▲会期は2024年6月1日(土)から8月25日(日)まで。夏休みど真ん中ですからこの時期のアート巡りにもピッタリです。
またこの会期中には東京都の文化施設が夜間開館を行う「サマーナイトミュージアム2024」が開催されます。庭園美術館では毎週金曜日に21時まで夜間開館する予定ですから夕涼みがてらの庭園美術館と竹久夢二というのも良いですね。
なお、この展覧会では庭園美術館の館内、作品とも写真撮影禁止となっています。最近は撮影可能な建築関連の展覧会が続いたのでつい忘れがちになっていましたが、本来の庭園美術館は館内撮影禁止です。
館内も作品も原則撮影禁止ですが、一部の作品は写真撮影可能です。またフォトスポットも何箇所か用意されています。ただし動画は作品も館内もフォトスポットでも撮影禁止です。
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会場の東京都庭園美術館
旧朝香宮邸として1933年、アールデコが全盛期を迎えていた時代に建設された貴重な建物で ”現存する世界一美しいアールデコ建築” ことも言われ、建物自体が芸術品とも言えます。
▲朝香宮が明治天皇からこの土地を下賜される前は帝国陸軍の火薬庫だったそうです。そして朝香宮家が廃された戦後は外務大臣公邸、迎賓館などとして使われきて、日本の戦前戦後の歴史が刻まれた建物です。
旧朝香宮邸を改修したのが本館、現代美術作家の杉本博司を迎えて建設された新館が美術館としての主な展示会場。さらに 西洋庭園と和風庭園を備えているところが 「庭園美術館」たるところです。
竹久夢二
最近は庭園美術館の建築と他の作家や作品とのコラボみたいな展覧会が続きましたが、この《生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》の主役はあくまで竹久夢二。
庭園美術館は単なる会場としての位置付けです(なので館内撮影禁止)。
今から140年前の1884年に生誕した竹久夢二は叙情的な美人画で当時も今も人気の高い画家です。大正デモクラシーの中で育まれた「大正ロマン」の代表的作家でもあります。
どのくらい人気があって有名かというと、亡くなって100年近く経つのに今でも渋谷のど真ん中に「夢二通り」という通りがあって、その由来を説明する必要がないということでも分かると思います。
(東急本店と井の頭通りのハンズ前まで続く通りです)
「夢二通り」と言われれば、誰もがそれが竹久夢二由来で、たぶんその近くに住んでいたんだろうなと思いますものね。
また日本のグラフィックデザイナーの先駆者的な存在でもあって、今回の展覧会では画家としての夢二とデザイナーとしての夢二の作品が展示されています。
▲二つ折りのフライヤー。
いつもの簡単なものかと思ったら中までぎっしり情報が詰まっています。
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YUMEIJ展 − 本館1階の見どころ
YUMEJI展は全部で5章で構成されています。
それでは本館1階から見どころを紹介します。
館内も写真撮影禁止ですが、エントランスのここだけは撮影可能です。(スタッフに確認しました)
本館1階は香水塔の奥の「小客室」、「大客室」、「大食堂」、「喫煙室」、「大広間」という順路で巡ります。順路を外すとスタッフさんから注意されるんですよね、今回は。たぶん竹久夢二が主役だからということなのでしょう。▲「大食堂」の《憩い(女)》。物憂げな表情のモガ(モダンガール)が描かれています。アンニュイですねぇ。
いつもと違ってカーテンが閉じられた大客室ですが、この部屋の展示作品はすべて写真撮影可能です。
この後「喫煙室」、「大広間」と順路を回りますが大広間に展示されている《アマリリス》という油彩作品が今回の展覧会の目玉です。長らく所在不明だったものが再発見されたものです。
▲順路的には2階を見た後になりますが、本館1階奥の「小食堂」の作品も写真撮影可能です。
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YUMEJI展 − 本館2階
順路的には1階大広間の後は本館2階へ。
ここはフォトスポットです。この前で写真を撮っても構いません。なにせ厳密には夢二の作品ではないので。
夢二がデザインした封筒の絵柄を引き伸ばしたものなので。
いわゆる千代紙です。これを妻のたまきに売らせていたのだそうです。
YUMEJI展の主役は竹久夢二なので庭園美術館の2階で入れるのは作品が展示されている部屋だけです。いつもと違って閉鎖されている部屋が多いです。建物公開ではないのでウィンターガーデンも入れません。
作品展示がないけど入れるのはベランダくらいかもしれません。もちろんベランダも写真撮影は禁止です。
新館 − 夢二の新世界
本館の後は新館の展示室へ。
1930年代、アールデコの時代と外遊、そして亡くなる直前までの作品です。
