アルフレッド・ジャーのヒロシマ賞受賞記念展に合わせ、六本木のSCAIピラミデで開催中の「終³」

SNSでシェア:

アルフレッド・ジャーの「終³」

南米チリ出身のアーティスト、建築家、映像作家として知られるアルフレッド・ジャーの個展「終³ (THE END³)」が六本木のギャラリーSCAI PIRAMIDE(スカイ・ピラミデ)で開催されています。”終” の3乗という面白いタイトルはジャーが感じるディストピア的な世界を3つ表現しているから。そのため展覧会も3つのセクションで構成され、最後の作品はまさに「The End of The World」というタイトルの作品で終わります。広島の原爆を想起させる作品から始まり、世界の終焉を予感させる最後の作品まで、どれも重いテーマの作が並びます。感染症の蔓延や戦争に異常気象など21世紀になっても、まさかと思うような事柄が立て続けに起きている今、アーティストが発する終末の予兆をこのような展覧会を通じて受け止めたいものですアルフレッド・ジャー(Alfredo Jaar)の日本語表記は ”アルフレッド・ジャー”、”アルフレド・ジャー”などの表記があるようで混乱しています。とりあえず麻布ガイドでは ”アルフレッド・ジャー” で統一して記載します。スポンサーリンク

Silent Flash – 原爆ドーム

3つのセクションで構成される「終³」展の最初は 《Silent Flash》という作品▲広島の原爆ドーム上空にドローンを飛ばして撮影した写真をライトボックスに連続して並べた作品です。もちろん原爆ドーム上空はもちろん平和記念公園の上空も飛行禁止ですので、特別に許可を得て飛行、撮影しています。▲原爆ドームを真上からという、今まで誰も見たことがなかったアングル。▲上空から徐々に高度を下げ原爆ドームに近づき、最後の瞬間に真っ白い光を発する。そんなインスタレーションになっていて、1945年8月6日の朝にあそこで発生した出来事やその後の惨劇を強く想起させる作品です。アルフレッド・ジャーは美術の分野で人類の平和に貢献した作家に対して贈られる「ヒロシマ賞」の第11回の受賞者です。その受賞記念展が2020年に予定されていたのですがパンデミックのために延期になり、今年2023年に広島で開催されています。ここSCAIピラミデでの「終³」はその広島での受賞記念展に合わせたものになっているので、機会があれば広島での展覧会にも足を運びたいですね。

森山大道とのコラボレーション

2つ目のインスタレーションは日本の写真家、森山大道(もりやま・だいどう)とのコラボレーションです。▲ギャリー内は暗室のように明るい照明が灯り、森山大道の写真集《写真よさようなら》の作品が展示されています▲天井から吊り下げられているのは電灯ではなくてジャーが森山大道に対するレスペクトを表した彫刻作品《Bye Bye Photography》。展示されているのは森山大道の伝説的な名作《写真よさようなら》。どちらもアーティストの初期を代表する作品によるコラボレーションですスポンサーリンク

The End of the World – 世界の終わり

3つ目は「The End of the World」。▲展示室の中央に置かれたケースの中には小さな立方体が一つだけ▲微妙に色合いが異なるレアアースを含む10種類の鉱物が層状に重なっています。その美しさを見るのもの良いのですが、この作品の本質はそこではありません。レアアースなどを巡る紛争、産出のための児童労働や環境破壊。作品の裏に込められた世界の現状に思いを巡らせるべき作品です。このように原爆ドームで始まり鉱物資源の現状で終わるという社会性のあるメッセージを強く含む展覧会です。SCAIピラミデは木金土が開廊日ですが「終³」展は会期が長いので夏休みを使ってぜひ訪問してみてください。

展覧会以外の作品

「終³」展は3つのインスタレーションによる展覧会ですがSCAIピラミデではアルフレッド・ジャーの他の作品も展示販売しています。▲例えばこの ”Teach Us to Outgrow Our Madness” が刻まれた作品もそうです。これは大江健三郎の中編集『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』の英語タイトルです。売上の一部がチャリティに寄付されるこの作品や “This is not America”をニューヨークのタイムズスクエアにLED表示した作品(の写真)なども展示されていますから、展覧会を合わせてどうぞ。スポンサーリンク

SCAI PIRAMIDEの場所とアクセス

SCAI PIRAMIDEは現代アートの一大拠点となった六本木の複合ビル、六本木ピラミデの3Fです。銭湯を改装した建築で有名な根津/谷中のSCAI THE BATHHOUSEの六本木での拠点です。▲六本木ヒルズと芋洗坂を結ぶ道路沿い。日比谷線六本木駅から徒歩1分、六本木ヒルズからも徒歩3分です。六本木ピラミデの現代アートギャラリーと合わせて訪問するのも良いと思います

アルフレッド・ジャー「終³」展 基本情報

名称 アルフレッド・ジャー「終³」
場所 SCAI PIRAMIDE
期間 2023年7月29日(土) 〜 9月30日(土)
開廊日 木金土曜日、夏季休暇 8月10日–20日
時間 12:00 – 18:00
料金 無料、予約不要

SCAI PIRAMIDE 基本情報

名称 SCAI PIRAMIDE (スカイ・ピラミデ)
住所 港区六本木 6-6-9 ピラミデビル3F
最寄駅 六本木駅
休廊日 日・月・火・水・祝日
スポンサーリンク
記事の評価
SNSでシェア:
スポンサーリンク

同じカテゴリーの記事 スポンサーリンク
スポンサーリンク
代官山恵比寿六本木南麻布六本木ヒルズ飯倉青山ランチ白金台西麻布の交差点表参道現代アート東麻布外苑前喫茶店麻布十番渋谷ギャラリー深夜営業コーヒー南青山西麻布広尾カフェ原宿乃木坂美術館麻布台一の橋交差点現代美術
スポンサーリンク

コメントを残す

スポンサーリンク