NHK放送博物館での「展覧会 タローマン」は虚実取り混ぜた不思議な展覧会

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展覧会 タローマン

上野の東京都美術館では史上最大のTARO展「展覧会 岡本太郎」、南青山の岡本太郎記念館では「岡本太郎の1世紀」と岡本太郎の展覧会が続いています。

さらに加えて愛宕山のNHK放送博物館では「展覧会 タローマン」とう企画展が開催されています。 これは2022年の夏にNHK教育の深夜枠で放送された特撮テレビドラマ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」の衣装や小道具を展示する展覧会ですが、岡本太郎の資料なども展示されています。 ”岡本太郎が関わり1970年代に制作、放映された「TAROMAN岡本太郎式特撮活劇」という番組があった” という想定があり(フィクション)、それをもとに2022年にNHKが番組を作り(これはホント)、タローマンのマニアであるサカナクションの山口一郎がコレクションを提供して(これはフィクション) 、そこにNHKが持っている岡本太郎ゆかりの資料(これはホント)も併せての展覧会。

という構図です。

こういう手の込んだジョークには目がないのでさっそく愛宕山のNHK放送博物館へ足を運んでみました。

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TAROMAN岡本太郎式特撮活劇

「展覧会 タローマン」の会場は愛宕山のNHK放送博物館。▲会場の最初に掲示されているのがこれ。

”おそらく1970年代に放送された” という始まりからして、これはフィクションなんだということが分かります。▲「展覧会 タローマン」は入場無料。そもそもNHK放送博物館自体も入場無料です。

もぎりをしているのがタローマンですね。 ▲展示されているのは、おそらく1970年代に放送された「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」で実際に撮影に使われた衣装や小道具、資料などです。

タローマンは上野の東京都美術館で開催中の「岡本太郎」展に出張していたのですが、こちらの展覧会の開幕に間に合うよう戻ってきました。つまり今は上野の「岡本太郎」展にタローマンはいません。▲タローマンの番組に出ていた、岡本太郎の作品をモチーフにした奇獣たちや番組に登場したキャラクターの衣装の展示。

設定上は、1970年ころに岡本太郎がデザインしただろう衣装ということになっています。

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タローマンの資料

衣装の他には番組の資料(という設定)。 ▲番組の企画書(のつもり)。

1970年ころの企画書なので、ワープロもなくて当然手書き。50年以上経った旧い文書なので紙も古びていてところどころ破けています(という設定)。

こんなところまでしっかり作り込んで、冗談を一所懸命やっているところが素晴らしいです。岡本太郎が喜ぶ顔が目に浮かびます。 ▲これもここまでやるか的な資料。

タローマンのテーマ曲「爆発だッ!タローマン」の ”カラオケシート”。

昔あったソノシート風にしていますが、1970年ころにはまだカラオケという言葉すら存在していなかったので、これも作り物です。

それに、ソノシートってもう国内では製造できなくて、世界中でもほんの僅かな工場でしか作れないはず。そんなソノシートをわざわざこんな展覧会のために、しかもジョークとして作っているのは凄いというか開いた口が塞がりません。 ▲これは岡本太郎作品を直接のモチーフにした資料。

廃材を再利用しているみたいで、このくらいなら軽いジョークということなんですけどね。

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NHKと岡本太郎

もちろん本物の資料もあって、それらはNHKと太郎というコーナーにまとめられています。▲岡本太郎はテレビやラジオの出演も多いので、NHKには資料や映像が沢山残されているようです。

討論番組にドキュメンタリーなど。ドラマ出演もしていたんですね。これにはびっくり。 これは1970年の大阪万博の開会式の台本。本物です。

岡本太郎と丹下健三が並んで出演していたようで、貴重な資料です

▲ところどころ、番組のスティルに交じって ”自分の歌を歌えばいいんだよ” とか ”芸術は爆発だ” といった岡本太郎本人の言葉が使われています。

虚実取り混ぜた展示で頭がくらくらしますが、岡本太郎ならこうしただろうという世界を岡本太郎的に作った番組の展覧会を、本気でジョークとして行っているすごい展覧会です。

また2022年夏に放映された「TAROMAN岡本太郎式特撮活劇」にハマッた人には外せない展覧会でしょう。

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タローマンのフォトスポット

3階で「展覧会 タローマン」を観た後は1階のロビーにフォトスポットがあるので記念撮影 ▲タローマンが70年代の東京の街に立つ背景と、ビルを突く背景の2つとも記念撮影用です ▲タローマンと奇獣。

東京都美術館の「展覧会 岡本太郎」とNHK放送博物館の「展覧会 タローマン」が両脇にあるのがおかしいいです。 ▲ビル突き体験コーナー。

ビルの模型に乗っている緑色の棒でビルを突く体験ができるそうです。体験コーナーと名付けられていますが実質ここもフォトスポットです。

タローマンのノベルティ

展覧会 タローマンではノベルティグッズが貰えます。 ▲「タローマン大ずかん」はフォトスポットの前で配布しています。

またポストカードとメンコシールは放送博物館入り口の受付で申し出ると貰えます。

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NHK放送博物館の場所とアクセス

最寄り駅は神谷町駅か御成門駅です。

港区はおろか23区内では最高峰の愛宕山の頂上に位置するNHK放送博物館。日本のラジオ放送が始まった場所です。 ▲いろいろアクセス方法がありますが、愛宕トンネルの御成門側にある愛宕山エレベーターで上がるのが楽チンです。

エレベーターを下りて写真のブリッジを渡れば左側がNHK放送博物館。▲NHK放送博物館で3階までエレベーターで上がれば右手に入場口が見えるはずです。

最後に

岡本太郎の展覧会と呼ぶにはちょっと毛色が変わり過ぎていますが、岡本太郎作品オマージュの本気でジョークな展覧会としては相当に面白いと思います。将来的には伝説的な展覧会となるのでは。

また「TAROMAN岡本太郎式特撮活劇」にハマった人には文句なく楽しめる展覧会だと思います。

土日も開館しているNHK放送博物館で入場も無料ということで、近くに来る機会があったらちょっと覗いてみませんか。30分あればほぼ観終えることができます。

また「NHK放送博物館」という博物館自体も、日本のソフト、ハード両面から見た放送の歴史の展示があり、スタジオ体験などもできる興味深い博物館です。子ども連れでも楽しめるので、週末に親子で訪問するのも良いと思います。

NHK放送博物館と隣接する愛宕神社についてはこちら▼

 

岡本太郎記念館での「岡本太郎の1世紀」展についてはこちら▼

東京都美術館での史上最大のTARO展「岡本太郎」についてはこちら▼

展覧会 タローマン 基本情報

名称 展覧会 タローマン
会場 NHK放送博物館 3F 企画展示室
会期 2022年11月1日(火) 〜 12月4日(日)
時間 10:00 − 16:00
料金 無料
撮影 可能
予約 不要

NHK放送博物館 基本情報

名称 NHK放送博物館
住所 港区愛宕2-1-1
休館日 月曜日
最寄駅 神谷町駅、御成門駅

あわせて訪問してみたい。

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