旧厚生省の公務員宿舎を改装したコートヤード広尾。
名前は広尾ですが住所的には西麻布のこの施設にはレストランやヨガ教室、シェアオフィスなどが入居していて、その一つが「ガロウ」という名のギャラリーです。
これまで十数回の展覧会が開催されているこのスペース、この週末からは長谷良樹写真展が始まっています。前回の大山エンリコイサム展と併せて紹介したいと思います。
ファウンド・オブジェクト
9月の一ヶ月間にわたって開催された大山エンリコイサムの「ファウンド・オブジェクト」。
この個展のために制作された新作が15展。
すべて古道具屋などで入手したマテリアルに ”クイック・ターン・ストラクチャー” を施したものです。
キース・ヘリングなどで有名になったNYCのグラフィティ。当事者たちは ”ライティング” と呼ぶらしく、そのライティングから文字を取り除いたグラフィックな部分が大山エンリコイサムの作品となります。
文字の持つ意味性や曖昧さなどを排除し、グラフィック本来が持つ力強さや躍動感を追求しているとのこと。
音楽に例えれば、ロックンロールから曖昧な歌詞を取り除き、人を熱狂させる本質的なビートとグルーヴ感だけを追求したようなものでしょうか。
ギャラリーはもともとの公務員宿舎の壁をぶち抜き、天井を削ぎ落とし広い空間に作り変えられています。
なかなか贅沢な作りとも言えますが、このような都心で新しいクリエイティブな場が造られているのは正直嬉しいですね。
このような場から新しい才能がどんどん産まれ出て欲しいです。
almost nature 長谷良樹写真展
10月6日から始まった「almost natue 長谷良樹写真展」。
どことも分からぬ匿名の自然の中に人工的なオブジェを配置した非現実的な光景を写真にした作品群 ”シリーズ 181” が並んでいます。
作品となった写真とその中に写っているオブジェの現物。かなり大きいです。
波打ち際に置かれた木製のオブジェ。
その現物がこれ。天井の高さと比較してみるとサイズ感が判りやすいと思います。
これも波打ち際に置かれていたオブジェ。
自然と人工物が溶け込まず自己主張する様子を写真に捕らえ、さらにそれを分解した様子も鑑賞するという重層構造が楽しめます。
一番心惹かれた作品がこれ。
砂漠のような場所に置かれた黒い角材のような2つのオブジェ。
大きな一本はすでに倒れ、もう一本は不安そうに立っている・・・
緊張感のある作品ですね。
イギリスのデザイン集団ヒプノシスもこのようなテイストの作品を数多く手がけていました。
この作品展は10月22日まで。考えたらもう今週いっぱいですね。
コートヤード広尾
コートヤード広尾は六本木通りと広尾ガーデンフォレストとの間。
こちら側から見ると超高級マンションのようにしか見えませんがこれは最近リノベーションしたから。
六本木通り側からアプローチすると昭和な3階建てアパートに見えます。
六本木通り側の入口。
ドアを開けて階段を3階まで上るとガロウです。
日赤通り側からなら、広尾ガーデンフォレストの横の道を西麻布方面に下り、2つ目の角を左に曲がった先。
六本木通り側からなら、西麻布の交差点から六本木通りを高樹町方面に向かい、成城石井とセブンイレブンのあるビルを左折。そのまま200mくらい先の右側です。
毎月1ヶ月にわたって展覧会が開催されているガロウ。六本木からも広尾の駅からも近いので時々はチェックしておきたいですね。
コートヤード 広尾 ガロウ
港区西麻布 4-21-2
定休日:日祝
営業時間:12:00 – 19:00