けやき坂のアートに続いて六本木ヒルズさくら坂のアートのご紹介です。
けやき坂はスタバやTSUTAYAのある交差点から旧テレ朝通りに繋がる坂で、六本木ヒルズを訪れた人ならイルミネーション見物などなんらか一度は歩いたことがあると思います。
今回紹介のさくら坂は六本木高校側にけやき坂とほぼ並行して走る坂道です。けやき坂のブリコラージュのある信号から入るのが分かりやすいですね。
その坂の上から下っていくと右側にあるストリートファニチャーです。
「モトクロス」 ジョアンナ・グラウンダー
2007年/FRP、ゴム、人工芝
ジョアンナ・グラウンダーはエットレ・ソットサスに師事したデザイナーで建築、インテイリア、照明など多岐にわたる活動をしています。
エットレ・ソットサスの元パートナーとかそうでないとか‥。
坂を更に降っていくと今度は左側に見えてきます。
「繋留気球」 パトリシア・ウルキオラ
2007年/チタニウム、ステンレス、ゴム
冬なので、すっかり葉が落ちてしまってますが、葉が生い茂る季節には、枝を広げた木が森のように広がり、強い日差しを避けることができます。
新緑の生い茂った状態はこんな感じです。こんもりしていて可愛いいですね。これなら日よけとしての機能もバッチリです。▼
パトリシア・ウルキオラはスペイン生まれの女性デザイナーです。
現在はイタリアに拠点を移し、ヴィコ・マジストレッティやピエロ・リッソーニのもとで様々なプロジェクトを経験後、2015年よりイタリアカッシーナのアートディレクターに就任しています。
ちなみに、ウルキオラデザインの家具は日本ではカッシーナ・イクスシーで購入することが可能です。
「静寂の島」 エットレ・ソットサス
2003年/壁面:特注テラゾー、床・柵:御影石(カルドーゾ)、ベンチ:大理石 (ビアンコカラーラ) 2.3 x 7.0 x 2.1(h)m
沢山の人や車が行き交う街中に、遮断されたプライベートな空間を望む人達のためのスペースです。
イタリアデザインと言えばソットサスというくらい有名な存在ですが、この作品はソットサスが亡くなる4年前の作品です。
日本との関わりも深く日本のインテリアデザイナーの第一人者倉俣史朗との交流をテーマにに21_21design sightで2011年に開催された「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展は記憶に新しいところ。
この木でできているように見える柵も石です。全部石です。贅沢な空間ですね。
今度天気のいい時に、ここでお茶でも飲んでみたいと思います。
ソットサスの重厚な作品とともにさくら坂は終わりです。
このソットサスの作品、アート作品なのですが見かけがあずまや風なこともあり、設置当初は喫煙スペースとして使う人が多かったのです。
今は港区も六本木ヒルズ内も喫煙スペースはしっかり区分されていますが、この作品が設置された十数年前はあまり気にされることもなく、ちょっとおしゃれな喫煙所くらいに思われていたのでしょう。
そして、残念ながら撤去されてしまったストリートファニチャーについて
「アンナの石」 トーマス・サンデル
2003年 コーリアン
下の写真は宮島達男のカウンターヴォイドの最後の再点灯が行われた2018年3月11日の写真です。この時の詳細はこのブログでもレポートしてますのでブログを読んで下さい。
この時はカウンターボイドの前にあった「アンナの石」ですが、2019年1月現在は忽然と消えています。
作品の設置跡が確認できますね。なぜ撤去されてしまったのでしょうか。
実は以前にあったのに現在はない作品はこのアンナ石だけではありません。
日比野克彦作品、カリム・ラッシド作品も撤去されています。日比野作品、カリム作品ともにGRC(硝子繊維補強セメント)製なので、劣化が原因なのかもしれません。
写真のトーマス・サンデルの「アンナの石」はコーリアン(人工大理石)なので耐久性はあると思うのですがやっぱり劣化してしまったのでしょうか。
番外編としてTSUTAYA横のリンコス前にあるアートの紹介です。
「KUMO」五十嵐威暢
五十嵐威暢は多摩美術大学の学長も務めたデザイン科出身のアーティストです。ちょっと森ビルのセレクトとは異質だなと思ってキャプションをみて納得でした。
こちらの作品は六本木ヒルズの(森ビル)のものではなく、麻布十番コミニティストアプロジェクトという事で、ヒルズができた2003年より前の1996年に麻布十番の商店街?によって設置されているようです。
商店街の道沿いに設置されている彫刻の流れなのではないでしょうか。
けやき坂は通るけど、さくら坂は知らなかったという方も意外と多いのではないでしょうか。
その名の通りさくらの季節は両脇に植えられた桜が咲いて桜トンネルが美しい坂道です。さくら坂の桜情報はコチラからどうぞ。
六本木ヒルズさくら坂
港区六本木6丁目11−1六本木ヒルズ