北回帰線CURRY ー ヘンリー・ミラー・メモリアル(閉店)

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今回は週に3日、それもランチタイムしか営業しない六本木一丁目のカレー屋さん「北回帰線CURRY」を紹介します。

北回帰線というとパンタの名曲を思い浮かべる人が多いかもしれませんがこのお店は小説の「北回帰線」の方です。

20世紀アメリカを代表する小説家ヘンリー・ミラー。もはや一般的知名度は限りなく低い作家ですがビートニクスの先駆け的として無視することはできません。

Wikipediaによると結婚歴が5回あってその8番目の妻(数が合わない理由はWikipediaを参照してください)、そして最後の妻でもあるのが日本人のホキ徳田。

ヘンリー・ミラーと離婚後に日本に戻ったホキ徳田はジャズ・シンガーとして活動していましたが、10年ほど前に六本木の芋洗坂に自分のバーを開きます。朝日神社の向かいのビルでした。

数年前に今の六本木一丁目にヘンリー・ミラー・メモリアル・カフェ「北回帰線 (Tropic Of Cancer)」として移転し、80歳を過ぎた今もシンガーとしての活動を続けています。



北回帰線CURRY

そのホキ徳田のバー「北回帰線」は夜からの営業ということもあり興味はあってもなかなか足が向かなかったのですが、最近ランチタイムに営業しているという情報があったので訪問してみました。

六本木通りの歩道にどーんと置かれたメニューの看板。

毎週平日の月・水・金曜日、それも11:00から15:00までしか営業していない、ある種幻のお店です。
たまたま水曜日のお昼時に近くで用事があったのでやっと実際に営業している時間に行くことができました。
近所に住むか勤め先がある人でないと訪問できませんね。

▲ビルの壁面にはヘンリー・ミラー・メモリアル・カフェ「北回帰線(Tropic Of Cancer)」の大きな看板が。
かなり大きく目を惹きますがこれは夜の部のお店の方。

どうも昼間は営業していない「北回帰線」を「北回帰線CURRY」がシェアしているようです。
いま流行りのシェア店舗というものですね。

この看板の向こう側をぐるっと回るとお店の入り口です。

ビルの階段を数段上がると入り口が見えてきます。
店名は「北回帰線」。

▲ランチタイムしか営業していないので当然ランチメニューしかありません。
そしてカレー屋さんなのでカレーしかメニューがありません。シンプル!

基本的には2種類。
スパイシーカレーとグリーンカレー。

そこにトッピングを乗せたバリエーションと両方一緒にいただける ”あいがけカレー” というのが全メニューです。

お兄さんが一人でホールとキッチンを回しています。もしかしてホキ徳田の関係者なのか単なるスタッフなのか、それともシェア店舗側のオーナーなのかはちょっと分かりません。

北回帰線の店内

同じ店舗をシェアしているので店内は昼間の「北回帰線CURRY」の時間帯も夜の「北回帰線」とほぼ同じだと思われます。

▲店内左手奥にはピアノブースとマイク、PAなどが置かれています

ホキ徳田はピアノの弾き語りジャズ・シンガーなので夜はこのピアノ前に座り弾き語っているのだと思います。

▲壁にはギターなど楽器がぶら下がっています。
本人が弾き語ったりするのかそれとも飛び入り共演者用だったりして?

ライブバーらしいこじんまりしたスペースです。

▲ピアノブースの反対側はヘンリー・ミラーやホキ徳田との写真などが。

▲店内は2人席が4卓、それと4人席が一つとこれもこじんまりしています。

ホキ徳田がヘンリー・ミラーと過ごしたミッド60’sのアメリカな雰囲気を意識しているのでしょうか。

左の写真は晩年のヘンリー・ミラー。それ以外は絵も嗜んでいた彼の作品ではないでしょうか。

お店の入り口を店内から。

店内はまさにヘンリー・ミラー・メモリアル。
時間がなくてゆっくり見ることができませんでしたが機会があれば再訪してみたい店内です。



北回帰線CURRYのカレー

人が食べているグリーンカレーがあまり好みのカレーじゃない感じがしたのでスパイシーカレーをオーダーしてみました。

これは「鳥とナンコツの炙りチーズスパイスカレー」。

炙ったチーズが1枚乗っていて1,000円。
コーヒーをセットにすれば1,200円。

本来はここにパクチーが乗っているのですがお腹の調子が良くないということで、この時はパクチーなしでお願いしています。

▲こちらが「鳥とナンコツのスパイスカレー」。
パクチーが乗っているこれが本来の姿です。

▲ちょっとアップに。
カレールーがオイリーなのは何でしょうかね。

写真だとライスの量が大丈夫だろうかという感じですが、実際に頂いてみるとライスの量も十分です。
ただやはり男性には物足りない量かもしれません。表の看板にもあるように大盛り無料なので男性は最初から大盛りで頼むのがよいでしょう。

味の方は好きな人は好きでしょうね、こういうの。
スパイシーなのはたしかです。



北回帰線の場所

最寄り駅は南北線の六本木一丁目駅。
3番出口を出て歩道橋で六本木通りの反対側に渡って六本木方面へ歩けばすぐです。駅の改札を出てから10分弱くらいでしょうか。

六本木駅や溜池山王駅からも歩けます。六本木通りの赤坂側(アークヒルズじゃない方)をてくてく歩いていけば中間地点、歩道橋の近くにあります。どちらの駅から歩いても10分弱ですね。

でも一番確実なのは都営バスの渋01か渋66の新橋行き(あるいはアークヒルズ行き)に乗って六本木一丁目バス停で降りること。降りて溜池方面へ20mでお店です。

とにかく月・水・金の11時から15時(ラストオーダーは14:30)しか営業していないので、曜日や時間を確かめてから訪問したいです。
ヘンリー・ミラー・メモリアルという名が付いていますが、ごくごく私的な ”メモリアル” なところが興味がある人には堪らないでしょうし、そうでない人にも幻のカレー屋ということで一度のぞいてみてはどうでしょうか。

お店の入り口隣にホキ徳田のメッセージが張られていました。
「北回帰線CURRY」じゃなくて「北回帰線」の紹介です。

夕方(7〜8時)から夜中(12時)というアバウトな営業時間ですが、ホキ徳田本人のパフォーマンスに興味がある方は夜の部にもぜひどうぞ。

北回帰線CURRY

港区 六本木  2-3-9
営業時間:11:00 − 15:00

営業日:月・水・金

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