新館展示室(ギャラリー1)で唯一の撮影可能作品です。
フォトスポットとして記念撮影もOKです。本館のフォトスポットと違ってこれは本物の夢二作品です。
▲新館のギャラリー2での展示はありませんが、その代わりギャラリー2の前にフォトスポットが設けられていました。
大食堂に展示されていた《憩い(女)》ですね。負けないくらいの憂い顔で記念撮影したいものです。
最近の展覧会では珍しく写真撮影が原則禁止ですが、その代わりフォトスポットを複数設けるなど工夫が施されています。
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撮影と注意事項
撮影について
東京都庭園美術館は本館内の写真撮影は禁止です。
そして今回の《生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》展では写真撮影が原則禁止です。動画撮影も禁止です。写真撮影可能な作品だけにその旨の掲示があります。
注意事項
・撮影以外の鑑賞自体に対する注意事項は
作品、建築、家具、スクリーン等には手を触れない
混雑時の不意の接触にも注意する
要するに荷物はロッカーに入れましょう
傘・日傘の館内への持ち込みはできません
飲料、食料品は展示室内へ持ち込みできません
です。これも常識的なことばかりですね。
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Cafe TEIEN
展覧会での楽しみの一つがミュージアムカフェのコラボメニュー。
庭園美術館の「Cafe TEIEN」でもいつも企画展の特別メニューが用意されますがが今回は《大正浪漫sweets》です。
▲今回オーダーしたのはコーヒー 450円、オペラ 750円(右上)、プリン(下)。
このうちプリンが「大正浪漫sweets」な特別メニューです。
▲大正デモクラシーの時代に一般化した、今となってはレトロな喫茶メニューというコンセプトなのでしょう。
正式なメニュー名は「クラシックプリン」。あえてシンプルにしたプリンで900円です。
これとメロンシロップを使った「teienクリームソーダ」900円が「大正浪漫sweets」特別メニューです。
サマーナイトミュージアム(夜間開館)
庭園美術館では不定期で夜間開館を実施していますが、YUMEJI展開催中は東京都の「サマーナイトミュージアム」企画と重なるので毎週金曜日に夜間開館を実施します。
具体的には7月19日〜8月23日までの毎週金曜日、通常18時の閉館が21時まで延長されます。
サマーナイトミュージアム企画と実施施設についてはこちらの記事が参考になります▼
ドレスコード割引
大正浪漫にちなんでか、今回は「ドレスコード割引」が実施されています。
会期中に着物を着て来館した人は当日券を100円引きで購入できるというものです。
実際に着物を着て鑑賞している人を何人も見かけたのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ただし、当日券だけが対象ですからネット予約してしまうと割引が受けられません。またフラットデー開催日の7月10日と24日もドレスコード割引の対象外です。
庭園美術館の場所とアクセス
庭園美術館は広い敷地を誇りますが一般向けの入り口は正門しかありません。白金台の目黒通り沿いです。
地下鉄の白金台駅、JRや東急線が通る目黒駅が最寄駅ですが徒歩の場合は白金台駅の方が近いですし、庭園美術館の行き帰りに白金台の街を楽しめるのおすすめです。
もし目黒駅からなら都営バスの黒77/橋86/品93いずれかの系統に乗り2つ目の白金台五丁目バス停で降りると近いです。逆に言うとこの系統のバスが使えるなら電車よりバスの方が良いかもしれません。
駐車場もありますが1回1,500円の有料駐車場になります(レストランだけを利用する方は有料でも駐車場を利用することはできません)。
生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界 基本情報
名称 | 生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界 |
会場 | 東京都庭園美術館 |
会期 | 2024年6月1日(土) 〜 8月25日(日) |
時間 | 10:00 − 18:00 7月19日〜8月23日までの毎週金曜は21時まで開館 |
入館料 | 一般 1,400円、大学生 1,120円、中高生・65歳以上 700円 |
予約 | 日時予約推奨 (ドレスコード割引は予約不要) |
撮影 | 写真撮影原則禁止、動画撮影禁止 |
東京都庭園美術館 基本情報
名称 | 東京都庭園美術館 |
住所 | 港区白金台 5-21-9 |
最寄駅 | 白金台駅、目黒駅 |
休館日 | 月曜日 |
時間 | 10:00 − 18:00 (土日祝は17:30まで) |