アートとエンターテイメント
今やすっかりアートとエンターテイメントの街になった六本木。そして20世紀を代表するエンターティメントといえば「映画」。アートの文脈で語られることもある多い映画ですが、意外なことに六本木で映画を観られる場所はもはや一箇所しか残っていません。
映画が娯楽の王様だった時代には六本木にも多くの映画館があったらしいですし、ミニシアターの時代にシネ・ヴィヴァンがあり俳優座でもレイト上映があったりしたのですが、21世紀の六本木にはヴァージンシネマ六本木ヒルズとシネマート六本木しかありませんでした。
シネマート六本木も少し前に閉館し、結局2018年の今はヴァージンシネマから経営が変わったTOHOシネマズ六本木ヒルズだけが残っています。
TOHOシネマズ六本木ヒルズ
その名前の通り、六本木ヒルズのシネコン施設がTOHOシネマズ六本木ヒルズ。
以前はヴァージンシネマズ・ジャパンの旗艦店でしたが、今は東宝へ経営が譲渡されTOHOシネマズのグループ館です。
予約のシステムやストアショップなども普通のTOHOシネマズですね。
あまり六本木や六本木ヒルズは行かない人でもここだけは馴染みがあるという人も多いでしょう。
エスカレーターでフロア間を上下しますが、このエスカレーターからは東京タワーや仙石山タワーなどが見渡せて、あぁ都心だなぁと感じる光景ですね。
エントランス
シネコン化してからのここは映画デートに最適なスポットになっています。
エントランスに入って真っ先に目が行くのがこのガラス。
常に水が流れいて涼しげです。ここで待ち合わせする人も多いですね。
この写真の時は水が流れるガラスだけが見えますが、ブロックバスター映画がかかっている時はこのガラス全面を使ったディスプレイが展開されたりしてます。
スクリーンは9つ
TOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーンは全部で9つ。
ヴァージンだった頃は「プレミアスクリーン」とか「アートスクリーン」といった特色のあるスクリーンがあったのですが、いつの間にかリニューアルされてしまいました。
また「カーテンコール」というカフェラウンジがあって、深夜でも利用できて便利だったのですが、これもいつの間にか閉店してしまいました。
奥の方にはかつて「アートスクリーン」という名称だったスクリーンが。今でもちょっと雰囲気が違いますね、この辺りは。
ちなみにこの奥に見えるトイレはこの映画館で一番空いているトイレです。他のトイレが混んでいる時は奥のこのトイレを使ってみましょう。
中は普通に映画館。ヴァージンだった頃はかなり斬新な内装だと感じたものですが、今はこのレベルは普通ですね。
このちょっと未来的な通路がこれから観る映画への期待感を膨らませてくれますね。日常から非日常への入り口という感じです。
上のフロアは卵型のSF映画の宇宙船を思わせるような雰囲気です。
向こうのTCXシアターがこの映画館で一番大きなスクリーン。たしか600席くらいあったはずです。
向こうに見える入り口がトイレへの通路になっています。
懐かしのヴァージンシネマ
六本木の唯一の映画館になってしまったTOHOシネマズ六本木ヒルズですが、正直に言ってかつてヴァージンシネマだった頃と比べると足を運ぶ回数はめっきり減ってしまいました。
ヴァージンだった頃はレイトショーの企画上映があったり、世界中のマイナーな映画をしれっと上映したりして、シネコンという顔とミニシアター系な顔との両面があったのです。
終電が終わった後でもインディ系映画が上映され、でもお客さんが10人くらい。しかも何人かはカプセルホテル代わりに始発までの時間つぶし。こんな、昼間の華やいだ雰囲気とはガラッと変わる映画館だったのです。
深夜にてくてく歩いていってジャック・タチの古い映画を観て、観終わった後はけやき坂のスタバで眠気覚ましのコーヒーを買って歩いて帰る・・・こんなスタイルがぴったりの映画館だったのですが、今は深夜上映といってもブロックバスター映画ばかりですし。
インフォメの奥には「カーテンコール」の跡地が今も残っています。
このエレベーターを使えばB2のアリーナのフロアまで一直線。混んだ映画の後にけやき坂方面へ戻るのにんベストなコースです。
六本木ヒルズには目立たないエレベーターがあちこちにあり、そうしたエレベーターの配置を覚えておくと混雑や雨風を避けながらどこでも移動できて便利ですよ。
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
港区 六本木 6-10-2